アメリカに比べて、博士号取得者の数が少ないので、博士課程を増設し、博士号が取れるように文科省が働きかけていると聞いています。
そこで、質問ですが、アメリカのほうが博士号取得者が多いと言うのは、出す側の規制がゆるく、レベルが低いと考えてもいいのでしょうか。
日本では、少なくとも今までは「そう簡単に取れるものではない」という認識がありました。最近では少し変化が見られます。
一般論として外国の博士号の位置づけとはどんなところにあるのでしょうか。
日本人がアメリカで博士号を取るという状況ではなく、あくまでアメリカ人がアメリカで、日本人が日本で取る場合を想定しています。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
文系と理系で分けて考えた方がよいと思います。
理系の場合
日本では、理系である程度の企業に就職しようと思うと、修士号を取って就職します。博士号まで取ると、専門分野に関連した範囲でしか企業に就職できなくなるし、多くは研究職を志すようです。
これに対して、米国では、理系である程度の企業に就職しようと思うと、博士号まで取ります。そもそも、米国の理工系のgraduate programは、博士号を取得するためのものであり、修士課程と博士課程とに分かれていません。博士号取得に途中で挫折した学生が修士号を取って、卒業していきます。
文系の場合
日本で文系で博士号を取得しようとすると、教授になってから研究論文をまとめて、始めて博士号を取得できるという感じです。博士課程在籍中には、まず、博士号は取れません。
これに対して、米国ではgraduate programで博士論文を書き上げ、審査に通ると、Ph.D.を取れます。5年で取れるとは限らず、それなりに大変みたいです。米国でも文系で博士号まで取った場合には、academic positionを目指す人が多いようです。
さて、米国の方がレベルが低いかという点ですが、日本と米国でノーベル賞受賞者の数がどれだけ違うでしょうか? ハーバード、MIT、シカゴ大学クラスでは、学部学生、大学院学生、大学の先生まで含めると、ノーベル賞受賞者は、50人以上、100人近くになります。シカゴ大学の経済学部の教授会には、ノーベル賞受賞者が3人いたという時期があります。
日本でも米国でも、博士論文の内容を検討すれば、その人の業績のレベルは分かります。
この回答への補足
皆様からご親切な情報をいただきありがとうございました。ポイントが2人しか出せないのが心苦しいのですが、締め切らせていただきます。
補足日時:2005/12/08 22:42詳しい、別の観点からの回答をありがとうございました。確かに前からアメリカにはノーベル賞受賞者が多いことには注目していました。
レベルの低い高校教育からどうやってこういう変化に至るのかに興味がありました。
博士号はどこの国でもそれなりに大変そうですね。
No.4
- 回答日時:
アメリカ在住です。
>アメリカのほうが博士号取得者が多いと言うのは、出す側の規制がゆるく、レベルが低いと考えてもいいのでしょうか。
コレは絶対に違います。大学を卒業するのでさえアメリカでは大変です。毎日宿題は山ほどでますし、テストだらけですし、成績のつけ方も厳しいし、ある程度の成績を修めていなければ大学から追い出されます。私から見ると(日本で大学・大学院を卒業しました)、日本ほど楽に学士・修士・博士号が取得できる国はありません(別に日本のレベルが低いという意味ではありません)。
まず、回答ありがとうございました。
質問した理由は、PISA国際学力テストで、アメリカはけっして良い成績とはいえない。数学も、科学も日本の方が上です。すなわちアメリカ人は日本人ほど勉強ができない。それなのに、大学進学率が高く、博士号取得者の数が多いのはなぜかな、と思ったのです。人口が約2倍なのを計算に入れても、どうなっているのか、と不思議だったわけです。
アメリカの大学は入学はそうでもないが、卒業は日本より大変なのは知っています。博士号などの審査もそれなりに厳しいということですね。
情報ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
大学関係者ですが、博士号はありません(笑)。
最近までドイツにいましたが、ドイツの大学でも、博士号は研究者の「資格」というのは同じような状況だと思います。ただドイツの場合、少なくとも社会科学系ではちゃんと市販される本を一冊書かないと学位が取れないことも多く、私の知る研究室では、出版社とタイアップしてそこの大学院生・助手による出版シリーズを企画していました。もちろん、発売部数は少ないのですが、そうはいっても一応学術出版社として実績のある出版社から出すわけですから、そのレベルは推して知るべしかと思います。
日本では、従来の「研究の集大成」という学位の出し方では若手研究者が国際的に通用しないことから、最近ではいわば大学院後期課程の卒業論文として学位論文を出させることが多いようです。確かに、中堅の世代の研究者に聞くと、国際学会で名刺交換したら自分だけ博士の称号がなく、やっている研究に遜色はないのに見劣りしたという声はあり、こうした方向は必要なのかと感じます。とはいえ、ここ数年は逆に、「(論文を)出せば学位がもらえる」という状況だという声もあり、少なくとも大学によって学位のレベルにばらつきはあるのは確かなようです。
念のため申し上げると、理工系・医学系では従来から研究者になるには博士号をとるのが当たり前でしたし、逆に文学系や法学・政治学系の一部の分野では今でも若手研究者が博士号をとることが必ずしも一般的ではないようです(というか、大学院修了時の論文でとることのできるいわゆる「課程博士」の博士号を持っていても相手にされないので、とらないケースが多いということのようです)。
お役に立てば幸いです。
内部事情がだいぶわかってきました。しかし名刺に各場合は、「課程博士」「論文博士」の違いはわかりませんね。
興味ある情報をありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>出す側の規制がゆるく、レベルが低いと考えてもいいのでしょうか。
そんなことはありません。もちろん博士論文のレベルにはピンからキリまでありますが、基本的には大したものです。
ただ、アメリカの場合、世界中から優秀な学生が来ますから、レベルが上がります。これは最近のことではなく、昔からです。アメリカの研究レベルは留学生が支えていると言っても過言ではありません。
留学生にあれだけがんばられると、アメリカ人としてもがんばらざるを得ないのではないでしょうか? もっともドロップアウトも多いのですが。
>一般論として外国の博士号の位置づけとはどんなところにあるのでしょうか。
基本的には、研究者として認められる、スタートラインにたった、というところでしょう。上を目指すなら Ph.D. がなければ話にならない。運転免許なしにタクシードライバーになろうとするようなものです。ただし、学位をもっていても、就職がなくてガソリンスタンドで働いている人もいます。
日本の場合は、研究者の集大成として学位を取ると言うところはありました。最近の変化はむしろ、アメリカのように留学生を呼び込むことにねらいがあるようです。
留学生の貢献度には気がつきませんでした。
分野によっては研究費がふんだんに出るという事情もあるとききました。
回答ありがとうございました。
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