No.3ベストアンサー
- 回答日時:
私も最近必要性があって体系的に物件法の勉強をしました。
お互いに判らないもの同士のほうが、話はわかりやすいと思い、回答する次第です。(1)債権と対比させるとわかりやすいです。
債権は要するに「相手とどんな約束したか」でしょうが、物権は「貴方との約束は無いが、私は貴方にこう言う権利がある」という側面が強いのです。
物権(具体的には「所有権」が典型例でしょう)については契約により自由に相手方と、その内容を自由に決められません。特に当事者でない第三が現れると圧倒的に物権法の規定が優先します。これを「物権法定主義」といいます。
物権法と異なる契約を結んでも「物権法」が優先し、当事者の合意、契約の自由どこ吹く風です。
子供が遊んでいるところを観察すると「このおもちゃは私のもの」「いや違う」でしょっちゅう喧嘩しています。まずこういう場合について物権法が、登場します。お互いに何を主張しようと、どう合意しようと、物権法が優先になります
こどもはおもちゃの所有権を問題にしますが、大人は土地建物の不動産か、車、家具、所持品などの動産の所有権を問題にするでしょう。
「これこれの不動産・動産の所有者はAであることをBは承諾し契約する」という契約を締結していたとします。このとき、C,D、Eが現れて、この不動産・動産の所有を実は私のものと主張されたら、この契約はAにとって無意味ですよね。そこで物権的所有権の登場です。
Aは、B,C,D,Eの登場とは無関係に、これこれの不動産・動産はAの所有物であると、Aは一毛打尽にC,D,Eに主張でき、「うるさい。帰れ」と主張できます。これが「物権的請求権」です。
(2)アメリカインディアンの土地に、いつの間にか白人が来て家を建てて、牛を飼い始めた事態を想定しましょう。
インディアンは「やめてほしい」と言っても最初は白人は「実害ないでしょう」「実害あったら言ってくだされば立ち退きます」でしょう。「それもそうか」でインディアンは善意で引き下がるしょう。
しばらくして、また退去を催促すると、「もう結婚して家族もいる。牛も何千頭になっている。この土地はなれたら家族全員餓え死にします」となれば、白人は「騎兵隊呼んでインデアン全員を殺してもらう他、私家族の生きる道はありません」みたいな大紛争になりますよね。
占有訴権とは、占有により実害があろうか無かろうが占有を排除できる権利です。占有権を排除しないことは、「いずれあなたの所有にしても、私は文句言いませんよ」ということになって主張しない方が不利になります。
要するに、物権的請求権、占有訴権はアングロサクソン人が自分達の植民地支配、植民地における土地支配の最大の根拠法みたいな側面、逆によく言うと「権利意識の無い人間には、法的権限は一切なく、財産奪われて死ぬことになっても文句は言えない。権利を主張できない人間は、当然持っているべき財産を失っても仕方が無く、死んでもしょうがない。これが世の中だ。」という近代民主主義、資本主義の実践的条文になっている、というのが、私の素人意見です。
アメリカインディアンは大迷惑でしたが、「資本主義、自由主義の本質って何だ?」ということにアングロサクソン人大いに目覚めて、こういう権利を定めているのが、無駄なトラブルの発生を抑えて、今日の自由主義経済大繁栄の礎となったというのが私の意見です。
質問者は、法律の専門家にならなくても、このことを覚えておくべきというのが私のアドバイスです。
No.2
- 回答日時:
物権的請求権
そもそも物権というのは物を直接的排他的に支配する権利であって他人に何かを請求する権利ではない。物権の侵害があった場合に侵害者に対してする請求は物権とは本来別の権利である(例えば不法行為に基づく損害賠償請求権など)。ところが例えば土地の不法占拠などに対して土地を明渡すように請求する権利は、民法上明文の規定が無い。一般論としては、明文のない請求権は認められないとも言えるところ、それでは物権の直接的排他的支配が実現しない。そこで、物権それ自体から直接生じる権利として、明文の規定無しに当然行使できる請求権、即ち物権的請求権という権利が認められることになる。
以上が、実質的な根拠。
条文上の根拠として、占有権について占有訴権が認められていることと民法202条1項に「本権の訴え」とあること。
以上が、形式的な根拠。
具体的には、物権的返還請求権、物権的妨害排除請求権、物権的妨害予防請求権の三つがある。
法的性質論、種類、内容、相手方などは、書きませんけど、必要なら言ってください。もっとも、直ぐに回答する保証はできませんが。
占有訴権
占有権侵害に対する侵害の排除を請求する実体法上の権利。物権的請求権の条文上の根拠となるくらいなので、占有訴権もまた一種の物権的請求権(占有権は物権の一つ)。占有があれば、当該占有を正当ならしめる本権の存在とは関係無しに認められる。つまり、泥棒であっても盗品について占有訴権は認められる。
占有保持の訴え(物権的妨害排除請求権に相当する。198条)、占有保全の訴え(物件的妨害予防請求権に相当する。199条)、占有回収の訴え(物権的返還請求権に相当する。200条)の三つがある。
占有訴権の存在は、占有権の保護(事実上の占有の保護)を明文で規定したことに意味がある。この結果、本権者が自力救済をすることは「占有権侵害となり」認められないことになる。なお、占有訴権に対する本権に基づく抗弁を禁じた202条2項。
物権変動論
物権変動とは、物権の発生、変更、消滅を言う。物権変動論とは、法律学における民法物権法の内、この物権変動にまつわる諸問題を議論する一分野を言う。
発生、変更、消滅の内、変更、中でも特に移転(=権利者の変更)が主なテーマになる。不動産と動産との違い、不動産の場合の登記制度との関係なども重要。
と、こんなところでしょうか。物権的請求権のところにも書きましたが、学部学生向け教科書レベルでも全部書くと結構な量になるので、概要だけしか書いていません。年度末試験対策なら、後は、民法の本を読んでください。まさかそんなことはないと思いますが、自分では買いたくないがこの時期図書館の本は大概全て貸出中なので読めないなどというのは、面倒見きれません。
No.1
- 回答日時:
1 占有訴権とは,占有権の円満な実現が阻害されているときにそれを回復するための訴え。
保持,保全,回収の3種類あり。2 どういった場合に物権の変動があるとみるかに関する議論。意思主義と形式主義とか,物権行為の独自性を認めるとか認めないとか,有因と考えるか無因と考えるのかなど。
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