今、社会人です。
今度、代数方面の分野を勉強したく思っています。
博士課程って4年間(海外は5年?)ですよね。
以前在学してた時に4年間で博士号取れた先輩はいなかったように記憶してます。
その後、彼らは教員や会社員になったりしてまして教授からは働きながらでも地道に博士論文仕上げるように促されてました。
そこで質問なのですが博士課程って留年とかいう制度は無いんでしょうか?
博士課程出た後も好きな時期に博士論文を出せるものなのでしょうか?
博士号取得する為のシステムがよく分かりません。
基本的に何処の大学でも(海外でも)いいので博士課程を経てればいつ提出してもいいのでしょうか(特別料金はかかるのでしょうか)?
後、博士号の授与は何処の機関が合否を決めるのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
博士課程の制度について。
まず日本では過程博士と論文博士という2つの異なった制度があります。
日本の大学院には修士課程(または博士前期過程)と博士後期過程があり、一般に「博士課程」と言うと博士後期過程をさします。
過程博士は、理学部数学科を含むほとんどの学科で3年間が学位取得の目安となっています。ただし研究の進み具合によっては4年以上かかることもあります。論文は在学中に出す必要があるので、3年で論文審査に通らなければ留年になりますね。博士号の授与の決定権は各大学にあると思います。
論文博士というのは、基本的に大学に学生として所属せずに、投稿論文や業績ベースで博士号を取る制度です。こちらについては詳しく知りませんが、好きなときに論文を出すことができます。例えば博士過程に在学したあと「退学」して、業績ベースで論文博士を取る人もいますので、cchisakoさんの先輩方はそうされたんでしょう。合否判定はこれも大学にあるんじゃないかと思います(自信無し)。論文博士については日本独特のシステムで、国際的に理解されにくいという理由で、将来的に無くなる方向で話が進んでいます。
海外の事情について、アメリカの例しか知りませんが、博士課程は学部卒業後5年間です。いろんな例外はありますが、基本的には「アメリカの博士課程」=「日本の修士課程+博士課程」と認識するとわかりやすいです。5年間と言うのはあくまで目安で、授業や研究の進み具合で4年~7年くらいで学位取得する、またはドロップアウトします。
論文は在学中にしか提出できませんが、アメリカの大学院はそもそも日本で言うような「学年」の概念自体が無いので、留年という概念もありません。博士号の授与は各大学が決めます。細かく言うと、それぞれの学生に割り当てられた4~5人の審査委員が学位授与の合否を決定します(審査委員には学外の専門家も含まれることが多いです)。
No.2
- 回答日時:
●博士課程(前期・後期)が一般的ではないでしょうか。
No.1の方が非常に詳しく説明されているので、経験を中心にアドバイスさせていただきます。
先日、昔勤務していた研究室へ遊びに行ったとき、ちょうど、院入試を行っていました。「学生数の減少と大学院の垣根がなくなりつつあって、いろいろな大学からの受験も増えていますよ」とのこです。私が居たころは、大学→大学院の方がほとんどで、他の大学からの大学院への入学者は1年に1名居たか居なかったと記憶してます。
なぜ、博士課程と書いたかと言いますと、論文博士は技官や、助手とか助教授などの、自分の時間を研究に使える方が多く申請されていたと記憶しています。一般企業でも、実習費、研究費を支給されてそのまま院に残って研究を続けるなどの、苦労がありました。 No.1の方の記述にあるように、この論文制度は批判も多く、廃止の方向に向かっているかと思います。論文博士が悪いという意味ではありません。仕事と研究(論文)との両立が難しことを体験から知っているからです。修士課程から指導教官について、貴重な時間を大切に使い、1年でも早く学位を取得することを目指したほうがよいという意味です。
これ以外に、Ph.DのDr.の違いもありますので、数学研究科のある大学院を研究してみてください。大学院入試問題の過去問題も掲載しているHPもたくさんありますので。
勉強を志されているとのことで、頑張ってください。
この回答への補足
有り難うございます。
将来、論文博士が廃止される事になった時代に満期退学になってしまったら、博士課程に再入学して博士論文を提出するしか博士号取得できなくなるのですね。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
課程博士は基本では5年です。
博士前期課程(修士課程)2年+後期課程3年です。留年というのはなく、修学期間の2倍まで在籍できます。長期履修制度というのもあり、最初から修学期間が標準の何倍であるかを届けて認可して貰う制度もあります。これは社会人には有利な制度でしょう。なお、大学の卒業に相当するものを修了といいますが、学位が在学中に取れなければ修了とは言いません。在学期間内に修士あるいは博士の学位が取れなければ満期退学と言います。
博士後期課程に修学するには修士が標準ですが、社会人の場合、修士課程に相当する学力・業績があると認定されると入学できる制度があります。
学位がどの程度難しいかですが、修士だとあまり取得は困難ではありません。
博士の場合は急に難しくなります。理工系では、しかるべき学会の論文誌に少なくとも1編以上の論文が採録されていないといけません(採録決定でも可)。しかし、学会の論文審査には1年以上かかるのが普通です。研究テーマを決め、実験を行ってきちんと成果にまとめるのは2年でも不足です。したがって、博士を目指す学生は修士課程(前期課程)のうちにある程度の目安を立てているのが普通です。
論文博士は、博士課程に在籍せず、論文誌に採録された研究成果をまとめて博士課程のある大学院に提出して審査して貰います。課程博士を出したことのある大学院(の専攻)でないと論文博士は出せないのが普通です。論文博士の基準は課程博士よりかなり高くなります。
課程博士在学中に論文が出せず(つまり論文誌に採録される成果がなかった)満期退学で就職した場合、数年の間なら課程博士と同じ条件(審査料なし、論文数条件が課程博士なみ)で審査して貰えますが、ある程度以上経過すると論文博士と同じ条件になります。
なお、論文博士の制度がなくなる方向であるのは皆さんが書いておられますが、そうなると医学博士を目指すお医者さんには大打撃でしょうね(医院によく学位記が飾ってありますが、医学博士であっても開業できるわけではありませんし、開業医師で学位のない方も大勢います。しかし、学位がない医者はあまり信用されないこともあります。)
この回答への補足
貴重なご意見有り難うございます。
> 留年というのはなく、修学期間の2倍まで在籍できます。
> 長期履修制度というのもあり、
> 最初から修学期間が標準の何倍であるかを届けて認可して
> 貰う制度もあります。これは社会人には有利な制度でしょう。
興味深い制度ですね。これは文化省が定めているのでしょうか?
> 課程博士を出したことのある大学院(の専攻)
> でないと論文博士は出せないのが普通です。
数学で課程博士を出たなら数学学会に出す論文しか書けないのですね。。
> 課程博士在学中に論文が出せず
> つまり論文誌に採録される成果がなかった)
> 満期退学で就職した場合、数年の間なら課程博士と同じ条件
> 審査料なし、論文数条件が課程博士なみ)
> で審査して貰えますが、ある程度以上経過すると
> 論文博士と同じ条件になります。
この制度は数学学会?が定めているのでしょうか?
No.4
- 回答日時:
●論文博士については、まだ無くなりませんが、将来は無くなる方向で進んでいます。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050614ur0 …
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chuky …
ここにあるように、戻れる方法も検討しているようです。(内容はわかりません。)
●審査について(ちょっと補足)
No.3の方も書いているとおり、マスタコース(博士課程前期コース)、ドクターコース(博士課程後期コース)を出てもしっかり論文を仕上げて、学会/学術論文雑誌への掲載などをあげないと、審査自体が受けられませんでした。審査には、語学試験・試問・論文諮問などがありました。これは、博士課程にしても、論文博士にしても、同様でした。
もう、15年近く前の話ですが。
●日本にはこういう大学院もありますよ。
旧文部省の直轄研究所が集まって大学院教育をしています。非常にユニークな組織ですので、大学と比べて面白いと思います。(環境は非常に良いと思います。)
http://www.soken.ac.jp/rcourse/9-15/9-15-6.html
いろいろと可能性を考えて検討してみてください。
No.5
- 回答日時:
No. 3 への補足質問について
長期履修制度は、いくつかの大学院(国立および私立)で実施されていますので、恐らく文科省(文部科学省)に根本規程があるのでしょう。長期履修の場合、月謝は安くなります。ただ、文科省に規程があったとしても、実施するかどうかは大学院が決定しますので、志望する大学院に尋ねてください。
数学の博士課程を満期退学したからといって数学会以外に論文を書いていけない、ということはありません。しかし、たとえば史学会に論文が採録されたからといって数学で学位を取ろうとすると業績にならない可能性はあります(論文の内容によっては業績になるかも知れません)。
博士課程の学生が満期退学したあと、課程博士で提出するか論文博士で提出するかの目安は、数学会ではなく大学院が独自に定めていると思います(もっとも大学院は他の大学院を参考にするでしょう。)確実なところは志望する大学院に尋ねてください。
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