
No.4
- 回答日時:
ドーナッツをイメージしてください。
金属は一般に正の膨張係数を持っています。
温度が上がると、ドーナッツの内側が円周方向に伸びてきます。
外側も円周方向に伸びてきます。
軸方向(ドーナッツの中心に向かう方向)はどうでしょうか?
軸方向には、内側に向かう膨張と、外側に向かう膨張の両方の応力がかかります。
円の内側が伸びるということは外側に向かって力が働くことになるので、この(内円の膨張によって)外側に向かう力と、(軸方向の膨張によって)内側に向かう力は「競合」することになります。
しかし、都合のよいことに、外側(外円)も伸びてくれますので、軸方向の力は外側にかわされ、すべての膨張はバランスするので、「内径は広がる」ことになります。
簡単な計算をしてみましょう。
内径が10mm、外径が20mm(肉厚5mm)のパイプがあったとします。
また、この材料の線膨張係数は、0.1%/℃であったとします。
ここで、100℃ほど温度を上げた状態を考えて見ます。
内周は10%伸びて34.558mmになります。(四捨五入誤差はご容赦、以下同様)
外周も10%伸びて69.116mmになります。
軸方向にも10%伸びて肉厚は[5.5mm]になるはずです。
外周69.116mmであれば、その径は22.0mmです。
内周34.558mmであれば、その径は11.0mmです。
径の差は11.0mmですから、肉厚は[5.5mm]です。
円周方向の膨張と、軸方向の膨張が一致したでしょう?
つまり、この状態で「どこにも無理な力はかかっていない。(歪がない」ことがわかります。
このように、例えばリングに熱を加えて内径を広げて車軸などに嵌め、常温ではきっちり締め付けるようにさせる技術を、「焼き嵌め」といいます。
No.3
- 回答日時:
まずはシンプルに考えましょう。
断面を、半径r、太さwの輪っかと考えます。
輪っかの太さ中心に、±w/2 です。
2πr が 2πr+2π・Δr に膨張するとき
膨張率は、(2πr+2π・Δr)/2πr = 1+Δr/r
半径は、r+Δr に膨張します。
rもwも、断面と垂直方向には膨張しないと考えますから、断面方向にだけ膨張します。
wの膨張後は、w(1+Δr/r)
膨張前の内径は r-w/2
膨張後の内径は r+Δr-w/2×(1+Δr/r)
引き算すると、内径の「増加」は
r+Δr-w/2×(1+Δr/r)-(r-w/2)
= Δr+w/2(-1-Δr/r+1)
= Δr+w/2×(-Δr/r)
= Δr(1 - w/2r)
内径が減少する条件は、
Δr(1 - w/2r) < 0
1 < w/2r
w > 2r
つまり、
「太さ」が、太さ中心の直径より大きければ、内径が縮みます。
しかし、そういう状況はあり得ません。
なぜならば、
w = r
のとき、ちょうど、内径がゼロになってしまうからです。
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