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数eV程度の運動エネルギーを持っている電子のドブロイ波長を考えたいのですが、本を見てみると静止エネルギーが無視されています。静止エネルギーを考慮するのと考慮しない場合では、ドブロイ波長の大きさが大きく変わってきます。どうして静止エネルギーを無視してしまうのですか?それがなぜ正しいのかが理解できません。よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

p=mvγは相対論の運動量の定義式ですが、相対論と非相対論のつじつまをあわせるためには、dp=dE/vではなく、


mdv=dE/vとして下さい。(ただし、mは静止質量です。)この式は、Eが相対論的なエネルギーであっても、非相対論的な運動エネルギーであっても成り立ちます。しかし、ここまで、相対論にこだわるのでしたら、ドブロイ波ではなく、一気にDirac方程式で論じた方がよいような気がします。

尚、最初の質問、「静止エネルギーを考慮するのと考慮しない場合では、ドブロイ波長の大きさが大きく変わってきます」について答えるならば、式dp=dE/vを使う限り、静止質量を考慮しても、しなくても、大差はありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
みなさまのお陰でスッキリしました。
ご丁寧な解説に感謝します!

お礼日時:2006/06/26 10:04

混乱しているようなので整理します。



(1)光にも物質波にも使えるドブロイ波長の式: λ=h/p

(2)光にも物質にも使えるエネルギーと運動量Einsteinの関係式: E^2-p^2c^2=m^2 c^4


ここで(2)の式を変形した形で使われる

E=mc^2 √1+(p/mc)^2

の式も良く使われますが注意が必要(3)をみてください。

(3)質量のある物質にしか使えない運動量の定義

p=mv/√1-(v/c)^2

この式は相対論的に正しいしきですが、光には使えません。これが大事です!この式を(2)を変形した物に入れるとE=mc^2/√1-(v/c)^2 となりますが、当然この式も質量のあるものにしか使えません。この式でvが小さいときには

E=mc^2+ mv^2/2+....

となって質量エネルギーの項とニュートン力学での運動エネルギーの項が出てきます。質量エネルギーは皆さんが言っているように定数なので結局常に一定でなんら重要な役割をしません。なぜなら質量エネルギーはあるがそれは運動には使えないからあってもなくても理論上何も変化がないということです。(これは相対論的な運動になるまで成立します。相対論的な運動になると質量のあるものが突然きえて、質量エネルギーを他の物質に与えることによって、質量エネルギーが運動に使われ始めるからです。)



さてここまで整理が付いたでしょうか? すると残った問題は光の場合にはどうなるの?ということでしょう。くどいようですが(1)と(2)は光にも使えます、ただし(2)でm=0としてください。すると(2)からルートを取って

E=pc

が出てきますから光は運動量と、エネルギーがcをのぞけば同じになる不思議(?)なものです。ところで光のエネルギーはどうやって求まるの?という疑問がわきますが、それはE=pcだからpが分れば分るでしょということなんですが、するとpはどうやって求まるの?ということになります。 ここでドブロイの式λ=h/pを逆につかってp=h/λ と書けば 光の運動量は光の波長から求まる、波長は光の色から分る!という具合に光に対するエネルギーや運動量が全てもとまってしまいます。


考えてみてください、「物質にも波の性質がある」といったドブロイ先生の素晴らしい発見λ=h/pを逆に解釈すると「光にも運動量がある、p=h/λ」という波物質(?物質波の反対)の解釈も可能になるというわけです。


光と物質に使える式を区別して、もう一度自分で整理してみてください。疑問があればまた質問どうぞ
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この回答へのお礼

詳しいご説明ありがとうございました!
こうして整理してみるとハッキリします。
また何かあればお世話になると思いますがよろしくお願いします。

お礼日時:2006/06/23 20:34

 ディラックの教科書には、次のようなことが書かれています。


 相対性理論でのハミルトニアンは、運動量が小さい場合は、ニュートン力学でのハミルトニアンに移るが、静止質量エネルギーの分だけ異なる。しかし、この項は運動方程式には影響しない。量子論でも、物理的には影響のない項である。なぜなら、ハミルトニアンの定義には不定さがあって、実の定数を勝手に加えてもよいからである(ハミルトニアンの定義は、この記載の少し前にあって、時間のずれの演算子の極限で与えられる)。
 よく分からない内容だと思いますが、定数分の違いは物理的に影響を及ぼさない、ということのようです。詳しくは、ディラックの量子力学の教科書を読んでください。
 なお、この記載の少し後の方に、次のような記述があります。相対論的に不変な性質から出発して、ドゥ・ブローイーは、どんな粒子の運動でもそれに伴って式(29)の形の波(波動関数のこと)が存在するという公理を仮定した。したがってそれらの波は、ドゥ・ブローイーの波という名で知られている。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
やはり静止質量エネルギーの分だけニュートン力学と異なっているのですね!
それが影響をおよぼさないということなのですね。

お礼日時:2006/06/23 10:29

物質波がいつのまにか、光波になっているようです。


電子の速度vと位相速度cは違いますので、注意して下さい。λ= h/p とE=hνから、位相速度の公式c=νλを使って、p=E/cが導かれますが、この式のcは粒子(電子)の速度ではありません。粒子(電子)の速度v、運動量p、エネルギーEを関係づける式は正確には、dp=dE/vという微分の式になります。微分の式ですから、静止エネルギーは考えなくて良いのです。尚、蛇足ですが、粒子速度vと波動との関係はv=dω/dkです。v=ω/kは誤りです。

この回答への補足

あと、もう一つなのですが、
p=mvγ
E=mγc^2
からp = vE/c^2
という関係が導かれているのですが、今の粒子の場合はこの式は使えないということになるのですか?

補足日時:2006/06/23 10:39
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます!
粒子の速度と位相速度があるのですね。
dp=dE/vの式は覚えておきます。
そうすると、光だけは特別なのでしょうか?
光速はcで、光子の速度もcとなっています。

お礼日時:2006/06/23 10:08

>pはE=c*pの関係にあるので、



電子は光速cでは動いていませんよ。
だからこの式違いますよ。

さらに数eVの運動エネルギーですから、光速Cよりとてものろい。相対論的ではありません。

E=(1/2)mv^2 =(1/2m)p^2
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
E=(1/2)mv^2 =(1/2m)p^2という式は今までは納得していたのですが、相対論で
E=mγc^2 γ=(1-β^2)^(-1/2) β=v/c
となっていて、粒子が光速よりもはるかに遅い場合にβで展開すると、
E=mc^2 + 1/2 * mv^2 +o(β^4)
となります。
第1項はニュートン力学にはあらわれない項だという事なのですが、この式を見ると、物体の速度が遅い場合でも全エネルギーを出すには必ず静止エネルギーの分も加えないといけないのではないかと思ってしまうのです。エネルギーの原点のとり方の相違でこういう現象が起こっているらしいのですが、理解できません。ここが一番分からない点でした。

お礼日時:2006/06/23 09:57

ドブロイ波長とコンプトン波長を混同しているのではないかとおもいます。

ドブロイ波長は

λ= h/p

で運動量でわったものです。エネルギーではありませんから注意してください。
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この回答へのお礼

すいません、質問の仕方が十分ではなかったと思います。
ドブロイ波長を求めるときに、λ= h/pの式の中でまずpを求めようとしました。
pはE=c*pの関係にあるので、Eをcで割ればpが求まります。
この部分で疑問がわきました。
Eは電子のエネルギーなので、運動エネルギーと静止エネルギーの総和になっていると思うのです。
どうして静止エネルギーは考慮されないのかが疑問なのです。よろしくお願いします。

お礼日時:2006/06/22 20:22

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