とっておきの手土産を教えて

今昔物語集・平定文仮借本院侍従語第一を読みました。
最初、中央公論社から出ている、水木しげる氏作の漫画を読みました。
日本の古典文学がこんなにエロ・変態・スカトロ・幻想・猟奇に満ちたものであるとは想像すらしませんでした。つい夢中になって読み進めました。
本文はどうなっているのかと興味を持ちまして、小学館の新編日本古典文学全集にあたっています。

平中(平定文)が侍従の君(若キ女房)の勤める藤原時平の屋敷に出向いて、女童が侍従の君の糞尿を保管する筥(尿筥 しのはこ)を運んでいるところを、強奪します。筥のなかには薄黄色の水が入っていて、親指ほどの黄黒い固形物が三切れほど沈んでいました。えにもいわれぬ芳香がするのでそれをすすり、食べてみた。この尿とみせかけたものは実は丁子を煮たその汁なのだ。固形物は、野老(ところ)と練香を甘葛で調合してできたものなのだ。こんなことは、女房が、私が強奪することを予見していて、わざとしたのだ。

さて、問題は、(1)はたして実際に平中が確信したようにわざとソレらしくみせた料理だったのか、(2)いや、それは平中の妄想で、実際は大(だい)と小(しょう)の実物だったのか、どちらなのかが本文からはわかりません。
どちらが真実なのでしょうか?

A 回答 (1件)

この話は、「宇治拾遺物語集」にも同じ話が、「今昔物語集」より詳細に載っているので、一度読み比べてください。

「今昔物語集」は、文章が十分でなく、意味不明の部分がありますが、「宇治拾遺物語」のほうはより明確に書かれています。
本文を要約すると、平仲(平貞文)は、本院侍従に何度もすげなくされて、恋心に打ちしおれて、終にはいっそ侍従の人に見られたくないもの(すなわち下のもの)を見て、「あのような美人でもこのような汚いものを出す普通の人間であったのだ」と、自らを納得させるため何度か侍従の使っている下女が箱を洗うところを奪い去ろうとしますが失敗します。
侍従は、下女からその話を聞き、貞文の下心を読んで、それならば逆にえもいわれぬように芳醇な香りと甘いもので、汚物らしくわざと作り上げ、箱に入れてわざと奪われたように見せかけます。このあたりの説明が「今昔物語集」には省かれています。
そうとは知らない貞文は、何度か失敗の後ようやく目指す汚物の入った箱を奪い(実際は奪われたように見せかけられたもの)、中身を見て侍従のことをようやくあきらめようとしますが、本文に書かれているように、甘づるで仕上げたものを見せ付けられ、侍従は常人とは違うのだとさまざまと見せ付けられ、平仲もこれには一本取られて、侍従に対する恋心が更に高まるのであった、と言う筋です。
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