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No.6ベストアンサー
- 回答日時:
不正確かも知れませんが、次のように考えると、または説明すると分かり易いのではないでしょうか。
天文学で使う観測装置に、「干渉計」というものがあります。これ単独で使うのではなく、色々な装置と一緒に使うのですが、干渉計の原理というのは、ある一定の距離を離して、観測装置を置き、二つの観測装置が受信した信号を、一つに合わせると、どういう風に信号げ変化するかを見るというものです。
これは、どういう意味を持っているかというと、例えば、一つの恒星があるとして、恒星は或る距離にある訳で、その星を観測する位置が違えば、違った位置に見えるはずです。そこで、観測位置を変えるには、もっとも大規模なものは、地球の公転運動によって、最大2天文単位離れた場所から恒星を観測できるというのがあります。
このとき、恒星の見かけの位置が違っていた場合、これを「視差」と言います。記憶では、1天文単位の距離で、視差が1秒になる場合、その恒星は1パーセクの距離にあると定義したはずです。こういう方法で、恒星の距離を、視差を直接測ることで計算することができたのです。
これは実は一種の干渉計になっています。正確には干渉を利用していないので、干渉計ではありませんが。
これと同じ原理で、地上に、或る距離d離した位置に観測装置を置き、或る恒星を観測し、その観測した光を重ね合わすと、その星から観測点までの距離が、dに応じて変化します。地球の自転運動に応じて、恒星から観測点まの距離は変化し、これは干渉がどのように起こるかで、観測している光の波長と、恒星と観測点のあいだの距離、そしてdの値で一定の関係が出てきて、このような方法で、恒星の距離を測ることが理論的には可能なのです。
原理的な話になりますが、干渉計で、天体の光を観測することもできれば、電波を観測することもできるのです。無論、光と電波では、受信装置が異なっています。しかし、dを連続的に変えて行くと、可視光線よりも振動数の低い「光」が観測できるはずで、実際、赤外線などは、観測できます。
他方、電波の方も、振動数を上げて行くと、非常に高い振動数の電波、例えば、光の振動数に対応する電波も観測できるはずです。
もし電波と光が別のものなら、同じ振動数で、しかし、光と電波という二つの波動が重なっているような観測があるはずです。ところで、現実には、こういうことは観測されないのです。
光の連続スペクトルが描けるように、電波の連続スペクトルというものも描けます。この連続スペクトルは、振動数が増えて行くと、電波と光で、連続して繋がっているように観測されます。つまり、光の振動数のところに電波は観測されず、電波の振動数のところに光は観測されないのです。
光は振動数が低くなると、電波のような性質が出てくるのであり、逆に電波は、振動数が高くなって来ると、光に似た性質が出てきます。
両者は光速で運動することが確認されています。
更に、光は、偏光現象があり、偏光現象は、電場や磁場によって影響させることができ、この影響は、丁度、電場と磁場が直交して交互振動しているのが光だと解釈すると、説明が付くような現象です。
電場と磁場が直交して交互振動しているのが、実は、マックスウェルが研究した電磁波なのです。電波とは電磁波のことです。
ここまでの観測の話で、光と電波は、振動数の異なる、或る波動実体ではないかという推論が出てくるのであり、光の偏光現象は、光が電磁波の性質を持っているということを証明しています。
干渉計の観測で、光と電波が振動数の移行によって連続しているように思え、更に、光が偏光から電磁波の性質を持つとなると、両者は、同じ実体の振動数の異なる現われだと考えるのが、それに反証する事実が見つからない限り、自然だということになります。
電磁波と光が同じものであるというのは、素粒子物理学での電磁力の交換力粒子が光子であるというような話まで展開しないとならないのかも知れませんが、以上の、スペクトル的に、電波と光は振動数をパラメータとして連続している。そして光には偏光現象があるということだけで、両者は同一実体・同一現象の振動数の違いによる現れの違いだと考えてもよいと思います。
なお、結晶などに対する、電磁波の反射・屈折・透過・吸収などの理論モデルに従い、光を振動数の高い電磁波だと考えて計算した結果が、現実の光の反射・屈折・透過・吸収などの現象と一致するというのは、光は、電磁波と考えて扱うと、その挙動が計算できることになります。そして、振動数のスペクトルで、光の振動数に当たる電波はなく、代わりに、そこには光があるということが、追加的に、光と電波は連続しており、光は電磁波だということを示しているのではないでしょうか。
すばらしい!!
論理的にもレベルが高くて、
読み込んで、時間がかかってしまいました。
勝手にまとめさせていただいたポイントとしては、
0.同じ速度
1.光と電波が、同一振動数で同時に観測される方法がない。
(消極的な証拠ですが、推論を導くのに十分な事実)
2.偏光現象による性質の一致(横波、電磁場との相互作用?)
3.光=電波の仮定で、導出される事実の正確さ(干渉計、結晶モデル)
4.仮定を反証する事実がない
以上の点でしょうか。
とにかく、量子現象や相対論は、既存の理論が正しくないことを証明する
典型的な実験が存在し、あまりに簡単に論拠を示せるのに対し、
光=電波は、正しいことを説明するという、論理的にも難しい話だったんですね。
たしかに、これは、多くの事実の積み重ねからしか言えないことなんですね。
ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
遠距離の銀河から来る光は、「赤方変移」していることが確認されています。宇宙の地平線当たりの銀河から来る光だと、極端な変移が起こっています。
これらの光は、ドップラー変移なのか、または別の現象なのか、断定はできませんが(現在はドップラー変移だと、つまり、遠方の銀河は高速で離れているのだとなっています)、銀河や恒星に特徴のある吸収線スペクトルのパターンは同じに近いことが確認されています。
吸収線スペクトルが同定できるので、赤方変移、スペクトルがずれていると言うことが確認できるのです。実際に観測されているのかどうか分かりませんが、非常に遠方の銀河の場合、可視光が赤外線,更に遠赤外線領域にまでずれているはずです。
これは、赤方変移がドップラー効果によるものと考える限りは当然な結果です。そこで近隣の銀河からの光のスペクトルを観測し、更に、赤外線や遠赤外線領域でのスペクトルの特徴も調べます。
この時、非常に遠方の銀河から来る光は、赤外線、遠赤外線、更にずれて、振動数の高い、電波の領域までずれているはずです。これらのスペクトルを観測し、近隣の銀河からの光のスペクトルと比較して、吸収線パターンなどで同定すると、遠方の銀河から来る高振動数電波は、近隣の銀河から来る、赤外線や遠赤外線の吸収線パターンと同じものを持つことが確認され、遠方から来る電波は、ドップラー変移によって、本来は赤外線か遠赤外線であったものが、波長が伸びて、電波として観測されているのだということが確認されます。
光と電波が別のものであれば、ドップラー効果で、波長が長くなっても、両者は別のもののはずです。しかし、観測上、遠赤外線であったもののパターンが電波スペクトルで同定できるということであれば、この電波は、遠赤外線か赤外線がドップラー効果で、波長が伸びて、振動数が減り、観測されたものだという結論になります。
そうすると、電波と遠赤外線は同一のものであるということになるでしょう。遠赤外線、赤外線、可視光線は、波長の異なる光です。遠赤外線や赤外線は光でないということでもない限り、光は電波つまり電磁波であるということになります。
なるほど。
この事実を示せれば、だれも文句を言わないでしょうね。
近接銀河の可視光と相似なスペクトルパターンが、
遠方の銀河から、電波として、観測されているという事実は、
知りませんでした。
たしかに、ドップラー変移なのかは、別の意味で、重要な問題ですが、
もっとも、自然な発想ですし、知名度も高いですしね。
洗練された回答としては、こちらでしょうが、
先ほどの方が、より、物理の成り立ちに近いように感じられました。
No.4
- 回答日時:
勿論、光の諸々の性質は、量子効果を無視すれば、古典(あるいは、マックスウェル)電磁気学によって、理論的に説明することができます。
つまり、光は、波長が0.4~0.6μmの電磁波と性質がピッタリ一致します。ただし、古典理論は、量子効果を含んでいませんから、古典理論と実験が、完全に一致することはありません。現在のところ、完全な理論と目されているのは、量子電磁力学(QED,Qontum ElectroDynamics)です。重力波は、一般相対性理論が予測する重力の波ですが、実は、観測されたことがありません。つまり、重力波は、理論的な予測の段階にあって、実証されているわけではないのです。この回答への補足
丁寧なご回答ありがとうございます。
量子効果を無視するとして、
光の波動性(横波であることを含む)、伝播速度の2点しか、
光の性質が思いつかないんですが、
これが一致する性質のほぼすべてなんでしょうか?
確かに、光電効果などは、電磁場を量子化すれば、
割と自然に出てきますが、電磁場の量子化以前に、
なぜ、断言できたのかというのが、ぼくの疑問です。
もともとは、文系のひとにあたりまえのように言ったら、
なんで?と聞かれて、答えられなかったのがこの質問の原点です。
それから、重力波は、あまり良い例えではなかったですね。
数年前なら、光速のもので、ニュートリノと言えた所ですが。
標準模型では、クオーク、レプトンは、質量0で光速移動するんですが、
最近では、ニュートリノですら、質量0でないので、
光と重力波以外には、もう光速のものはありませんね。
べつの質問をたてるべきですが、
一般相対論は、大きくてゆっくりとした宇宙では、正しいと思うので、
量子化したグラビトンは別として、重力波自体は、事実だと思っています。
No.2
- 回答日時:
イギリスの物理学者マックスウェル(James Clerk Maxwell,1831-1879)は、当時、知られていた電気と磁気に関する物理法則を、マックスウェルの方程式と呼ばれる四つの方程式に集約することに成功しました。
彼は、彼の電磁理論から、電気と磁気の波が補い合って空間中を伝播することに気付きました。そこで、彼は、この波を電磁波と名付けて発表しました。この電磁波の存在は、後に、ヘルツによって実証されました。マックスウェルの理論によれば、電磁波は、v=1/√ε_0μ_0 (ε_0:真空の誘電率,μ_0:真空の透磁率)
の速さで空間中を伝播します。ε_0やμ_0の値は、実験によって求めることができます。そこで、速度vの値を求めてみると、光速cと一致するのです。
No.1
- 回答日時:
昔、科学者が、磁石の上で電線を持って、実験している図というのを見た事がある。
あれって、ファラデーだったかマックスウェルだかヘルツだか、あるいは全然違ったかなー。
Maxwellの方程式から導かれる電磁波の性質が、光の性質と一致した事から、光は電磁波の一種であると考えられるようになり、Hertzの実験で、電磁波の存在が実証された――という流れみたい。
夜も遅くに早速の回答ありがとうございます。
性質が完全に一致するものを、別のものというのは、無理ですよね。
でも、速さしか一致するもの無いような気がしてならないんです。
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