準・究極の選択

例えばJR東日本のE231系は自社工場の他に東急車両、川崎重工で製造されたと知りました。鉄道会社はなぜこのような発注の仕方をするのでしょうか?素人的にはある一社で作った方がコストが安く、品質も均一になるのではと考えてしまいます。また同じ形式の車両でも各メーカーによる外観上の違いや、性能の違い(いわゆるそのメーカーらしさ)はあるのでしょうか?

教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

他の方の回答にもあるように製造能力の点も理由のひとつでしょうが、他にも危機管理という大事な理由があります。


多くの業界では、営業に必要不可欠なものはどうしても1社からしか供給できない場合を除いて、2社程度から供給を受け、何らかの事情である企業が供給できなかったときでも、必要最小限の量は確保できるようにします。(あまり供給者が多くなりすぎると質問者様の疑念どおり、品質の均一性に心配が生じるので、通常は2社とするか3社以上とし、メインの社以外は、交代で発注するなどの策をとります。)
鉄道でも同じで、JRのように同じ車両を一度に多量に発注する場合は、1社のみに発注すると、何らかの事情で不具合が生じたときに、納期が大幅に遅れることになります。特に、新設計の車両や仕様変更の場合にその可能性が大きく、しかもそういう時は大量に製造することが多いです。(たとえば、1社にしか発注しない航空業界では、ボーイング社の現段階での最新鋭ジェットで開発スケジュールが遅れ、納期遅れは必至と見られる事例が生じかけており、賠償請求の準備を始めている航空会社もあるようです。)
また、質問者様は1社に多量に作った場合、コストダウンが生じるといわれますが、ほとんどがオーダーメイドの鉄道車両の場合、多量発注によるコストダウンはあまり期待できず、それよりも2社以上に発注することによる企業間の価格競争のほうが効果があったりするようです。
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この回答へのお礼

鉄道車両を大量発注する場合、複数のメーカーに発注することによるリスクの分散とコストダウン効果が同時に見込めるという利点があったのですね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 14:31

これまでの回答に出ていたように、弊害もありますが、ご質問者の



>素人的にはある一社で作った方がコストが安く、品質も均一になるのではと考えてしまいます。

というお考えも、多数の車両を継続して、一定のペースで納品を求める場合はみは、合っています。JR東日本ほどは、大量に発注しない(支払い能力の関係でできない?)JR西日本の場合、321系は全車、近畿車輌に発注しました。1社独占の代わりにかなり値切ったようで、調達コストはJR東日本のE231系通勤タイプと大差なかったようです。どうも川重と近車と競い合わせて値切ったみたいですね。おかげで、非常に標準化された車両になりました。JR東日本の新津もE231系に特化した工場になっており、治具の調整で済む範囲の外寸の違いしか対応できないようですね。

なお、私鉄の場合は、車両メーカーを1社に絞っているケースも少ないですよ。
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この回答へのお礼

個人的に321系車内の液晶モニターは取り付け場所はいただけないと思います。座っていても立っていても見づらい(笑)。近畿車両はなぜこのような設計をしたのでしょうか・・・おっと話が別の方向に行ってしまいました。

メーカー一社に独占的に発注するというメリットもあるのですね。いずれにせよ皆様の回答から、新型車両の発注のケースはその会社の経営環境に因る部分が大きく関わっており一概には言いづらいと分かりました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 15:19

こんばんは、鉄道会社で運転士をしております。



この複数企業に発注する理由として、
○その製造メーカーの生産能力から、新造車の納入時間の都合
○1社のみだと確かに大量生産でコストは下がるものの、競合が無い為製造メーカーの言い値になってしまう事を防ぐ為。
○1社のみの場合、地震などが発生した場合に製造メーカーが震災の被害を受けた時、もう他に製造手段がなくなってしまう。(それを防ぐ為に、関東エリア1社と関西エリア1社という取引関係を築いています。)

>また同じ形式の車両でも各メーカーによる外観上の違いや、性能の違い(いわゆるそのメーカーらしさ)はあるのでしょうか?

これはあります。
外観上の違いより、運転した時の癖だったり、ギアの継ぎ手の方式の違いなどの方が多いのかなと思います。

同じ車型でも、メーカーによって車両の癖は全く異なります。
また、交換部品の発注方法も、修理方法も変わります。

この違いは、利用客や乗務員以上に、検車担当のほうが関係する無いようになります。

外観上の違いは、その車両メーカーの加工用機械設備の違いから来ます。
車両の付図は、鉄板は素材何々、厚さ何々、というように発注され、組み合わせ方については指示書に従ったカタチになりますが、例えば雨どいの加工方の指示などは無く、メーカーの裁量に委ねられてます。
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この回答へのお礼

プロの方から現場の生の情報をいただけるとは・・・。

>同じ車型でも、メーカーによって車両の癖は全く異なります。

利用者の私には知りたくても分からないでしょうね。逆に分からなくさせている鉄道現場の方々の技術レベルの高さを感じました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 14:53

車両の発注についての仕組みは分かりませんが(すみません)


外観上の違いは、東急車輛のE231近郊タイプ(緑とオレンジの帯)は、スカートがほかの車両に比べて大きいです。
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この回答へのお礼

今度注意して見てみます。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 14:33

国鉄時代は不公平がないように多くのメーカーに分散発注することが普通だったようですが、JRになってからは1社に集中発注することが多いようです。


ただ、JR東日本の場合は一気に車両を置き換える場合が多く、メーカーの生産能力の関係から1社に絞れないと思われます。

JR東日本の一般車両(通勤形、近郊形)はメーカーによる差異が見られます。最近のE233系では違いが少なくなったようですが、209系やE231系では東急車輌製と川崎重工製で違う部分がいろいろあります。車内(天井やドア周り)などを見てみるとわかります。
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この回答へのお礼

やはり同じ車両でもメーカーによって若干の違いがあるのですね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 14:25

JR東の例だけで言えば、新津で作っているのは本当に規格化された分


だけで、東急や川崎で作っているのは微妙に規格に合わない分なんです。
また、自社工場である新津の生産量を一定にするために、一時的に大量に
必要になった車両を外注するなんてこともやっています。

E231系のサロを東急あたりに発注したのは「規格外対応」、E233系の
6+4両を発注したのは「一時的な大量発注」対応なんだそうです。
ですので、JR東は限界までコストダウンしてると言えるんですよ。

ちなみに、東急と川崎では微妙に構体の作りが違うので、見る人が見ればわかります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2007/12/16 13:40

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