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当方、生物には全くの素ですが、一応理系です。

素朴な疑問なんですが、タイトルにあるとおり、染色体はどうして複数あるのでしょうか(1本しかいない生物もいるのかもしれませんが、それは無視して)?

染色体には DNA があって、DNA の部位によって、特定のタンパク質を作ったりするのだと理解しています。必要な部位をちゃんと識別できるのなら、全部をひとまとめにして、1本の染色体、1本の DNA にしてしまってもよさそうに思えますが、多くの動物の複数の 染色体、複数の DNA があります。

複数だと、染色体が多くなったり少なくなったりする異常が起きたりし易くなる、と思うのはきっと素人考えなのだと思います。細胞分裂の時に、一斉に複製を作るなんてのは、面倒なことだったりしないのだろうか、などなど、不思議に思う次第です。

ということで、染色体が複数、つまり、DNA が複数に分割されていることはどういうことなのか(利点の有無や必要性など)を、もし分かっているのなら、教えていただきたいと思います。

A 回答 (6件)

>複数だと、染色体が多くなったり少なくなったりする異常が起きたりし易くなる



1 複数だと優先遺伝(ハーフは強い)が発生しますが

そうでないと個々の個性はほとんどなくなります。

2 疫病などが発生した場合 
個性がないと全滅しますが
複数だと一部が生き残って形質を伝えます。
(劣勢遺伝子も他の用途では必要ですが 優先遺伝の影に隠れて継承されます。)

この回答への補足

優勢あるいは劣勢という話は、DNA の中に優先的に発現(?)する部分とそうでない部分があれば良く、DNA が複数に分割されている必要とは無関係に思うのですが、間違っているのでしょうか?

補足日時:2008/01/12 22:38
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ヒトなどが主に2倍体なのは、主に、1つの遺伝子が損傷しても、もうひとつが働けるようにするためと考えられています。



ちょうど、パソコンに詳しいヒトが、つねにハードディスクなどにバックアップをとっておき、いつパソコンが壊れても大丈夫のようにしておくのと似ています。

がん抑制遺伝子であるRbは遺伝的に1つの遺伝子が損傷した状態で、2番目の遺伝子に損傷が起きるとRb網膜芽細胞種が発生します。よって、2つ正常なコピーがあるのはとても大切なのです。

ちなみに、Rbはp130、p107(計3つ)というホモログがあり、3X2=6、6重のセキュリティーシステムがあることが知られています。

この回答への補足

ヒトなどの染色体が2倍体である、というのは今回の疑問とは直接関係なく、なぜヒトでは22対ともう1対の染色体に分かれているか、というのが疑問なのです。

ちょっと表現をかえてみましょうか。

もし DNA鎖のある部位が他の部位とは「(ある程度)独立」に作用するのであれば、必要な遺伝情報としては、22+1対に分けようが、全部をまとめて1本(2倍体ならひとつのコピー対)という形でも全く同じだと思うのです。

逆に22+1対に分かれている必然性があるということは、全部をまとめた1本のDNA鎖にすると機能的に障害が生じる、あるいは、部分的な遺伝情報の誤りが鎖全体に影響を及ぼす可能性があるということでしょうか?

バックアップという観点(こっちは専門なのですが)からは、違うディスクにコピーすることが重要なのは、多くの場合、ハードの故障が異なるディスクに影響しないからですよね?

もしバックアップが目的ならば、私が設計したとしたら、近接した対という構造にせず、もっと離れた、影響が及び難い場所にバックアップを作ろうとするでしょう。

補足日時:2008/01/12 22:43
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>全部をまとめた1本のDNA鎖にすると機能的に障害が生じる、あるいは、部分的な遺伝情報の誤りが鎖全体に影響を及ぼす可能性があるということでしょうか?



結果論的に言いますと、答えはたぶんイエスです。長すぎるということでしょう。また、並行処理的に22+1分割されていれば、複製速度は約22+1倍(???)に上昇しますので、生存競争に有利であったということが考えられます。

>逆に22+1対に分かれている必然性があるということは、

必然性はあまりないかもしれません。たまたま、それがいろいろな都合上最適だったというのがより厳密かもしれません。

>もしバックアップが目的ならば、私が設計したとしたら、近接した対という構造にせず、もっと離れた、影響が及び難い場所にバックアップを作ろうとするでしょう。

ですから、一本のDNA鎖ではなく、独立した対に置くわけです。バックアップのハードディスクを常につなぎっぱなしにしている方が私の周りにたくさんいますが、私はいつも失笑しています。

さらに、マジにそれは個々の細胞のコピーの正確さがいつも要求されるからです。ヒトなどの有機体では影響が及び難い場所にバックアップはできないのです。現在のところ。
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この回答へのお礼

すこしネットで調べてみました。

確かに DNA鎖が1本より多い方がコピーの時間は短くなりますし、遺伝情報を取り出す際にも鎖をほどく時間が短くなりますね。

そういう観点から見ると、染色体の数が多い方が利点があるはずなのに、種による染色体数の違いを見ても、種の違いと染色体数の違いにハッキリした関係はないように思います。

また、複製に要する時間という観点からは、染色体の長さは同じであった方が効率的ですが、実際の長さには大きな違いがあるようです。

ネットで見つけたのは「倍数進化」という言葉で、私的には、なんらかの形で他の遺伝子を進化の過程で取り込んでいった結果、ヒトならば22+1対になった、と考える方が自然なような気がします。

なんとなくスッキリしてきました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/01/13 13:02

あまりにもひどい間違いでごめんなさい。



>複製速度は約22+1倍(???)に上昇しますので、
複製速度はたぶんあまり上昇しません。染色体のいろいろな部分から複製が始まるからです。

>ネットで見つけたのは「倍数進化」という言葉で、私的には、なんらかの形で他の遺伝子を進化の過程で取り込んでいった結果、ヒトならば22+1対になった、と考える方が自然なような気がします。

>>少ないものではウマノカイチュウやアオカビの2本から、多いものではヤドカリの254本に達するものもある。

ということで、多ければ進化しているという話ではないようです。

ちなみに、染色体が対合するのは複製後、分裂するときだけで、球状の核内にあるときは、近接した対という構造はとっていない(バラバラ)と思います。
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この回答へのお礼

「ちなみに、染色体が対合するのは複製後、分裂するときだけで、球状の核内にあるときは、近接した対という構造はとっていない(バラバラ)と思います」

なるほど、だから分裂直前に染色体が見えるようになるんですね。

とすると、本にある染色体の写真というのは、分裂時に、コピーがちゃんと対になるようにするとかいう理由のための、特別な形と考える方が自然なのかな。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/01/13 17:19

細胞の分子生物学第4版(newton press社)p198~を参考に記述します。


染色体の数(ヒトでは46本)は種の複雑さやゲノムの大きさとは単純に相関していません。例えば、近縁種のシナホエジカとインドキョンは当然ゲノムの大きさや遺伝子数はほぼ同じですが、染色体数は前者が46本、後者が6本と大きく異なっているそうです。種によって染色体数が違う理由は無作為な遺伝事象の積み重ねであろうということです。染色体数が種によって違う利点や必要性はないか、今のところ分かっていないというのが一応の答えなのではないでしょうか。
上記の本は高校生物を終えた人であれば理解できる生物学の良書と思います。敷居(と値段)が高ければ、Essential細胞生物学 原書第2版(南江堂)が上記の本をさらに分かりやすくまとめた本ですので、興味があればご一読してみると良いかと思います。
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この回答へのお礼

やっぱり分かっていないんですね。古くは染色体、最近ではゲノムとか、理解が進んでいるようで、実はかなり根本的な事が分かっていないんですね。ありがちな話ではありますが。

不思議に思うのは、染色体の数が同じでないと交配できない。しかしどうやら進化の過程で染色体の数は変わって来ている。ということは、染色体の数が変わるような「進化」は、確率的にかなり低いような。進化し易さという意味ではひとつの染色体の方が圧倒的に有利ですよね。

多分、進化と遺伝子異常とは、表裏一体なので、どっちが有利かを判断するのは難しいのでしょう。

以上、素人の感想でした。

いろいろと勉強になりました。ご回答頂いた皆様に感謝いたします。

お礼日時:2008/01/13 17:27

>全部をひとまとめにして、1本の染色体、1本の DNA にしてしまってもよさそうに思えますが、



原核生物はゲノム全体が一分子の環状DNAですから、そういう考えが当てはまるかもしれません。

真核生物のゲノムが染色体で分割されるようになったのは、進化の歴史の中の偶然の産物なのかもしれませんが、いくつそうであることの利点や必然性を後付してみます。

1. 一本の染色体だとすべての遺伝子が連鎖群となって、交差によるシャッフルしか利かない。複数の染色体(複数の連鎖郡)に分かれているとゲノムのシャッフリングの自由度が高く、遺伝的多様性を高めることができる。

2. 遺伝子発現の調節を染色体単位で行うことができる。染色体ごとに分割されることで、ある染色体上の転写調節がほかの染色体上の遺伝子の調節に干渉を与えることが起こりにくくなる。
たとえば、哺乳類メスで、一対のX染色体のうち一方が不活性化され、残りの一方は転写活性が常染色体より倍になる、というような染色体単位の調節ができる。
あるいは、ある種の昆虫(タマバエだったか)のように、体細胞が分化する過程で不必要な遺伝子を染色体単位で捨てるようなことが可能になる。

3. ふつう染色体の大きさにかかわらず動原体は一箇所で、分裂時はそこに付着した紡錘糸が両極に引っ張ることによって染色体が分配される。つまり、染色体の大きさによらず、引っ張る力は一定なので、巨大な染色体は引っ張るのが困難になる可能性がある。また、一箇所で引っ張るので長すぎる染色体は、全体を十分に極に引き寄せる(つまり分裂面にかからないようにする)ことが困難になるかもしれない。
じゃあ、巨大な一対の染色体をもつというウマカイチュウはどうなんだというと、この染色体は、実際は多数の染色体がたんぱく質で直列につながったようなもので、染色体分配のときはばらばらに離れ、それぞれに紡錘糸がつくそうです。
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この回答へのお礼

geneticist12さんありがとうございます。お名前もご回答もいかにも専門家といった感じですね。(すいません、茶化しているつもりではなく「素朴」な感想です)

1. については、なるほどそうですね。

3. に関しては、細胞分裂時にどうして染色体がああも上手に(見事に)ちゃんと分離するのかというメカニズムはとても興味深いお話でした。つまりは染色体の長さには上限があってしかるべき、ということですね。

2. に関してなんですが、転写調整が染色体単位で起きるのは良いとして、もしそれに意味があるとしたら、ヒトの 22+1 の染色体のそれぞれが、調整するのに都合の良い単位でなければならないように思います。性染色体に関するお話だったんですが、他の22本についてはそういう分類(?)になっていたりするんでしょうか?

お礼日時:2008/01/13 22:17

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