最速怪談選手権

 このカテか天文学のカテか、迷いましたが軌道計算の範疇と思われますので物理学に詳しい諸賢にお伺いします。

 さて、米国が、ヒドラジンを積んだ人工衛星を軌道上で破壊し、墜落時のリスクを軽減しようと決断したのはご承知の通りです。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080215/am …

 一方、先年中国が軌道上の人工衛星を破壊する実験を行い「スペースデブリを増しやがった」という非難を浴びたことも記憶に新しいかと思います。
http://www.astroarts.co.jp/news/2007/02/02asas_d …

 また、以前、毎日新聞が「弾道ミサイルを軌道上で撃破するとスペースデブリが増える」と述べ、嘲笑されたことをご承知の方もあるかも知れません。

 衛星軌道を周回中の人工衛星を破壊すれば、似たような軌道を破片が漂う、というのは理解出来ます。
 一方、弾道弾は軌道に乗る速度を獲得していないわけですから、途中で撃破されても破片はやがて落下するだろう、ということもなんとなく解ります。

 では「現に落ちつつある衛星を途中で撃破した場合、スペースデブリは発生するのか否か」が解らなくなりました。
 感覚的には「雲状に爆散した破片群が、それぞれの軌道を取りつつも、元々の衛星の軌道とそう変わらないコースで徐々に落下する」ような気がしますが、それで正しいでしょうか。
#厳密には衛星やミサイルの軌道要素や重量などによって異なってくるとは思いますが・・・。

 なお、投稿子が疑問なのはあくまで物理学的な見解でありますので「米帝が悪事を隠蔽」「ユダヤ資本の陰謀」という如きの本筋に関係のない議論はお控え頂けると幸いです。

A 回答 (3件)

軌道上を飛んでいる人工衛星を爆破すると、破片は [それまでの速度] + [爆破の衝撃で得た速度] という新しい速度を貰って進行します。

つまり、各々の破片が新たな軌道に乗るのです。

爆破の衝撃で得る速度は、四方八方を向いているものですから、新しい軌道も千差万別になります。

それらの軌道がどういうコースを取るかということになりますが、人工衛星の軌道というものは、いったん軌道が決まれば外部から加速をしない限り、遠地点高度、近地点高度などの軌道要素が変わることはありません。

すなわち楕円軌道の形状などは変わらないまま回りつづけるということです。
言い換えればいったん軌道を決めてやれば、その同じ出発点に必ず戻ってくるのです。

今回の爆破は衛星の高度が下がっていくらか大気密度が高くなったところで行われるようですが、爆破によって近地点高度が低い軌道になった破片はそのまま濃い大気に突入してしまうでしょう。

また、大気圏にすぐには突入しない軌道に乗る破片も当然存在するでしょうが、それらは周回するたびに同じところに戻ってきます。

その場所は大気密度が高いところなのですから、周回を重ねるうちに空気抵抗で減速して落下することになるでしょう。

結果としてすべての破片が落下し、デブリは発生しないことになります。
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この回答へのお礼

詳しい御解説、ありがとうございました。

やはり落ちつつある衛星なので、(一部の)加速された破片の方もその内大気で減速されて落ちる、という理解で宜しいでしょうか。
ともあれ、大丈夫そうなので一安心です。

お礼日時:2008/02/17 02:13

爆発のエネルギーで周回軌道を保てるだけのエネルギーを得られれば増えるんじゃないでしょうか?



専門家じゃないのでアレですが、雲状にというよりは爆発はするので拡大しながら落ちてく気がします。
結局、爆発して、空気中なら空気抵抗受けて雲上でまとまって止まりますが、宇宙空間なので受けたエネルギーがそのまま働くような・・・。
爆発のエネルギー次第というところじゃないかと。

もっとも、周回軌道でも初期の衛星のような低い軌道だったら微小ながらも空気抵抗受けて軌道に乗っても落下するでしょうし、ヒドラジンを燃やすことだけが目的なら推進剤と酸化剤のタンクに穴が開けば良いわけで、そんなに大きな爆薬は使わないかもしれないですね。
ちょっと興味があるニュースです。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。
たしかに「雲のように」というのはアニメ的なイメージですね。。。

使うミサイルは、既存の直撃の物理エネルギーだけを使うタイプの弾頭ですから、爆薬は積んでいないはずです。タンクだけ狙うなんて言う技術は多分無いでしょうが・・・。

お礼日時:2008/02/17 02:01

反転して落下軌道に乗るギリのところで撃破されれば、爆発の加速でいくつかの部品は引力圏脱出の速度を得られるかも知れません。


そこまで上昇しているのか、爆発でその加速が得られるのかは分かりませんけれど。
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この回答へのお礼

早速の御回答ありがとうございました。

場所次第、ということでしょうか。

ちなみに、どうも大雑把なデータは発表されていて、
http://wiredvision.jp/news/200802/2008021523.html
・撃破は高度240キロメートル(130海里)で行なわれる。
・衛星の質量は2300キログラム
・迎撃ミサイルの質量は20キログラム(米議会予算局のデータより)
・衝突速度(closing velocity)は秒速9.8キロメートルで、実質的に正面から衝突する模様。

とのことでした。

お礼日時:2008/02/17 02:05

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