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うつ病になると、まずSSRI系が処方されることが多いようですが、SNRI系の薬より先に処方する理由がなにかあるのでしょうか。SNRI系のほうが副作用が強いからでしょうか。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

まず、鬱の物質的原因として、ごく大雑把に言うと概ね以下の3点が挙げられます。



1:脳内神経伝達物質の1つ、「セロトニン」の働きの低下
2:同じく脳内神経伝達物質の1つ「ノルアドレナリン」の働きの低下
3:両方の働きの低下

ここで、SSRIとは「選択的セロトニン再取込阻害剤」という意味で、文字通り一旦放出されたセロトニンが前シナプスに再び取り込まれて、シナプス間隙のセロトニン量が低下するのを防止して、セロトニンの働きを向上させるのが目的です。(シナプス云々は難しい話でしたので、要はセロトニンの働きを向上させる、とお考え下さい。)
一方、SNRIとは「選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取込阻害剤」の英文略記で、セロトニン・ノルアドレナリン「両方」に働きかけます。
SSRIが第一選択薬とされ易いのは、まず、対象となる患者が「セロトニン不足」であるか否かを図る為であり、SSRIが無効若しくは効果薄なら「ノルアドレナリン不足」と判断出来る訳です。この場合にSNRIを処方される事が多いです。初めからSNRIを処方してしまうと、どちらの物質の不足が原因しているのか分からなくなります。仮にノルアドレナリンが足りている患者にSNRIを処方してしまうと、ノルアドレナリン過剰となってしまい、「躁転」と呼ばれる症状の原因になってしまいます。つまり、「ハイ」になり過ぎてしまい、怒りっぽくなったりする問題が生じる訳です。
余談ですが、脳内神経伝達物質にはもう1つ「ドーパミン」と呼ばれる物質もあり、これの働きを増加させることでも鬱を改善する事が出来る場合があります。現在日本では、このドーパミンの働きを改善する薬は基本的にはパーキンソン症候群治療薬で、抗鬱薬では存在しません。治験中の薬にブプロピオンという物質があり、これは「NDRI」(ノルアドレナリン・ドーパミン再取込阻害剤)と呼ばれるカテゴリーの薬で、ノルアドレナリン・ドーパミン両方の働きを上昇させるとされています。
個人輸入で購入出来ますが、医師の許し無しに使用する事は感心しません。
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この回答へのお礼

早速のご回答に感謝申し上げます。
内容についてよく理解できました。
うつの原因がセロトニン不足にあるのか、ノルアドレナリン不足にあるのかを識別するためということですね。

ドーパミン不足のうつもある由、これに対応した薬が早く認可されるといいですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/03/23 18:58

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