東京都文京区目白台(1-1-1)にある永青文庫。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E9%9D%92% …
http://www.eiseibunko.com/
http://kikitai.teacup.com/search.php3?dummy=%83% …
先日ある建設会社(新協)の国民への文化活動のグループの募集に参加して、上記歴史的文化施設にうかがいました。
閑静な古い家並みの中の門をくぐると、本館が右、左手のお庭の小高いところに、厚さ50センチくらいで人がくぐれる、円状の一枚岩の構築物がありました。これは建物の窓から眺めて眼に入るものです。
文庫の事務室で訪ねて、藩主のお墓にいくところに橋を設けてある。
その橋に入る手前にあったものを、移築しました、という説明であった。
初めてお会いしている同行のみなさんとの会話。
・ 橋といい、やはり別の世界、異界への入り口出口なのね。
・ すごい字だけど右から読むなら、直踏だ。
・ 多分、お殿様の墓所に近づくので、履物は脱ぎなさいという意味かな
・ きっと石畳で、足袋などもよごれないのでしょうね。
というお話でした。
【お教えを乞う質問】
◎やはり別のところとの結界か、注意という意味をもたされているのでしょうか?(みなさんのお感じで結構ですので、お書き込み下さい)
◎“直踏”という文字から、履物を脱ぎなさいという意味に理解しても間違いではないでしょうか?(同 上)
No.2
- 回答日時:
橋は、以下のURLにもあるように、
http://money.quick.co.jp/column/siba/15.html?ref …
「二つの世界を分けへだてる境界、あるいは境界であることをしめすシンボル」、「いいかえると神社の鳥居のような一つの結界」(上田篤著『橋と日本人』岩波新書)といった意味合いを濃くするようです。
結界としての橋、さらに二重の結界としての岩の建造物という構造ではないかと思いますが、永青文庫では、その岩の建造物を移築されたということで、はっきりいえば結界が崩れたといってもいいかもしれません。結界として捉えられてなかったか、時を経て後世の人にはわからなくなってしまっていたということかもしれません。いずれにせよ、結界が廻らされていることは、事実だと思います。
「直踏」ではなく「踏直」で「踏み直す(ふみなおす)」ということではないかと私は思います。墓地域から外界に出る際、中ででついた「ケガレ」を橋の先にある「ケガレ岩」を踏むことで祓う、橋を踏み歩いて来て最後に橋のレプリカである岩を踏み直すことで祓うという認識ではなかったのかと感じます。私の認識では、君主(故人)への畏敬というよりは、怨霊への畏怖の気持ちが強いのではということです。
この回答への補足
jo-zen様、ありがとう御座いました。
「直踏」は右から(つまり、「踏直」)と彫ってあるものを、ここでは永青文庫の事務の方の読みに合わせて、「直踏」と表示させていただきました。
古い漢文の額などもそのように読んでいるようなのでそう、読みました。
私自身は、怨霊への畏怖というより、代々の殿様への尊敬と存じました。結界についても、そこで何かの行をすることでもなさそうで、せいぜい、お祀りの行事をするだけなのだろうから、普通の結界とは違うであろうと存じました。
それはご聖域、ということでむやみなことは慎むことになりましょうから、聖域とそうでないところの、境界ではないかなと、存じております。臨済の禅宗のお寺さんであれば、臨済のことばのエッセンスというのも、掲げるかも知れませんね。
ありがとう御座いました。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
永青文庫というのは細川氏に伝来する資料を保管している施設であり、その細川氏は禅宗(臨済宗)のお寺を菩提寺にしていて、禅宗への帰依が篤かったと思います(確か所蔵資料も禅宗関係のものが多数あったと記憶しています)。
その意味からいけば、二つの質問ともに、禅宗的にどうであるか、という観点で理解すればいいのではないか、と思います。
最初の質問である「結界」ですが、「結界」かどうかはよくわかりません。
そういうふうに言われれば、そうなのかなぁと思う程度です。
ただ、禅宗では、全くとはいいませんが、あまり「結界」というような言葉は使わないような気がします。お墓の手前にあったものということは、「ここからはお墓である」ということを示している可能性は十分にあるとは思いますが。
「直踏(蹈)」については、禅録でよく見かける言葉です。「直蹈毘盧頂上行(直に毘盧頂上を蹈んで行け)」というのがよく見る言い回しですが、「毘盧」は「毘盧遮那仏」で、その「頂上」です。つまり「毘盧遮那仏の頭を、直接、蹈んで行け」ということになります。
禅録の性格からいけば、「じかに(裸足で)毘盧の頭を踏め」というのではなく、「他の手段や経路によらず、一足飛びに毘盧遮那仏の頭を踏め(つまり一足飛びに毘盧遮那仏の境涯へ行け、あるいは一足飛びに、毘盧遮那仏をも踏み越るような悟りの境地へ行け)」という意味だと思います。
ということで、乱暴に訳するならば、「直踏」は、「一足飛びに悟りの世界へ行け」というような意味ではないかと推測します。
両方の見解とも、個人的な感想、推測にすぎません。正しいかどうかはやはり、永青文庫の方に聞いてみた方がいいと思います。
この回答への補足
ご両所様 ありがとう御座いました。本当は経緯や因縁(いわれ)を伝えている方に伺うのがいいのでしょうが、それはまたの機会とさせていただきたく、ご両所の、該博なお知識と考察からのご講説に心より感謝申し上げます。
ポイントがどうのということで、どのご講説もそうのとおりであろうと、存じており、同じように、因縁(いわれ)としても、並立しがたいものでもないと存じます。
無論、禅の方では結界ということはないでしょうが、権力者のお墓のことであり、まぁ習合もあるのかもしれませんし、同じに意味させた気持ちとすることも、あったかも知れませんね。
ありがとう御座いました
早速にすばらしいお話に感謝申し上げます。
中学の子供のときには山田霊林さんや加藤とつ堂さんの小さい本は読みましたが、四十台からはラージャ・ヨガで、遅々たる古希の先日からは、偶然にも、お話ことにに気づいて、精進しております。本当にありがとうございます。
永青文庫のお方にもお詳しいかたがおられるとは存じましたが、まだお若い方が、墓地から移設したとのお話だけでしたので、気になる構築物にとても関心を持っておりました。
ありがとうございました。とてもうれしいお話です。
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