東京の新しいタワーの公募名が決まったようですが、前々から思っていますが、この「東京スカイタワー」という音声表記と、実際に断つ建物の存在との間に、まったく関係はありません。極論すれば「あ」とでも名づければそれはそれで済む話です。しかし、人は何かにつけて「意味合い」とか「音声の印象(一種の意味合い)」を物に生物に人に与えようとします。
これはもちろん、記号峻別の都合上の処理という面もあり、また心情的な期待とか愛着というものを表すという面もあり、主にそれで命名するのでしょう。
しかし、いったん翻って、「はたして命名ってそんなに思考停止的にするべきものなのか?」と考える人はいないのでしょうか。あるいは、このタワーは「名前なし」でいってみようという考えはないのでしょうか。
現代美術には「無題」という作品が多くあります。それは、こういう現代的(あるいは古代的)風潮に対しての警鐘とか反感を表しているという面もあると思います。つまり、そこに「作品」があって、なぜこれに「タイトル」をつける必要があるのか?と。この絵の具の乗り具合とかブロンズの形状から喚起されるものを味わってほしいのであって、何か「命名」されたものから作品そのものを方向付けたくないということではないかと。
なぜ、そういう考えは、美術芸術界にしか存在しないのでしょうか?
「吾輩は猫である「名前はまだない」という一説には、もしかすると深遠な意味がないでしょうか。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>人は何かにつけて「意味合い」とか「音声の印象(一種の意味合い)」を物に生物に人に与えようとします。
人間世界で静物と生物に名前を付ける理由は、仰るとおりです。これに加えて、
・商業的な成功を目指して名前を付ける。この場合、東京下町地区の地域活性化。名前を公募することで、知名度が上がる。建設資金の調達もやりやすくなる。
・他の物との区別。東京タワーと区別できる。
などがありそうです。
>このタワーは「名前なし」でいってみようという考えはないのでしょうか。
計画段階から第二東京タワーという仮称がついていたくらいですから、物ができる前から、名前が一人歩きしていたところがあります。現在も名前が大きく先行していますが。やはり、商業的な思惑、地域活性化のために認知度を上げるという意味が大きいのではと思います。
>「無題」という作品が多くあります。・・・・
仰るとおりの理由と思います。ここで、題の文字が抜けると「無」というタイトルになってしまいますのね。いつか故岡本太郎氏が言っていましたが、「なんだ!これは!!という感情を起こさせるのが芸術だ!」というのが芸術とすれば、タイトルにもインパクトが必要で「無題」とくれば、少なからぬ感動を与えていると思います。
>「吾輩は猫である「名前はまだない」
現代美術の項目で仰ったよように、これも芸術的な手法のひとつと思います。ここで、ミケとかドラとかタマとか付けてしまうと、読む人の想像力がほとんど一つの方向に行ってしまうので、どんな猫かというのを勝手に想像して作り上げもらって結構ですよ、という作者の配慮と、やはりタイトルにインパクトを持たせたい、という作者の意図があると思います。
結論です。
1)芸術的には、名前がないほうが、見る人の興味をそそることができる。
2)現実的な建物などの名前は、商業的意図が働いているので、どうしても耳障りの良い、意味的にも万人受けの良い、国際的にも理解できるそんな名前を付けてしまうのではないでしょうか。
まったく同感です!
とてもよく、私のもやもやを説明してくださったので、実に納得いきました。
世の中「商業商業」ですからね。その商業とは芸術ではないのです。どちらかというと、政治に近いもの、つまり、万人に理解可能な最大公約数的(あるいは単位数的)表現をとりますね。これは、なにか感受性がある人からは、悲観的な印象を持ちます。しかし、あまりに「詩的」名称では、商売になりませんね。 この先、どこまで世の中が商業主義の、「反詩」的形態を取るのか、寒い思いで生きています。
無題についての、岡本太郎と、夏目漱石の考察も、まったく納得ですね。やっぱり、ふと鑑賞者にインパクトを与えます。
No.8
- 回答日時:
下の娘も9年前、高校生の時は無印とかのファンだでしたが、一方のうまい、命名ですね。
でも私命名によっては店を選んではいません。孔子も弟子に(こ)という容器を買いに行かせ、弟子が買ってきたそれを見て、「之れ(こ)ならず、(こ)ならず。」と嘆じた。弟子は、「いえ最近の(こ)はみなこういうものです。」という。孔子は「(こ)ならず。(こ)とは角という意味であり、角のあるのが(こ)である。このように滑らかに人当たりを考えたものは(こ)ではない。最近はなんでも名前がそれを表さなくなってきている」という。弟子は「たかが、(こ)のことで、何を難しいことをいうのだろうと、いぶかいしがった」という話が伝わっています。
「嫌味と自意識過剰と浅はかさが感じられて、嫌悪を催すことが多いです。味があるのがないんですね。ひねりと妙味と。だんだん心が毒されていきます。あるいは社会が堕落していくのだから、心が従うざるを得ないらしい。」
このお書き込みのフレーズにはまことに、同感します。近年耐えてなかった同感を覚えます。何とか自身の内外の堕落や、心の引き込まれを食い止めるように、変人か奇人をまだ当面、続けていきます。同調はできませんよね。
No.6
- 回答日時:
おっしゃる通りですね。
あなたの考えが実現する日がくればいいと思います。
でもちょっと不便かな。
No.5
- 回答日時:
文章を読んで思いつくのは <名前><諱>、 <真言><真言宗>、 <真の名><ゲド戦記> 、<アレフベート><神の名> など。
東京タワーって、そこから電波が地上に降り注いでいるわけで、テレビが放映されだして、国の方針とかも、そっから地上に報じられたわけですよね・
NHKは各県に支局を置き、全国にその情報を伝えた。
建った頃 高層ビルはなかったと思うので、モニュメントでもあったのかなぁ と思います。
正式名は <日本電波塔>ですって。
昔の人は、特に支配階級の人は、字(部族名)と名前を持っていたが、それ以外に<諱>を持っていて、それは<真>の名でその人の本質そのものを表すものだったらしい。
だから、親とか信頼関係が確立している人しか知らなかったらしい。
ゲド戦記にも<真の名>という概念が出てきて、主人公の通称はハイタカ、師匠からもらった名前がゲド。
魔法学校を卒業したゲドは、ある地域の魔法使いの任務につくが、そこを竜が荒らしていた。
竜を退治したいが、竜の名前がわからない。
で、調べ上げて とうとう竜の名前がわかってそれを竜に告げた途端、竜はゲドと戦うのをやめた。
ゲドは影の存在にイラついていた。
ところが影の名前がわからないため、退治できない。
で、旅に出てまた影が自分に接近する機会を待った。
そしてとうとう影が現れ、ゲドは魔法の杖を手から離して両手で影を抱き、影の名前を言った。
ヘブライ語のアレフベートは22文字。
これだけで世の中の全てを表現できるとする。
ギリシャ語が抽象概念に満ちた言語なら、ヘブライ語は物の本質を直に表す言語。
ヘブライ語22文字は子音でできている。
つまり音にはならない。
それを実体化させるには、母音をつけて発音する。
ユダヤ人は、神の名をみだりに唱えてはならないとして、私の主人という意味のエルという言葉を使う。
ユダヤ人の神の名前は、古代において7年に一度、選ばれた後継者に教えられていたそうです。
その人が儀式において、神に前に立ち儀式を行う際に、神を呼び出すため、神の真の名を唱えていたらしい。
で、子音に母音をつけるとき、母音のつけ方を間違うと、別な言葉になってしまい、神は出てこない。
だから、育て上げ、言い間違えないレベルに達したとされたものにのみ、口伝でこっそり教えていたらしい。
さて、「我輩は猫である。名前はまだない」
これをどう読むか。
ゲドは師匠から自分の真の名を教えてもらった。
我輩は猫である の猫は 通称。
この猫 ただの猫ではなく、wikiを見ると「人間の生態を鋭く観察したり、猫ながら古今東西の文芸に通じており哲学的な思索にふけったりする。人間の内心を読むこともできる。 」とある。
猫の真の名前は 夏目金之助?
でも、夏目漱石も金之助も通称なら・・・・。
猫の真の名を知っているのは夏目漱石という通称を持つ人だけ。
彼の魂がこの猫かな?
で、通常 我々は識別するために、物に名前をつける。
便宜上 名前をつけることで、他者と共通認識能力を生かし、コミュニケーションを円滑にできる。
で、だから 人は他人に識別させるために名前をつける。
オハナって通称が何人もいたら「やまの上に住む太郎んところのオハナ」とか、誰のうちのオハナかを所属を使いながら表現したんじゃないかと。
で、普段 私達は識別するために、名前を覚えていく。
ロシア人など、その人の特徴を名前にしたらしいから、結構すごいと思う。
多くの人が、象形文字の漢字を名前にしている。
でも通常 呼ぶとき、識別するための音のみを使う。
通常呼んでいて、その人の名前を書いてもらうと「すげー名前」とか象形文字が持つ意味を知ったりするわけです。
誰だったか、ミケランジェロだったかな?
彼はずっと石の前に座っていたので、少年が「何をしているの?」と聞くと、「馬が出てくるのを待っている」とか言って、ずっと後になると、石の馬の彫像ができあがっていて、「どうしてあの石に馬が入っているって知ってたの?」 みたいな会話があったと思います。
詳細になると違うかもしれませんが。
ってことは、親が名前をつけるとき、「こうなって欲しい」とつけるのか、「この子の本質はこうである」と見抜いてつけるのか?
だいたいの親は、「こうあって欲しい」って希望的観測でつけるんじゃないか と。
では、その名前の通りにその人がなるか?
名前の影響で、その名前のようになっていくか?
ならない。
となると、やっぱり親は希望的観測で仮称をつけただけで、子供の本質 をまだ知らず、生まれてある時、誰か見抜く人に 真の名をつけてもらったんじゃないか と。
で、私 真の名 もってません。
名前はまだ無い者です。
ただ、誰もつけてくれないけど、自己確立は結構できていると思えるし(自分の強い自我にあきれることもありますが 笑)、このサイトで質問に回答を繰り返してはや2年か3年で、自分がなんたるかがだんだんわかりだしてきたわけで、名乗りこそしませんが、(というか実体を誰にも教えたりしませんが)、私は これだな と大まかに自分の真の名を把握しつつあります。 謎 笑
ぜひ、回答者さんの「名」を知りたいものです。
私もそのように熟考できれば、名が浮かんできそうですが、それもきついことですね。心情的にも手続き的にも。自分の様相を現在あるところまで空間的にも時間的にも省みる、それはつらいけれども、穏やかになるには必要かもしれません。それを腰をすえてやってみようかなと思うけれども、入り口でとまってしまいますね。
名は、希望的観測でつけるという、名づけ人にとってのエゴがほとんどみたいです。そういう「エゴ」が社会を回したり発展させたりとにかく、人間を動かしているんではないでしょうかね。もちろん功罪はあります。
No.3
- 回答日時:
このごろ歯の浮くような命名候補や命名があり、ご質問の意見見解のお気持ちも同感はしますが、私はこういうへんてこなとってつけた命名を馬鹿にしています。
でも一つの指示固有名詞になるので、使わざるを得ません。新生児の命名もまったく、同じ心的風潮かも知れませんね。
何か、新しく東京に開通する電車もイメージ・カラーとかが各駅ごとに設けられているとか。そういうのをやりすぎというのだろうね。
本件の場合、無無題や〔名はまだない〕とはいかないけれども、いちばん自然でいやみなく、そしてそして特徴を現すものは土地や土地名にちなんだ命名でありましょう。或いは2008年とか今年は子のとしであるから、そういうものからの命名でしょう。
命名は、命名側に自己性を付与する機能があるので、まったく、いやみなわざとの命名は困りますよね。
はい、本当に近頃の命名は、いろいろな分野で、嫌味と自意識過剰と浅はかさが感じられて、嫌悪を催すことが多いです。味があるのがないんですね。ひねりと妙味と。だんだん心が毒されていきます。あるいは社会が堕落していくのだから、心が従うざるを得ないらしい。
自己性を付与するということ、まったく同感ですね。それに対して、やはり反感を覚えるようです。
No.2
- 回答日時:
「東京スカイタワー」のような「固有名」の命名行為は、一般的には現実世界から切り取った「対象」に対して「名」を付けるという人類の慣習の一部です。
まだ、実際には現実世界に実在しないのですが、構想段階でも、当然「名」を与えられます。構想している時点で、もう現実世界の一部になっているからです。そして、命名とは、恣意的です。その恣意性の方向として、「ふさわしい」とか「愛着」とか命名主催者側の方針が働いているのでしょう。ですから、この質問は主催者側に向けられるべきものです。「無題」の話は、興味深く読ませていただきました。この場合は、作品が世界から切り取った本質を、見る側に命名してもらいたいという意図と問いかけになっているのでしょう。参加型の作品とでもいうのでしょうか。先入観を排したいとか、さらには、言語を超えた本質を感じて欲しいという意図もあるのでしょう。言語を使った陳腐な題なんかふさわしくないということだと、「無題」とも書きたくないのではないでしょうか。
漱石の方は、「深遠」ではなく、「深読み」だと思います。
やはり、人間の習性というものが大きいらしいですね。そういうものらしいです。周りを言語化するという、当然他の動物も沿いうできれば刷るという生物的な反応かもしれません。
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