許せない心理テスト

「良好な景観であると認められることで特定の付加価値を生み出している場合は、地権者らは形成された良好な景観を自ら維持する義務を負うとともに、その維持を相互に求める利益(景観利益)を有するに至ったと解すべきだ。この景観利益は法的保護に値し、侵害する行為は一定の場合に不法行為に該当する。」と先日の判決でありましたが、この「景観利益」の法源はどこでしょうか。
「幸福追求権」かなあと思ってるんですけど、どうでしょう?
もしや法源とかはいらない?ということは「法的保護に値し」っていうは、裁判官個人が判断することが出来るのでしょうか??

お願いします。

A 回答 (3件)

その判決を報じるニュースをみて、その方面に全く無関係の私ですが「あの大きなマンションの20m超部分の撤去はいくら何でも無茶では?」と素朴に感じました。



横道にそれますが、裁判では景観利益は法的保護に値するとしたうえで、件のマンションの建築による景観利益の侵害につき不法行為を認定しています。さらに判決では、景観利益の特殊性と景観利益破壊の程度を総合考慮すると、金銭賠償では被害を救済することはできないとして、当該マンションの20mを超える部分の撤去を命じています。

ところで、そもそも不法行為による損害賠償は金銭賠償を原則としています(民法722,417条)。その理由としては、資本主義社会における多くの損害は金銭で評価することが可能であり、金銭で処理するのが便利である事や、被害者にとって原状回復が有利な場合でも、原状回復のために多くの負担を加害者に追わせるのは酷であることなどが挙げられます。
金銭賠償では被害を救済できないと言いますが、死亡事故による損害賠償などを考えれば分かるように損害賠償は時として究極的に損害を払拭しえない性質を本質的にはらんでいるのです。

景観利益が法的保護に値し、景観利益の侵害が不法行為を構成することがあるというのは分かります。ただ今回は、金銭賠償の原則にもかかわらず原状回復?をも認めています。確かにマンションをつぶせば景観は回復するかもしれませんが、撤去の為に目が飛び出るほど費用がかかることでしょう。その撤去がどこから導き出されたのかは分かりません(単に私の勉強不足?)。例えば妨害排除請求権でしょうか。だとしたらその論理構成が分かりません。

※もっとも金銭賠償と言っても、誰(景観利益を侵害された3人?それとも住民全員?)にいくら賠償すればいいのかという問題はあると思います。

受忍限度を超える日照被害を生じさせておらず、条例に違反しない即ち違法建築物に当たらないマンションをつぶせと言うのですから、その景観利益というものはさぞかし重要な利益(権利とは言っていない)なのでしょうが、マンションを建築する側にとっては自分の土地に建てたくて建てたものを、抽象的な義務を負わされ、限られた土地を有効利用する現実の権利を奪われてしまう訳ですからある意味たまったものではありません。

景観利益の性質については、すくなくとも現時点においては民法だけではとうてい解釈し得る問題ではなく、さらに他の何らかの価値が充填されているものと思われます。とすると、その価値を求めて行き着くところはとりあえず幸福追求権だと考えるのですが、いかがでしょうか。

判決の全文を読んでいないので何とも言えないのですが、間違いを恐れずに書き込ませていただきました。

参考URL:http://www.sankei.co.jp/news/021218/1218sha038.htm
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この回答へのお礼

とてもご丁寧に意見していただいてありがとうございます。

私も住民側が勝訴してもせいぜい金銭的な賠償だと思っていたので、取り壊し命令にはびっくりしました。たぶん不動産会社側もそう考えてたのではないでしょうか。
しかも金銭賠償が住民3人に対し月1万円なんて、明らかにマンションを壊すことの方がメインの判決ですよねえ。
撤去費用もさることながら、既にマンションを購入したり入居したりしている人の賠償問題も出ることでしょう。考えただけで恐ろしい…。
ということは、景観利益なるものと、マンションを撤去することを比較考慮して、それでも景観利益の方が保護するに値するってことですよね。

話、それますが、京都でも似たような問題ありましたよね。駅ビルが高いとかって…。
今では駅ビルだけじゃなくて、五条烏丸周辺は高層マンションの建築ラッシュだそうです。
国立市の並木通りが保護するに値するなら、京都の町並みも同じくらい大切だと思います。京都の場合、日本の観光産業を担っているという点ではそれ以上の重みがあるといっても過言ではないと思います。
それが問題視されないのは、国立と違って、住民の努力の希薄さにあるのでしょうか…。

お礼日時:2002/12/21 01:33

幸福追求権という大袈裟な権利を持ち出すまでもなく、不法行為の妨害排除請求権、妨害予防請求権の問題でしょう。


たとえば自分の土地に勝手に建物を建てようとしている人間がいるとして裁判になったときに、妨害排除請求権や妨害予防請求権というものは幸福追求権の一内容であるという言い方は普通しないですね。確かに幸福追求権の内容かもしれませんし憲法25条から派生する環境権の問題かもしれませんが、単に不法行為の問題であると片付けても問題はないはずですね。
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この回答へのお礼

ご返答ありがとうございます。

なるほど、不法行為ですか~。
民法で解決できるんですね。
ということは、取り壊し請求も「不法行為に基づく損害賠償請求」のひとつということでしょうか?

憲法を持ち出すとすれば幸福追求権ということでしょうか。
やっぱり憲法判断は最後の最後じゃないと用いないんでしょうね。
法律で片付く問題はまず法律で…ってことなんでしょうね。

なるほどです。

お礼日時:2002/12/21 01:10

幸福追求権でいいと思います。


詳しくは↓のサイトの「6. 憲法13条「幸福追求権」」をご覧ください。
自信はナシです。

参考URL:http://www5.ocn.ne.jp/~tejun/sinnpou1.htm
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この回答へのお礼

さっそくのご返答ありがとうございます。
やっぱり幸福追求権なんでしょうかねえ…。

ということは新しい権利がまた増えた?
でも、たしか最高裁で新しい権利として認められているのは環境権だけだったような…(プライバシー権でしたっけ? すいません無知です)

環境権の一種なんでしょうか??

お礼日時:2002/12/21 01:03

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