いちばん失敗した人決定戦

隣の物干しの暗い隅(すみ)でガサガサという音が聞こえる。セキセイだ。小鳥が流行(はや)った時分にはこの町では怪我人(けがにん)まで出した。

とありますが、小鳥が流行ったがために出るけが人とはどんなけが人なのでしょうか。

A 回答 (3件)

私の読解力は、高校時代の「現代国語」で止まっています。

ご質問者に対しては「釈迦に説法」かも知れませんが、「前後の文章をよく読む」、「入れ替えてみる」という方法はいかがでしょうか。

梶井基次郎『交尾』(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/423_5 …

「小鳥が流行った時分にはこの町では怪我人まで出した。」の後には、小鳥ブームが去って、捨てられ、「誰も」「注意を払おうともしない。」ことが書いてあります。これを逆に考えると、

「小鳥が流行った時分には、かまい過ぎるくらい可愛がっていた」

と想像されます。そのころは目の中に入れても痛くないくらい溺愛していて、目を突付かれて怪我したとか、ありそうです。
また、「小鳥」と他のペットとを入れ替えてみましょう。たとえば、「犬」や「金魚」です。

「犬が流行った時分にはこの町では怪我人まで出した。」……そうだね、犬は噛むし。
「金魚が流行った時分にはこの町では怪我人まで出した。」……ん? 金魚は噛まないと思うけど。金魚以外から怪我させられたと考えるしかない。

小鳥は、犬と金魚の中間でしょう。小鳥に怪我させられるのは意外なので、「怪我人『まで』出した」という表現になりますが、突付かれれば怪我もするので、小鳥以外に原因を求める必然性はないわけです。
大正末期から昭和初めにかけて、小鳥飼育ブームがあったそうです。昭和3年初めには、早くもブームが終焉したらしいです。梶井基次郎の『交尾』の初出は昭和6年なので、なるほど時期的に合っています。

コザクラインコ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B6% …
(引用開始)
大正時代に日本で起きた小鳥ブームの際、文鳥やカナリヤ、ジュウシマツ、キンカチョウなどの江戸時代から飼い鳥として日本に輸入されていた海外産の小鳥が大衆に広まった。(引用終り)

小鳥ブームが過熱して、梶井の住む町で奪い合いの喧嘩が起きたかどうかは、分かりません。
小鳥がブームの後で捨てられて、外を飛び回って餌あさりするようになったのは、テキストから読み取れます。
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この回答へのお礼

>目を突付かれて怪我した

なるほど溺愛者は動物との距離が近いですからありえそうです。あと子供なんかも動物との距離感を誤りがちなのでやられることもあるかもしれませんね。

歴史的なウラもとっていただきありがとうございました。


小説の本筋からそれた他愛ない質問にお付き合いいただき、みなさんありがとうございました。

お礼日時:2008/09/17 23:20

そのあとに



 「一体誰がはじめにそんなものを欲しいと云い出したんだ」と人びとが思う時分には・・・

とありますので、セキセイインコのブームがあって奪い合いの喧嘩があったのではないかと想像しましたが、如何でしょうか。
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この回答へのお礼

わたしも鳥をめぐる人間同士のトラブルかなあと思いました。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/09/17 23:19

たくさんの小鳥があちこち飛び回って、エサを漁ったりするため


時には歩いている人間を突いたり、人間の持っている食料を取ったりして
怪我をさせるに至ることもあった、

というのではないでしょうか...
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この回答へのお礼

カラスならありえそうですが・・・どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/09/17 23:18

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