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民事訴訟法を勉強中です。

今、「訴えの利益」と格闘中ですが、「訴えの利益」は国家の裁判機関を用いて紛争を解決するに値するだけの利益・必要性があるかどうかを選別する要件だということはわかりますし、そのような要件が必要なことも、そうだろうなぁと思います。

ただ、その根拠規定はなんだろうと思うと、困ってしまいます。
例えば、確認の利益では、○確認訴訟という手段の適否、○確認対象選択の適否、○紛争の切迫性・成熟性、○主体の適切性やら、いろいろな項目があり、それぞれ、具体例が説明されたりしますが、そもそも、これらは何の条文の解釈から出てくるのでしょうか?

裁判所法の「法律上の争訟」との関係でしょうか?あるいは、判例法理みないたものと割り切るべきものでしょうか?判例百選の訴えの利益関連の事件の判旨をみても、「訴えの利益」がない、の一言で終わりのものが多いので、素朴に疑問が生じました。

仮に、自分が裁判官で、訴えが提起されて、判断しなければならないとしたら、何の根拠条文も示さず、「訴えの利益がない」といって、訴えを却下してしまうのは、なかなか、勇気がいると思うのですが。

A 回答 (1件)

 ごもっともな疑問です。



 「訴えの利益」とは,民事訴訟(行政訴訟を含む)に関して,訴訟制度の利用を正当化するだけの利益・必要性のことです。

 本案判決をするのに備わらなければならない訴訟要件の一つで,これを欠く訴えは不適法として却下されます。

 民事訴訟法において,訴えの利益を直接規定した条文はありません。
 しかし,大審院・最高裁は古くからこれを訴訟要件としていますから,実務上,その明文の「根拠」が問題となることはまずなく,訴え却下に「勇気」を必要とすることはないでしょう。

 おっしゃるとおり,(日本国憲法・裁判所法等と結びついて,微動だにしない)「判例法理」と考えればよいでしょう。

 すなわち,裁判所は,日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し,その他法律において特に定める権限を有します(裁判所法3条1項)が,「法律上の争訟を裁判」とは,司法権(憲法6章)の行使を指します。
 「司法権」とは,具体的争訟について,法律を適用し宣言することにより,これを解決する国家作用です。
 「具体的争訟」とは,当事者の具体的な権利義務又は法律関係に関する紛争であって,法律の適用により終局的に解決できるものを指します。

 司法権はこのように具体的な紛争解決を通じて当事者の基本的人権を守ることを目的としますが,有限な裁判所の人的・財政的資源を用いて合理的に紛争解決するには,「国家の裁判機関を用いて紛争を解決するに値するだけの利益・必要性がある」という訴えの利益をはじめ,訴訟要件(裁判権,管轄権,当事者の実在,当事者能力,当事者適格,訴状の有効性,二重訴訟禁止に触れないこと,不起訴の合意がないこと等)を満たす必要がある(必要性)のです。
 
 訴えの利益がないということは,当事者に保護されるべき利益がないということですから,それで却下しても,不測の損害を与えるものではない(許容性)という建前なのです。
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この回答へのお礼

スッキリいたしました。
法律の勉強をしていると、あちこちで条文、条文とうるさく言われるのに、当然の前提のように条文との関連性が示されずに重要な概念が出てきて、しかも、単なる講学上の説明概念ではなく、「訴訟要件」として訴えが却下されてしまうというのは、なにか、マジックを見ているような印象を持ちました。しかし、慣れるしかなさそうです。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/26 14:02

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