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 水の電気分解で酸性溶液(H2SO4 水溶液など)では(1),(3)の反応が起こり,アルカリ性溶液(NaOH 水溶液など)では(2),(4)の反応が起こると考えられます。

 陰極:
   2H+ + 2e- → H2↑      (1)
   2H2O + 2e- → H2↑ + 2OH-  (2)

 陽極:
   2H2O → O2↑ + 4H+ + 4e-  (3)
   4OH- → O2↑ + 2H2O + 4e-  (4)

 ここで,溶液が酸性からアルカリ性に変わる事で,反応種が陰極では H+ から H2O に変化し,陽極では H2O から OH- に変わります。

 酸性溶液で(1)の反応が,アルカリ性溶液で(4)の反応が起こる事は自然です。では,何故アルカリ性溶液で(1)でなく(2)の反応が起こり,酸性溶液で(4)でなく(3)の反応が起こるのでしょうか。

 以前は,酸性溶液での OH- 量やアルカリ性溶液での H+ 量が非常に少ないためと考えていたのですが,「極く少量でも反応すれば平衡で新たな H+ や OH- は供給されるはず」と考えだすと,単に量が少ないだけでは納得できなくなってしまいました。

 どなたか「物理化学」苦手の私に,納得できる数値なり理論なりを示して落ち着かせて下さい。お願いします。

A 回答 (15件中11~15件)

たとえば、アルカリ溶液とします。

NaOHを入れます。当然PHが決まります。そこで容器が大きいのでPHは一定とします。
OH-の量と匹敵するNa+とH+が存在しますが、Na+の方がH+より圧倒的に多く、このときのPHでの割合をNa+:H+=1000:1とします。(PHが決まればイオンの量は決まります)
電極からの電子はこの割合で反応します。(1):(2)=1:1001となり、(3):(4)=1:1001で反応します。だから、全体でみればアルカリの場合(2)(4)の反応だけが見えます。
ただ、(1)(3)の反応は確認できず、もし過剰に反応しても反対の反応が起こり、Na+がPHの値を一定にしていくと思います。
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この回答へのお礼

皆さんの回答をフォローするのにテコズッテ,お礼が遅くなってしまいました。申し訳ありません。

 で,ご回答なんですが,チョット解り難い点がありますが,次の様に解釈して宜しいでしょうか。

> もし過剰に反応しても反対の反応が起こり、
> Na+がPHの値を一定にしていくと思います。
 「NaOH が pH を一定にしていく」と読み替えて宜しいでしょうか? それであれば,この部分は納得です。

> 電極からの電子はこの割合で反応します。(1):(2)=
> 1:1001となり、(3):(4)=1:1001で反応します。
 「Na+:H+ = 1:1001 (1000 ?)」は納得できます。で,H+ は反応するので良いのですが,何故 Na+ が多いと H2O が反応するのでしょうか? ここがチョット納得しかねるんです。次の様な事も考えたんですが,こういった意味でしょうか?

 電極の周りには H+ が少なく Na+ が多い ⇒ H+ は電極に近づき難い ⇒ H+ は反応し難い。が,H2O は電荷を持たない ⇒ Na+ の存在に関係なく電極に近づける ⇒ H2O の反応速度は変わらない。両者の結果,反応種が H+ から H2O に変わる。

 これだと一応納得はできるのですが・・・。

 せっかく回答いただきながら,こんなお礼で申し訳ありません。何かあれば,また宜しくお願いします。
 

お礼日時:2003/01/20 20:11

 コンニチハ おひさしぶりです。


Nernst の式・電極電位など考察されているようですね。昔やったので忘れてしまいました。が、一つだけ実験例を
 電解質に硫酸ナトリウムを使用する水電解です。このとき指示薬にフェノールフタレインを用います。電解開始直後赤になるのは陽極ではなく陰極です。陰極にOH-を認められるということは、結局は陰極で水が電子を受け取り水素を発生し水酸化物イオンを生じる。ということです。
 結果からの考察ですが、十分に加電圧が高いときには、陰極では水も水素イオンも両者とも電子を取っている。水素イオン濃度が一定になるので、最終的にはこの極の回りの水分子が電子を受け取り、水素と水酸化物イオンになる。と考えます。
 最初に電子を受け取るのは圧倒的に水分子の方が多いですが、それを直ぐに水素イオンに渡し水素イオンが反応し、平衡により水分子からまた水素イオンと水酸化物イオンを生じる。または水が電子を受け取って直接水素と水酸化物イオンになるのかの違いでしょうか。どのような液性でも両方とも起こっていると思われます。電子の授受が素早いものなのでどちらとも区別がつかないのではないでしょうか。
 で、酸性溶液では酸の代表である水素イオンが陰極で電子を受け取り、水酸化物イオンの濃度がきわめて低いので陽極では水が電子を放出すると、量的なことから言えるのではないでしょうか。反応種がどのpHの時点で変化するのかは中性を境に考えるのがよいと思います。
 以上は中高生に説明するときに使います。でもrei00さんは納得しない思いますが。
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この回答へのお礼

大変遅くなりましたが,再回答ありがとうございました。

> 結果からの考察ですが、十分に加電圧が高いときには、
> 陰極では水も水素イオンも両者とも電子を取っている。
> 水素イオン濃度が一定になるので、最終的にはこの極の回りの
> 水分子が電子を受け取り、水素と水酸化物イオンになる。
 なるほど,これは納得できます。確かに,『十分に加電圧が高いとき』は,これで良いと思います。後は『加電圧が低いとき』どうなるかですが,これに関しては改めて。

お礼日時:2003/01/20 19:47

ご質問の内容は「(i) 水分子の電離の反応速度,(ii) 電極反応速度の大小関係はどうなっているか? また各々の反応速度の pH 依存性はどうか?」という問題に帰結されると思います。

正解を得るには,これらの数字をデータ集や論文等で調べられるのが良いかと思います。

もし (i) > (ii) であれば,rei00 さんの質問文中にある(2)や(3)の半反応式は,電極反応の前に電離が起こり,結局はそれぞれ(1)と(4)と等価になります。逆に (i) < (ii) であれば,(1)と(2),(3)と(4)でそれぞれ異なった酸化還元電位を持つ別の電極反応になります。このような場合,水の酸化還元電位に非常に大きな pH 依存性が発生するでしょう。

これは私の妄想かもしれませんが,水の電離は複雑な電子移動の絡まない,直接的なヘテロリシスですので,電離の反応速度は非常に大きいと思います。よって,(i) > (ii) ではないかと思います。

(1) の水分子の電離の反応速度について,直接的な値を文献で探すのは大変かもしれません。そのような場合,プロトンの移動度が参考になるかもしれません。これでしたら pH 依存性のデータも揃うと思います。水溶液中におけるプロトンの移動度は他のイオンとは異なり,実際の化学種の電気泳動はなく,電離反応を利用した結合のホッピングにより移動します。つまり,電離の反応速度はプロトンの移動度からある程度推測できると思います。

(ii) の電極反応速度については,典型的な電流値から逆算することが可能でしょう。

もし参考になりましたら。
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この回答へのお礼

いつも御世話になっています。若干期待しておりました。

 スミマセン,簡単に言ってしまいますが,「酸性でもアルカリ性でも実際の反応種は H+ と OH- である」という事でしょうか?

 確かにそう考えれば何の問題も生じないのですが・・・。何となくシックリしません。

 ところで,「移動度」に関して成書を見ていて気付いたのですが,共存する SO4(2-) や Na+ は考えなくても良いのでしょうか? これらが OH- や H+ の反応を邪魔している可能性は考えられませんか?

 連休間にもう少し考えてみますが,何ありましたら追加宜しく御願いします。

お礼日時:2003/01/11 18:57

よくご承知のようですから少しだけ。


反応は濃度の影響は大きいのです。実際に反応するのはその「活量」で考えます。
「活量」=「活量定数」*「濃度」です。
中性溶液ではpH=7、すなわち水素イオン濃度[H+]=水酸化物イオン濃度[OH-]=10^(-7)mol/l
酸性溶液、例えばpH=5で[H+]=10^(-5)mol/l、[OH-]=10^(-9)mol/lですから、それぞれ100倍違います。
したがって、酸性溶液の陽極反応はOH-より水が電子を放出する。塩基性溶液の陰極反応はH+よりも水が電子を受け取ると考えるのが適切です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。先日久し振りにお名前を拝見して,何か懐かしくなってしまいました。今後とも宜しくお願いします。

 で,お書きの内容は,その通りだと思います。私自身,ずっとそう考えていました。が,それだけでは「酸性溶液中での OH- の反応はアルカリ性溶液中よりも起こり難い」とは言えても「H2O 分子の方が OH- よりも反応しやすい」とは言えないと思うのです。

 H+ あるいは OH- の濃度(活量)の差がどう影響して,反応種が H+ から H2O に(H2O から OH- に)変わるのか?

 これが分かりません。電極電位はイオン強度や活量で変わり,pH が変わる事で各反応に対応する電極電位が変わります。これが理由かとも思い pH = 1 と pH = 13 で電極電位を Nernst の式で求めてみましたが,差は小さくなるものの反応種が変わる結果にはなりませんでした。

 何かアイデアありましたら,また御回答お願いします。

お礼日時:2003/01/11 18:14

水の電気分解とのことですが、同様のことと思い、充電池のことを考えました。


反応は、書かれているのと逆ですが、たとえば鉛充電池も同じ反応です。ただ、この場合、結果として、と書かれています。つまり、陽極ではPbとPbOとHとOなど、陰極ではPbとPbSo3とHOなどとの間で反応していて、中間の反応は複雑でたぶんそのようらしい、そして結果として、充電の時は酸素と水素が発生し、放電では水ができる。適切な硫酸濃度があるかぎり、中間の反応で硫酸が絡んでいます。だから、式は結果だけ、と思っています。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

> だから、式は結果だけ、と思っています。
 確かに「全体としてみれば」そうかもしれません。しかし,「細かく見ると」いくつかの考えられる反応の起こりやすさの順序づけはできるものと思います。

 で,私が知りたいのは,『アルカリ性溶液で(1)と(2)のどちらが起こりやすいか?』と『その事は,どう説明されるか?』なんです。

 何かアイデアがありましたら,また回答お願いします。

お礼日時:2003/01/11 17:50

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