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ボルトナットで締結する時、一般的に緩み止めとしてスプリングワッシャーや緩み止めナット、接着材等を使用すると思うのですが、自動車の特に足回り部品(アッパーマウントと車体、ショックアブソーバとナックル・ロアアーム、ブレーキホースやハーネス類の固定)にはフランジナットのみの固定が多いのはなぜでしょうか?もちろん緩み止めナットのものもありますが、多くはフランジナットになっています。
ホイールナットもテーパーですが緩み止めはありません。どうしてなのでしょうか?車は振動も大きいし緩みそうですが実際には緩むこともありません。新車のストラットのナックル部は結構緩くしまっていたりします(緩める時の感覚的に)。

A 回答 (3件)

サスペンション等の可変部分がある場合、ねじと直角方向にロックすべき固体があると、スプリングワッシャーでは軋み音が出てしまうので、かしめるタイプのフランジナットを使うそうです


又、ホイールナットではワッシャーなどの潰れる要素の物を間に入れないで規定のトルクで締め付ける事が基本なんだそうです
私が整備工時代に先輩に教えられたことです
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ボルトとナットは、締め付けたときに、ボルトの山をナットの山で引っ張り、ボルトを伸ばす力と縮もうとする力の摩擦で固定します。


更に、ナットは部材に当たる方の面の摩擦力で緩みを止めます。
適正トルクなら少々のことでは緩みません。

ワッシャーなどを多く使うとそれだけコストが上昇しますし、重量の増加もバカには出来ません。
どうしても緩んでもらっては困るような所はコッターピンなどを使って固定してありますよ。

回転翼機の振動に比べれば自動車の振動なんてかわいいものです。

この回答への補足

分かりやすい解説ありがとうございます。ではスプリングワッシャーは適正トルク以下で締付ける時(そういう恐れがある時)に入れる、つまり適正トルクで締付けるのであれば不要ということになるのでしょうか。自動車の緩衝装置の振動であっても静止状態ではないのでけっして緩みにくい状態ではなく、緩みの許されない場所かと思います。このあたりについてもう少し補足いただけたらと思います。よろしくお願いします。

補足日時:2008/12/14 19:12
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 ボルト~ナットなどの『ねじ締結理論』は大変難しく、自動車メーカでも全て理解しているヒトは極少数なんですけどね。

(自動車メーカでは、会社毎にボルト・ナットの設計標準というモノがあり、多くの設計担当者はその標準書に沿ってボルトやナットを『設定』しているだけです。)

※まず最初に基礎知識ですが・・・下記2種類を以ってして、『ボルトの緩み』と定義されています。。
その1;ねじの逆回転
 機械設計者も含め多くのヒトが、これのみを『ねじの緩み』と認識されているでしょう。しかしボルトやナットの逆転は結果論であって、『逆転が起こったから逆転しない様な対策を打てばオッケー』とは、必ずしもなりません。
その2;軸力の低下・消失
 ねじ締結とは、多くのケースでボルト本体に曲げ力やせん断力がかかっていません。
 締結構造はNo.2様御回答の通り、ボルトは単に部品同士を圧接させている『強力なばね』の様なモノで、要するにねじ締結とは『部品同士の摩擦』で止まっているに過ぎないワケです。
 この摩擦力を発生しているのがボルトの軸力という事になりますが、ボルトが塑性域(オーバートルクによりボルトに永久歪みが残るほど締め付けられた状態)に入ってしまったり座面が陥没したり、などによりボルトの軸力が失われることがあります。
 このケースでは1ミリたりともボルトやナットは逆回りしていませんが、これも『ボルトの緩み』として定義されており、締結強度が特に重要となる部位では、ボルトの逆転以前に軸力低下が起こった時点で『ねじ設計は失敗』と見なされます。

※ねじが緩むメカニズムは・・・まず最初に上記[その2]が起こり、これによってボルトやナットやねじ山での摩擦力が減り、結果、上記[その1]が始まります。
 上記[その1]で『ねじの逆転は結果論に過ぎない』と言ったのはこの事を指しており、要するにねじ(特に締結強度が必要なホイールナットなど)では、まず摩擦力が失われない様に設計する必要があります。

※スプリングワッシャや菊ワッシャなど緩み止め効果のあるワッシャは色々出ていますが、これらはあくまでも『ねじの逆転』を止める部品に過ぎません。ストラットやホイールの取付けねじは、上記[その2]が起こった時点で設計者の負けです。
 よく誤解されているんですが・・・スプリングワッシャは座面やボルト/ナットにクイ込み、それで逆転を防いでいる部品に過ぎません。
 つまりスプリングワッシャには軸力低下(摩擦力低下)を防ぐ効果は殆ど無く、単にねじの逆転止めになっているに過ぎないということです。逆転して脱落しなければそれでよいという(ある意味どうでもよい)ボルト/ナットならスプリングワッシャは有効ですが、軸力が低下した時点でNGになる重要なボルト/ナットでは、スプリングワッシャなど何の意味も持ちません。(自分はボルト/ナットや座面にキズを付けるスプリングワッシャが大キライで、自分が設計したボルト/ナットにはスプリングワッシャを入れませんが、それで緩んだ事はありません。)

※平ワッシャは、全く別の働きです。
 これは座面の面積を増やし、軸力による座面陥没を防ぐ効果があります。つまり平ワッシャには軸力低下を防ぐ効果があるワケで、これは入れる価値があります。(自分もよく平ワッシャを用いる設計をします。)
 ただ、元々設定軸力が低いか、或いは座面が元々広いボルト/ナット(←つまりフランジ付きとか、ホイールナットの様に座面に広いテーパが付いている場合)だと座面が陥没し難く(座面が陥没するかどうかは、締結される部品の材質と軸力と座面面積から計算で出せます)、こういうケースでは平ワッシャは不要になります。

※も一つ。これは多くの機械設計法の教科書に書かれていないことですが。(恐らく、工学系の大学の授業でも、この話は出ないでしょう。)
 高い締め付けトルクが必要な締結部位では、フランジボルト/ナットを使うと、今までのねじ締結理論からすると『予想以上に』緩みに強くなります。故にフランジボルト/ナットを使っている部位では、余計なワッシャ類が一切不要になる、という事は言えるでしょう。
 尚、なぜフランジをつけると緩みに強くなるのか?は、話が更に長くなってしまうのでここでは述べませんが、機械設計者ならこの現象を理論的に説明出来るはずです。(説明出来ない設計屋は半人前、とまでは言いませんが、ちなみに・・・このフランジの特性を最大限生かす為にはフランジ形状に一工夫必要なんですが・・・国内の自動車メーカ全ての標準フランジボルト/ナットを取り寄せて計測したところ、理論に則した形状のモノは1社だけでした。もっとも、計測したのはもう5年以上前なので今はどうなっているか判りませんが、或いは1社を除く他の自動車メーカでは、フランジボルト/ナットは『平ワッシャが一体化されたボルト/ナット』程度にしか考えて無く、フランジ部のホントの働きに気付いてないのかもしれません。)
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この回答へのお礼

深いところまで解説ありがとうございます。全部内容を理解できるわけではないですが理論的な話が聞けて大変参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2008/12/19 00:28

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