プロが教えるわが家の防犯対策術!

マウスを用いて免疫系関連の研究をしている修士2年です。研究室3年目にして恥ずかしいのですが質問です。

現在、ある内分泌器官を、DABを用いた酵素抗体法(ABC法)で染めて、あるペプチドを産生している細胞の頻度及び分布を調べようと思っています。用意した物とプロトコルは以下です。
・組織サンプル(ブアン固定→パラフィン包埋→4μm切片)
・Elite ABC kit(内容:Blocking用Goat血清、biotin結合2次抗体、ABC溶液)
・1次抗体(Rabbit anti-(そのペプチド)antibody)
プロトコル・・・通常の脱パラ、浸水化、抗原賦活化(一応)、内因性ペロキシダーゼ除去→kitのプロトコル(1次抗体は4℃o/n)

この1次抗体は、ある先生に紹介されて知り合った他大のA教授に分与していただいたものです。A教授とは直接お会いしたことはなく、メールや参考文献も自分の指導教官であるB教授を通して受け取っています。A教授はこの1次抗体を自分で作成(既知のアミノ酸配列からペプチドを合成→ウサギに投与→血清から精製)して、その抗体を用いた染色で論文を沢山出しているような方です。その論文を参考にして、今回のプロトコルを組んで染色してみたのですが、全然うまくいきません。組織内の細胞がところどころポツポツ染まるはずなのに、赤血球と血管内皮細胞以外の組織細胞全部がベッタリと染まってしまうのです。A教授の染色で私の染色と異なる点は、動物がラットであること(問題のペプチドは両種で保存されていることが分かっている)、kitを使っていないこと(ABC法ではなくPAP法、発色は同じくDAB)のみです。

こんなことはA教授に聞けばいいのですが、うちのB教授は少々プライドが高いところがあって難しそうなのです。それに、B教授はもともと免疫染色が得意ではないようです。B教授は今のベッタリ染色像が正しい染色像だと思っていて、このまま私の論文まで持っていくつもりみたいですが、色々な参考文献を見ている私としては、このベッタリ具合は絶対何かおかしいのです。(でもB教授は私の意見はお構いなしです(ノд・。) )だって本当は、下垂体のACTH細胞くらいくっきり染め分けることが出来る抗体なんです。先入観を差し引いても、ラットとマウスでこんなに違うとは到底思えません。

さて、長々と読んでいただいてありがとうございます。。。質問は以下です。
1.私の染色方法やkitで、「もしかしてここのミスかも・・・」と気になる点があったら教えてください。(モノクローナル抗体を使った染色にはもともと不慣れです。)
2.指導教官であるB教授に「待った!」をかけるために、いい策はないでしょうか???(この質問に関してはカテ違いかもしれませんが・・・。)

A 回答 (4件)

1.一次抗体のみ省いた、ネガティブコントロールの結果はどうでしたか。

非特異的な染色がみられる場合、一次抗体の非特異的な結合による場合もありますが、二次抗体以降の非特異的反応が原因であることが少なくありません。
もし、このネガコンでも同じように染まるなら、見えている染色は標的タンパク質の分布を反映していないことになり、「今のベッタリ染色像が正しい染色像だ」というのは否定できます。

2.標的組織はなんでしょうか(マウスかラットかは別として、A教授がやっているのと同じですか?)。組織によっては免疫グロブリンが(Fc領域を介して)非特異的に結合する場合があります。

3. 供与先のプロトコールらしきもの詳しく書かれていますが、肝心の実際に行った方法(ブロッキング、二次抗体などの情報)がないので、気になる点はといわれても答えにくいです。

それと、ウサギ抗血清から精製した抗体はポリクロですね(モノクロはハイブリドーマで作る、一次構造から同一で多様性のない抗体。ポリクロは同じ抗原を認識する多様な抗体を含む)。

この回答への補足

失礼いたしました。言われてみると穴だらけの書き込みでした。
1.ネガコンでは、1次抗体を加えない限り、組織内の細胞は全然染まりません。1次抗体以外全部同じプロトコルで同時にやっても、です。
2.標的組織は、A教授、私たち共に下垂体です。(研究室を特定されるのが怖くて書きませんでした。苦笑)
3.詳しく書いたほうのプロトコルは、私が実際行っているものです。分かりづらかったですが、ABC法を用いたのが私、PAP法を用いたのがA教授です。より詳しく書くとこうです。
(1)定法により脱パラ(キシレン→EtOH系列)、浸水化(流水10分)。
(2)抗原賦活化液(0.01Mクエン酸ナトリウム緩衝液 pH7.0)中で121度20分加熱。流水10分。
(3)内因性ペロキシダーゼ除去(0.1%過酸化水素水30分)。wash×2
(4)FcRのBlocking(Elite ABC kit内のもの、30分)。wash×3
(5)1次抗体(A教授の使用濃度にて、4℃、overnight)。wash×3
(6)2次抗体(Elite ABC kit内のもの、1時間)。wash×3
(7)ABC(Elite ABC kit内のもの、1時間)。wash×3
(8)DAB発色液(0.2mg/ml DAB in 0.05M Tris buffer pH7.6、20分程度)。
あとは必要に応じてヘマトキシリンでcounter stainして、封入です。
・wash・・・PBS5分。
・記載のない場合室温にて処理。
・抗体は全て2%FCS-PBS(0.02%アザイド加)にて希釈
・kitはこれです↓
https://search.funakoshi.co.jp/fsearch/ProductIn …

それと、失礼しました( - -)汗、血清から精製と書きましたが誤りでした。(自分のとこの抗体精製と混同してました。)多分普通にB cell精製して取ってきたはずなので、モノクロが正解です。

それと追加情報ですが、このベッタリ染色像は核の中まで染まってます。しかも、ヘマトキシリンを入れると、ヘマトキシリンだけで染まる(つまりDABは結合していない)ような核もところどころにあるのです。いったい全体これは・・・。
なんだかこの質問締め切って仕切りなおしたほうがいい感じですかね・・・。(もうすこし待ってみますが。)質問が下手で申し訳ないです。

補足日時:2008/12/22 19:13
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この回答へのお礼

大変参考になりました。
どうもありがとうございました。
お礼が遅くなり、大変失礼いたしました。

お礼日時:2014/12/17 14:32

前の方も質問されていましたが、質問者さんは抗体がポリかモノか解っていらっしゃらないようです。

まず、そこをはっきりさせないと正しい二次抗体を使っていらっしゃるかどうか不明です。

全て正しい抗体の組み合わせで実験が行われているという条件でお話いたします。どうやら、質問者さんが見ている像は非特異的な反応のようですので、以下のことを検討されたら如何でしょう。

1)抗体は使用直前に14000rpmで遠心すること:抗体はアグることが多いですので、前もってそれを取り除くことが必要です。

2)抗体の濃度の検討:一次と二次抗体の組み合わせを可能な限り検討することも必要と思います。また、一次抗体のコントロールはNormalラビットIgGあるいはIso-type matchedマウスIgGになります。

3)一次抗体の特異性:IHCで使える抗体であるならば多くの場合ウエスタンでも使えます。もし、目的の抗原を発現している細胞が入手可能なのであれば、ウェスタンで抗体の特異性を確認したらいかがでしょう。

他にも細かいことを言ったらきりがありませんが、このような実験の場合一つ一つの事項を丁寧に検討してください。二次抗体を入手したメーカー、あるいはそのロット番号までがその検討の対象になります。
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この回答へのお礼

補足も含めお礼させていただきます。

まず、1次抗体は絶対にモノクローナル抗体です。A教授が送ってきた資料の中にそれがモノクローナル抗体であることが明記してあるというのが一番端的な証拠です。
また、自分の経験としては、同じRabbitのmAbとして、Rabbit抗ACTH抗体を用いて今回と同じ組織の切片を染色したことがあります。(逆に言うとそれくらいしか経験がありません…)その染色では、よく論文上で目にするような典型的な組織像を得ることが出来ました。それに対し今回の抗体ではうまくいきません。
もともと医学部などとは違い貧乏な研究室ですので、2次抗体を色々試してみるということに対して、B教授は否定的です。ですが、抗ACTH抗体を用いた染色の際には、IHCとIFを両方試した経緯があります。そのおかげで今手元にFITC-抗Rabbit IgG抗体があるので、そちらで一度試してみようかと思っているところです。その他に、

1)抗体は使用直前に14000rpmで遠心してみる

2)抗体の濃度を再検討してみる(二次抗体はこれまであまり振っていませんでしたので…)。また、一次抗体のコントロールはvehicle(2%FCS-PBS)を用いていましたので、Normal Rabbit IgGかIso-type matchedマウスIgGがないか、ちょっとディープフリーザーを漁ってみようと思います。(前述のACTH染色ではBackgroundがほとんどないので、一応大丈夫だとは思いますが…これからこの抗体のためにさらに条件を振っていった際には、それはそれでしっかりしたcontrolが必要ですよね…。)

3)笑われるかもしれませんがうちの研究室ではblottingの系は全く扱っていません。論文を出す上で必要になった時に、医学部など他の研究室の手を借りている状態です。確かに今回のようなケースでは、本来ならいただいた抗体の特異性を自分の研究室でも確認する必要があるのかもしれません。今後上記1)2)を試してもどうしても染まってこない場合は、特異性について検討せざるを得ない…のでしょうか。その前に、A教授に相談できれば一番だとは思うのですが…。

以上のように参考にさせていただきます。分かりにくい質問に対し、丁寧なご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/12/24 10:54

免疫染色は抗体がどうこう、キットがどうこう言う前に


固定の方法も重要です。

ブアン固定は切片的にはきれいですが、酢酸がは入っているために
抗体によっては免疫染色が出来ないことがあります。

これは私のこれまでの経験ですが、酸が入っている固定液で出ないものでも、パラホルム固定(酸なし)では出るものが多いです。
これは抗体がネイティブな形のタンパク質を認識するものとそうでないものに起因すると私は感じています。酸が入るとタンパク質は激しく変性すると思いますので。

それはともかく、ほかのうまくいっている方法の固定法をチェックしてみて下さい。
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この回答へのお礼

A教授もブアン固定を用いていることから、同じ固定液を選択した次第です。

>これは私のこれまでの経験ですが、酸が入っている固定液で出ないものでも、パラホルム固定(酸なし)では出るものが多いです。
今後に役立ちそうな経験談、ありがとうございます。どんな組織でどんなタンパク質を染色したときのご経験なのか、ぜひお聞きしたいところですが、場違いなので、やめておきます。
(逆に私の場合、パラホルム固定ではBackgroundレベルが高くて見分けられなかった陽性染色像を、ブアン固定に変えたら無事判定できた経験がありました。)

お礼日時:2009/01/08 13:21

染色が得られないというのではなく、全体がべったり染まってしまうということが問題で、しかも一次抗体のみスキップすると全く染まらないということなので、問題は一次抗体との反応にあると考えて良いですね。

二次抗体の選択を間違っているとか、標本の前処理が不適だととかでは、染まるはずなのに「染まらない」ということは起こりえますが、そういうのとは別ですよね。

抗体反応前のブロッキングはFcR blockingのみになっていますが、一般的なブロッキング(正常血清やBSAなど)は必要ないですか? FcR blockingでは内在性FcRと抗体のFc部位との結合をブロックするために特別に調製されたもので、一般的な非特異的吸着を防ぐのには不十分なのでは?

一次抗体が原因で非特異的に染まる場合は、一次抗体の希釈率を高くするとか、反応時間を短くするなど(一晩は長すぎるかも、30分~1時間くらいから様子を見ては)、条件を振ってみるのが常法でしょう。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅れましたが・・・

>次抗体の選択を間違っているとか、標本の前処理が不適だととかでは、染まるはずなのに「染まらない」ということは起こりえますが、そういうのとは別ですよね。
1次抗体の特異性に問題があるのでしょうか・・・。でも、それではA教授が分与くださる抗体を間違えたか、保存や輸送の過程で特異性を失ってしまったかのどちらかということになってしまいます。うーん。。。

>一般的なブロッキング(正常血清やBSAなど)は必要ないですか?
うまく説明できていませんでしたが、使ったキット内のブロッキング用試薬には、正常Goat血清が含まれているはずです。この正常血清中の、抗体のFcによりFcRが、アルブミン等によりその他の吸着がブロックされていると考えていますが、不適切ですか・・・?

>一次抗体の希釈率を高くするとか、反応時間を短くするなど、条件を振ってみるのが常法でしょう。
希釈率は500~40000倍近くまで、また反応時間は室温1時間~4℃o/nの範囲ですでに条件を振ってみましたが、結果はNegativeでした。

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/01/08 13:48

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