No.2ベストアンサー
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● A,B,C,Dを化合物とします。
A + B → C + D
このような反応が有ったとします。
変化の早さ;例えばAの濃度がが減少する早さやCの濃度が増えていく速さを考えれば、化学変化に速度という考え方を使うことができるようになります。
このような分野を『反応速度論』といいます。
ここでは化学反応は、気体や液体で『熱運動をしている分子同士が空間でぶつかり、その運動エネルギーを化学結合の組み替え=結合を切り、新しい原子の組合せで結合をしなおす』という過程で化学変化を考えます。固体の場合も考えられますが、これは固体表面での吸着という固体表面での現象を取り入れることで同じように考えることができて、これは特に触媒反応などで必要になります。
まずは、気体または液体の場合で考えることにしましょう。
●衝突の頻度
上のような反応が有ったとします。
AやBの分子が反応容器の中を走り回っているというがの気体や液体のモデルです。
ここでAの1分子に注目します。これが反応容器の中をある距離走る場面を考えて、その間にBとぶつかる回数を考えます。そうすると・・・実際に何回ぶつかるかはAの大きさ(衝突断面積とかいう)などを考えなければ求められませんが、少なくとも周囲にBが少なければ衝突回数は少なく、その2倍Bが有れば2倍の衝突回数が有り、・・・周囲にあるBの個数に比例することはわかると思います。
従って、
1個のAがBとぶつかる回数∝周囲のBの個数,正確にはBの濃度
となります。濃度としたのは、同じ個数でも広い場所と狭い場所で違ってきますから、同じ体積あたりに何個有るか=体積モル濃度に比例するというほうが正しいですね。(∝;これは『比例する』の記号です。)
次に、容器の中に存在するA全体ではと考えると、1個で上の関係が成り立ったのだから、Aの個数倍すればよいことになります。これも比較するためには同じ体積で無いと困りますから、体積で割って、Aの体積モル濃度と考えます。
容器の単位体積中でAとBが衝突する回数∝Aの濃度×Bの濃度
となります。
濃度は[A]、[B]のように書くので、速度の記号をv,比例定数(反応速度定数)をkとすると,
v=k[A][B]
と書くことができます。
この場合に、[A]について1次式、[B]について1次式なので、これを合計して2次の反応速度という風に表現します。
実際の反応はこの考え方で非常に良く説明ができます。
ところで
2HI→H2+I2
の反応が有ったとします。この場合は、おなじHI同士がぶつからなければならなくて、
v=k[HI][HI]=k[HI]^2
になりますね。この場合も2次の反応速度といいます。v=k[HI]では無いので注意してください。(原子核のように自発的に分裂する場合には1次になるでしょうが。化学反応ではやはり衝突しあうということが前提です。)
実はこのようにぶつかり方が問題で、同時に3個とか4個ぶつからなければ反応が起こらないという場合も考えられます。そのときはその同時にぶつからなければならない物質の個数をn個とするとv=k[A]^nになり、n次の反応速度になるはずです。
反応の速度には、このように化学反応の反応物質と生成物質というはじめと終わりだけではわからない、『途中の反応の過程』が影響することがわかりますね。
逆にいうと、反応速度を調べると反応の途中経過の情報が得られるということです。『反応速度』から『反応の仕組み=反応機構』がわかるということになります。反応物質から生成物質まで変化していく過程がわかるようになり、その各段階の1つ1つの反応を『素反応』といったりします。
もっと進むと、たとえば人間どうしても頭同士でぶつかると痛いけれど、おなかと頭ではあまり痛くない。体の小さな人はぶつかることは少ないが、体が大きいとぶつかりやすいだろう。
分子の大きさがどれぐらいか。どことどこがぶつかるか。同じ走っているもの同士でも正面衝突か・後ろからの追突か・・・立体因子
ぶつかるときの速度はどれぐらいで、分子の化学結合がどれぐらい持ちこたえるか・・・気体分子運動論と活性化エネルギー;反応熱や温度の影響
などを取り入れなければなりません。
高校ではそのうちの濃度の部分、特に可逆反応での化学平衡(ル・シャトリエの法則)だけを勉強すればよいことになっています。(化学IIでは活性化エネルギーとの関係も触れることが有りますが・・・)
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