一般にスペースプレーン等の燃料として
よく「水素」が取り上げられてるのですが、
これが、さっぱりよく分かりません。
これって一番軽い元素ではないですか。
MV=M’V’という運動量の方程式から言って、
もっと「重い」元素を使った方がいいと思うのですが。
特にマッハ5~15あたりのスクラムジェットエンジンに
なんで「水素」を使うのかさっぱり理解できません。
そんな軽いもの使ったらバックファイヤーになるの
当たり前じゃないですか。
超音速下においての物性を考えたら「水素」はダメと思うのですが、
なんで「水素」にこだわっているのか
理由を知っている方いましたらお知らせください。
尚、N+O→NOxというのもあり、な気がします。
(環境的には問題ありますが)
たいした推力にはならないでしょうが
この場合、燃料はいらないですね。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
このように丁寧にお礼をいただけると、回答する側としても、このコーナーの持つ意味が活きてくると思います。
お礼をいただき、こちらこそありがとうございます。
ほぼ書かれている通りですね。但し、現時点での科学技術で解明されている範囲での話です。
私はこの「科学」だとか「物理」だとか言う世界を、できる限り専門用語を使わず、数式などを使わず説明させていただいています。
専門外の方に説明して理解していただく技術も大切だと感じて、ここへ参加させていただいています。
最先端とまでは行きませんが、そこそこの技術を使って、日々新しい技術を構築する仕事をしていますが、決して断言できる事柄はありません。
私自身も、現在の科学技術は信用していません。科学技術に頂点はなく、今はその過渡期なわけで、そんな中途半端な技術を過信しての技術は危険だからです。
万一想定外なことが起きても、安全率の範囲の中であれば事故にならないであろうと言う判断で、科学技術は日常で応用されています。それが現実なんです。
しかし可能性があれば我々は困難に立ち向かいます。デメリットが大きくても、ひょっとして何か別の可能性がそこから見つかるのでは・・・で、「マイナス100パーセント」と表現させていただきました。
何事も、実行せず否定はできない。また実行することで、その先にあるであろう未知の世界で新しいものに出会える可能性と言うものを信じています。
「専門家」と言えども、「オタク」なわけで、幼児並の好奇心の持ち主なわけです。
質問者様の推察力はすばらしいと思います。筋を通して論理的に物事を考えることは大切な思考実験の一つだと思います。
自分なりの理論に疑問を抱き、他人に聞くにしても自分の主張を強制することなく他人へ伝えて考え方の是非を請う。科学に対して正しい姿勢だと思います。自然現象を客観的に見ることができる方だと感じます。
お礼の文にありました、問いかけの形で事柄は、ほぼ間違いない考え方だと思います。但し、今現在での話ですよ。
科学技術の世界は、決して断定できるものではないことも認識くださいね。
mazeran様
とんでもない賛辞をいただいてしまったようで、恐縮しております;;
どうも、ありがとうございます。
しかし、私の不安(みたいなもの)まで、若干、当たっていた(今のところは)ようで、
その点、うーん、、と言ったところではありますが;;;
でも、ま、なんとかなりそうですね。
「マイナス100パーセント」以上の期待はなんでもありそうですし。
ご健闘をお祈りいたします。
私も、できる範囲で、がんばってみます;;
No.4
- 回答日時:
No,1,3です。
>「経済的な壁」でしょうか?
「物理的な壁」と書きましたが、「技術的な壁」の方が正確かも知れません。
やはり超音速の流れの中で、安定した燃焼をさせるのは大変に難しいようです。
空気抵抗の方が大きくなり、「正味推力」がなかなか出せないなどの問題があるようです。
御存知かと思いますが、「科学技術」と言うのは日進月歩で常に変化しており、主に「学者」や「技術者」を中心としたチームが行っています。
ですから今日は「常識又は証明された理論」であっても、明日は「間違い又は新しい理論が発見される」と言うことは少なくないです。
ですから科学技術は絶対に過信してはならないわけです。
そういう意味で、今は壁となる問題も、明日は解決できているかも知れないわけで、みんな動いているんです。
可能性がマイナス100パーセントでない限り、明日は明るいです!。
水素については、燃料としてのメリットがある、及びそれしかないと判断されてしまえば、あとの問題はなんとかしようと言う方向へ動きます。
ですから実用化されれば、「水素」と言えども安全性を確保された管理・運用方法となります。
但し、今の技術ではまだ難しい技術ではありますが・・・。
最後の質問についてはその通りです。
燃料を燃焼させるのは、高温・高圧のガスを作り出すためで、その圧力と流速の反作用で推力を生むわけです。
その高温・高圧のガスを、超音速の流れの中で作るための技術開発がされているんです。
従って燃料の質量と言うのは、推力を生む過程で大きな影響は与えていないと言うことです。
mazeran様、
再々再度のご回答、本当にどうもありがとうございます!!
お手数をおかけしてどうもすみませんでした;;
>可能性がマイナス100パーセントでない限り、明日は明るいです!。
この言葉はうれしいです!なんだかホッとします。希望が持てます。
「0パーセントでない限り」でなくて「マイナス100パーセントでない限り」が実に良いですね!
「推力」に関して・・の部分は、まだ続きが合ったのですが、
長くなりそうなので、もし回答がありましたら書いてみようかと思っていました。
「飛行体よりも速いスピードの分子を作り出す」ためには、
もし、気流が、マッハ15で流れていたとすると、
マッハ15以上の速度(秒速5kmくらい)で、爆発(分子の拡散)が起きなければならないということになりますね?
で、調べ方が悪いのか、はっきり良く分からなかったのですが
水素:酸素の混合気体でも、爆速は秒速3kmくらい、水素:空気のだと、秒速2kmくらいに見受けられたりしたのですが;;
それから「メタン等に比べると水素は燃焼速度が1桁大きい」とか書かれたりしていますが、
そういうのは、常温、常圧、無風の場合の話ですよね?
秒速5kmで、常時空気分子が衝突してくる空間ですと、
電子がバラバラに剥ぎ取られてしまっても、おかしくないんではないかと思い、
もしそういうことが起きているとすれば、
炭素だったら水素の6倍のクーロン力でもって、再結合(燃焼)が行われるのではないかと、
つまり、そういう環境だったら、物質の燃焼速度もかなり変わってくるんではないかと思ったりしました。
などと言う事を考えたりしております。
もっとも、そういった関係の仕事は一切しておりませんので、
いつも「考えるだけ」で終わっておりますが;;;
どうもすみません;;;
No.3
- 回答日時:
お礼をありがとうございます。
>・・・撤退・・・
結局コストと技術の問題があって、「費用対効果」が薄いのだろうと思います。
超音速の中での「燃焼」と言う技術を安定して確立するには、莫大な費用がかかるようです。「物理的な壁」のようです。
そこにお金をかけるくらいなら、最初からロケットエンジンを使った方がコスト面で、まだメリットがあるだろうと言うことだそうです。
>シャープペンシル・・・
私は「学歴」ではなく、現場の叩き上げで「技術者」から学位を取りました。従って、狭視界や固定観念の塊になっている専門家よりも、無邪気な子供のように自由な発想を持った専門家以外の方からの意見の方が、新しい発見や発明の切っ掛けを作ってくれると経験的に思っています。
学歴を表に出す専門家の中には、往々にして、理論で刎ねてしまいますが、その「理論」自体が本当に正しいのかと言うこともあります。
なので、このシャープペンシルの案にしても、無下に否定はできないと思います。
費用をかける価値が少しでも見つかれば、実験を行うべきだと思います。思わぬ効果が発見される可能性は決してゼロではありません。
だいたい、行いもせずに否定する、或いはできない理由を作り上げるのが、今の専門家の世界には大変多いと感じています。
・・・と書きながらも、私のところで設備や規模では大変難しいですので、ご容赦願います。
さて、一番の問題の部分ですが・・・
No、2の方も書かれていた方程式。勉強不足なのか、大変申し訳ないですが私は初めて見ました。
通常のジェットエンジンでは確かに燃料を噴射しますが、ライターの火に息を吹きかけると消えてしまうように、ジェットエンジンの中で同じようなことが起きればエンジンとはなりません。
燃料が持つ「熱エネルギー」でエンジンとして機能するので、燃料を燃焼させるために「保炎領域」と言うのがあって、言ってみれば台風の中でライターの火を保たなければ、ライターのガスの熱エネルギーを利用することができません。
燃料はあくまで熱エネルギーだけを生むものと言う認識しかありませんでした。恥じをさらすようですが、認識を改めます。
超音速の流れの中での「保炎」は難しく、燃焼速度の最も速い「水素」を使うのが一般的だと考えていました。極端な例として、燃料の噴出方向は、ジェットの噴出方向でなくても「保炎」を優先と考えていました。
なので当初の質問の答えとしては、燃料は噴出速度を考慮する必要はなく、熱エネルギーを有効に利用するためには、超音速の流れの中での保炎領域で安定した燃焼させるためには、燃焼の伝播速度の速い水素しかないと言うことが言いたかったわけです。
でもこの燃料の重量に関する項の値は、桁違いに小さいので近似的には「0」としても問題ありませんね。
この回答への補足
再度のご回答、どうもありがとうございます!
ありがとうございます!
>・・莫大な費用がかかるようです。「物理的な壁」のようです。
>そこにお金をかけるくらいなら、最初からロケットエンジンを使った方が・・
「経済的な壁」でしょうか?
しかし、そもそも「スペースプレーン」が宇宙への重量輸送コストを大幅に下げるために考えられたことからすれば、
(これを認めてしまうと)全面撤退に近い事になってしまいますね;;
軌道エレベータというのも、当面見通しが立たない気がしますし。
(もっとも仮に「軌道エレベータ」が出来たとしても、「スペースプレーン」は絶対必要と思いますが;;)
「スクラムジェットエンジン」は「スペースプレーン」の核心部分ではないかと思います。
大気と宇宙を繋ぐ部分であり、マッハ5からマッハ15までの一番重要な加速を担う部分ですね。
実は、その燃料に、生の「水素」を使うのはどうか、と思ったのは、
「費用面」「安全面」「貯蔵/運用面」から言って、ホントに大丈夫なのかと考えたところがあります。
「水素自動車」程度の量でしたら、そんなに問題無いと思うのですが、
これほど大量に使うとなると、通常の飛行場で運用することは、ちょっとムリがあるのではないかと;;
★物理の質問に戻します。
「推力」に関して基本的なことですが、
簡単に言ってしまうと、飛行体に対して「前方に」力が働くということになりますね?
マクロに見れば、それは「圧力」ということになるのだと思いますが、
ミクロに言えば、飛行体よりも「前方に」進む分子が担っているということになりますね?
(「前方に」進む分子が飛行体と衝突することによって圧力が生じる)
つまりは、燃焼室で燃焼させる理由は、
熱運動によって、飛行体よりも速いスピード(全体の流れから言うと逆方向)の分子を作り出すところに意味があるわけですね?
「燃焼の伝播速度」とか「保炎」とかの問題は、
最後はここに行き着くと考えてよろしいでしょうか?
No.2
- 回答日時:
ご専門の方の回答が出てますので蛇足ですが、
スクラムジェットエンジンに水素が使われる理由はここ↓にも
書かれています。
スクラムジェットエンジン Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF% …
運動量の方程式から、という観点ですとロケットでは確かに
燃料とその排出速度そのままですが、ジェットエンジンと
して見た場合、推力の公式 :
F=Wa/g・(Vj-Va) + Wf/g・Vj + A(Pj-Pamb)
Wa 、Wf :空気と燃料の重量
Vj 、Va :排気と吸気の流速
A :排気部面積
Pj 、Pamb:排気圧と外圧(大気圧)
...で、おっしゃる通り、中央の項は燃料質量を加速した分
の推力であり、ここを増やせば推力も増しますが、他項が占める分
がもっと大きいために問題となってないのではないでしょうか。
高高度飛行とでは単純比較は出来ませんが、一般のジェット機では
燃料の加速による推力は、空気によるそれと比べて静止時に至っては
数パーセントしかありません。数十~数百:1のガスタービンエンジン
の空燃比を考えればそうなる訳です。水素を使ったラムジェットでも
同様のことが言えるのではないでしょうか。つまり燃料分を倍にした
としても影響は少ないということで、これも燃料に質量の重い物質を
使っていない理由の一つでしょう。それ以上のメリットが優先されて
水素を使っている、ということだと思います。
No.1
- 回答日時:
水素をそのまま噴出して、その反動での推進であれば方程式は成り立つかも知れませんが、「内燃機関」である以上、燃料が持つ「熱量」が問題となります。
加えてスクラムジェットは、超音速の中でも最高速の部類になるため、燃料の「燃焼速度」も大きなカギとなります。
音速を超えてくると、大気圏に再突入する宇宙船のように空気の圧縮による熱も膨大となり(空気との摩擦による熱は極微量です)、通常のジェットエンジンで使われる「ケロシン(灯油とほぼ同じもの)」を使用すると、その熱により燃料としての効力がなくなる「熱分解」を起こします。
そこで燃焼の伝播速度も熱量も大変大きな「水素」が使われたわけです。
水素を液体にして使用することで、ロケットエンジン同様、燃焼室やノズル部分の冷却にも使うことが可能となり、まさに一石二鳥になるわけです。
スペースシャトルのメインエンジンも水素を使っています。単位重量当たりの熱量が最大となるので、構造も管理も複雑になりますが「効率」としては恐らく最大になったはずです。コストを下げようとすれば、猛毒のヒドラジンを使いますが。
水素を使う理由は、これ以外に地球上には存在しないからです。
しかし、あらゆる面でメリットが大変大きいからです。
「熱力学」の上で理想なわけです。
この回答への補足
わざわざご回答、丁寧なご説明、どうもありがとうございます。
ただそもそも、私がこのような質問をしましたのは、
こちらでいろいろWebを見た感じからして、世界的に
スクラムジェットエンジンの開発(=本来のスペースプレーンの開発)から撤退しようとしているのではないかと感じたからです。
なぜでしょうか?
それから「MV=M’V’という運動量の方程式から言って」
と書きましたのは、「飛行体と噴射物の関係」だけでなく、
燃料自体が、0(燃料噴射直後)から超音速スピードに達するまでの
時間のことも含めております。
重いほど、燃焼室にとどまる時間が長くなるのではないか(推力が有効に働く時間が長くなる)ということです。いくら熱量が多くても、それが有効に働かなければ意味がありませんし。
このあたりはどうなのでしょうか?
あと、冗談みたいですが、シャープペンシルのように
超音速気流中に、(たとえば)炭素棒を順次突き出してみる、
などというのを考えてみました。
こういうのは可能性としてどうなのでしょうか?
「固体燃料」ということになりますが。
いろいろすみません;;
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