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私は今、AD-AS曲線について勉強しているのですが、いくつか分からない事があるので質問させて下さい。

まずはAD-AS曲線の「物価は変化するが、賃金率は一定」という原則です。これは、ケインズの「物価は下方硬直的、賃金率は下方硬直的」という原則と相容れないものだと思うのですが、AD-AS曲線は誰が考案したものなのですか?また、その人は古典派かケインズ派か気になります。

次に、AS曲線についての質問です。AS曲線は労働市場の均衡を表しているそうですが、P×MPL=W(Wは一定)という企業の労働需要の式があれば曲線が導けます。この事から、「企業の労働需要がどれぐらいあるか」だけが均衡にとって重要であり、労働供給は需要に左右されるから無視しているように感じました。この考えは正しいでしょうか?

さらに、AS曲線についてもう1つ質問があります。AS曲線は通常右上がりですが、それはP×MPL=W(一定)から求められます。Pが下方硬直的というケインズの仮定が取り払われているのは分かりますが、Wが一定という考えは上方にも硬直的でないと成り立たないので、ケインズの考えとも少し違うのでは?と思いました。

以上3つの質問について、少々長くなってしまいましたが、答えて頂けるとありがたいです。

A 回答 (3件)

>2です。


 「賃金だけ硬直で、価格は変動」というより、労働市場で強調されているのは賃金の「下方硬直性」です。
 ケインズモデルは、物価も名目賃金も伸縮的だけれども深刻な失業が発生している経済、というのを説明できるような組み立てではありません。
 ケインズ自身は労働組合の存在によって、今なら規約や法制度の存在によって、現行名目賃金の引き下げには少なからぬ抵抗があり、そこが他の市場と労働市場の大きな違いであり、つまり名目賃金には下方硬直性があるという説明だと(私は)理解しています。 
 ここでいう下方硬直性は、最低賃金と捉えた方が早いのかもしれません。 最低賃金より幾分高い水準であれば、名目賃金が下落を含めて変動することは、ケインジアンでも否定してはいないでしょう。たとえば、賃金変化率と失業率の関係を示すフィリップス曲線を、物価上昇率と失業率の関係に置き換えて物価決定のモデルとして取り込んでいます。ですから、名目賃金も物価も、スピードの違いこそあれ変動することは想定されていて、かといってそれは名目賃金の下方硬直性とは矛盾しないと思います。
 既にご承知かと思いますがケインズの労働市場に関して資料をつけておきますのでご参考まで。

 


 
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この回答へのお礼

返信遅れてすいません。最後にもう1度、確認させて下さい。

つまり、P、Wともに長期的には可変的という事ですよね。(逆を言えば、P,Wともに短期的には固定的という事も言えると思いますが。)

また、Wには最低賃金という物があり、「最低賃金より下には下がらない」という意味で下方硬直的という事でしょうか。AD-ASの場合は不況かつ長期的なケースを考えているため、Pは可変であり、Wは一定(不況で賃金が最低水準まで下がっている)と考えてよろしいでしょうか。また、ケインズの一般理論では不況且つ短期的なケースを考えていた為、PもWも一定という事でしょうか。

お礼日時:2009/06/22 23:47

AS曲線について


 労働需要量ND、労働供給量NSとします。
 特にND<NSであるとき、古典派は価格調整が行われ均衡するとしましたが、ケインズは現実問題として名目賃金率には下方硬直性があり、その不均衡は解消されないとし、NS-NDの供給超過を非自発的失業としました。これは逆にいえば、NDの水準までしか雇用できないということであり、物価が上昇して非自発的失業が解消されるまでは、労働需要の水準がそのまま労働投入量Nになって生産高Yを決定すると考えてよいのではないかと思います。したがってケインズモデルのAS曲線の導出では、完全雇用に至るまで、「企業の労働需要がどれぐらいあるかだけが均衡にとって重要」だと思います。
 物価が上昇すれば、(縦軸を名目賃金率とした)労働需要曲線は右上方シフトし、名目賃金率が一定であっても労働投入量が増加して生産高も増加します。この関係は非自発的失業が解消し完全雇用に至るまで続くと解釈できます。それでAS曲線は右上がりに描くことができます。
 あと、名目賃金Wが一定Wzというのは、Wzを下回ると労働供給が行われないと考えてのことで、Wzを上回るとき労働供給がどうなるかということとは別個に解釈した方がいいです。Wzを上回るところからは、古典派の右上がりの労働供給曲線が復活すると説明しているのが多いと思います。
 追記
 ここらへん誰が考えたのか知らなかったのですがこの質問とNo1さんの回答で今回初めて知りました。勉強になりました。


 
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この回答へのお礼

お答えありがとうございます。

やはりケインズ派の場合は超過供給が生じるようなケース(=不況)を扱っているため、労働需要の水準のみを考えれば良いのですね。

「あと、~思います」の所までに関して、質問があります。Wは労働市場の価格、Pは財市場の価格という事を考えると、不況ならば両価格とも硬直的にならないといけないのでは?と思ってしまいます。

また、好況ならば両価格とも変動的になるべきでは?とも思いますが、「賃金だけ硬直で、価格は変動」という考えについて、もう少し詳しく教えて頂きたいです。

お礼日時:2009/06/17 00:21

1.AS曲線のオリジナル


・誰か忘れましたが、アメリカ・ケインジアンの人だと思います。もともと、ケインズは図式化した説明はしていません。短期の物価一定の世界でしか一般理論を書いていませんから。それを物価が動いた場合に一般化したのはアメリカの学界です。
2.AS曲線
・正確にいえば「労働市場の均衡条件の下での生産と物価の関係」がAS曲線です。労働需要LDは限界生産力が実質賃金と等しいところできまります。労働供給LSは実質賃金が労働の限界効用と等しくなるところできまります。LD=LS=L*となる均衡産出量が生産関数Y=f(L*、K)で決まります。Kは資本量です。
3.Pの伸縮性
・1でも書きましたように、ケインズ自身はAD-AS分析のような分析を行ってはいません。大恐慌の際の物価が変動しない時期における短期の均衡を問題にしているからです。
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