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総需要曲線は、物価上昇が利子率上昇をもたらし、投資を減少させるため右下がりの曲線になると聞きました。
「単なる需要曲線は、代替財が存在するため右下がりになっている一方、総需要曲線についてはそのような説明ができない」というのはわかりますが、代替財を登場させなくても
「総需要が増加すると、経営者は利益拡大のため財の価格を上昇させる」というのはごく自然に思えます。
なぜこのような説明ではいけないのでしょうか?

A 回答 (3件)

No1で


「総需要曲線はなぜ右上がりなのかという問いにたいする答えにはなっていない。」
と書いたところはもちろん
「総需要曲線はなぜ右下がりなのかという問いにたいする答えにはなっていない。」
と直してください。

No2のモデルを見てください。一般に式は複雑な非線形な式なので分かりにくい。簡単化のため(4)-(6)の各式を線形で近似して総需要曲線を導出してみよう。(4)-(6)を一次式で近似すると
(4') C=Co + cY
(5') I=Io - dr
(6') M/P = Lo - ar + bY
となる。左辺の、Co,Io,Loはすべて正の定数、各係数c,d,a,bも正の定数とする。(4')と(5')を(3)に代入し、整理すると
Y=(Co+Io+G) + cY -dr
よって
Y=(Co+Io+G)/(1-c) - dr/(1-c)
これをrについて解くと

r = (Co+Io+G)/d - (1-c)Y/d
となる。一方、(6')は
P = M/(Mo - ar + bY)
となるから、左辺のrへ上で求めたrを代入すると

P=M/[Mo -(a/d)a(Co+Io+G) + (b + a(1-c)/d)Y]
となる。これが、総需要曲線。Pを縦軸に、Yを横軸にとると、右下がりの曲線であることがわかる。Yが大きな値をとると、右辺の分母は大きくなる、よって右辺は小さな値をとる。つまり、総需要曲線は右下がりの曲線とであることがわかるのだ。
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この回答へのお礼

非常に丁寧なご解説、誠にありがとうございます。
なるほど、総需要曲線は(4),(5),(6)の条件式から導かれる曲線だったのですね…
大変勉強になりました。
ありがとうございました!

お礼日時:2022/09/18 01:18

No1の補足です。

No1だけでは不親切なので、もうすこし説明を加えよう。
(閉鎖経済の)ケインズモデルは
(1) Y=F(N)
(2) W/P=F'(N)
(3) Y=C+I+G
(4) C=C(Y)
(5) I=I(r)
(6) M/P=L(r,Y)
の6本の式からなる。(1)は生産関数。YはGDP(所得)、Nは雇用量で、(1)は雇用量NとGDPの技術的関係をあらわしている。(2)は各企業は市場で決まる実質賃金W/Pを労働の限界生産性F'(N)に等しくなるようにNを選択することを示し、雇用の需要関数をあらわしている。この条件は競争市場で各企業が利潤最大化行動をとることから導かれる(なぜ?)(3)は財市場の均衡条件。(4)は消費関数、(5)は投資関数。(6)は通貨市場(裏側は債券市場)の均衡条件。左辺は実質通貨供給量、右辺は通貨の実質需要は利子率rとYによって決まることを示す通貨の需要関数。なお、(3)の右辺のG(政府支出)も、(6)の左辺のMも政策変数で外生(外から与えられる変数)。(2)の左辺のWはケインズ・モデルでは硬直的で、短期的には変化しない定数。内生変数(モデル内で決定される変数)はY,N,P,C,I,rの6個で、6つの方程式に対して6つの(内生)変数なので、原則的に解けることになる。
(1)と(2)からNを消去し、YとPの関係を導けば、総供給関数を得るし、
(3)-(6)の4つの式からrを消去し、YとPの関係を導けば、総需要関数を得ることになる。総供給関数と総需要関数を連立させて、PとYについて解くと、それらの値が均衡のGDPと物価水準を与える。
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>「総需要が増加すると、経営者は利益拡大のため財の価格を上昇させる」というのはごく自然に思えます。


あなたの説明は、総供給曲線が与えられたとき、総需要が増加したら(総需要曲線が上ににシフトしたら)均衡におけるGDPと物価をどうなるかという問いにたいする答えだ。総需要曲線はなぜ右上がりなのかという問いにたいする答えにはなっていない。
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