No.3ベストアンサー
- 回答日時:
既にご自身で結論が出ていますね。
一番の答えは、その設備投資が完了しての下りです。
半導体は、最先端の微細化技術(露光技術)や表面加工技術と絶縁技術(金属の配合技術)が使われます。1つの半導体工場を建設するのに掛かる費用は、現在開発中(一部生産開始中)の32nmで数千億円がかかります。
それで減価償却するには、かなりの利益率で大量の半導体を販売しなければいけません。そのため、最先端プロセスを用いる最高級の半導体(CPUの最上位モデルや高性能で信頼性の高いサーバCPU、最大容量のメモリ)は、その大半が減価償却を目指すための利潤になります。
実際単価は、シリコンコストとその製造コストに歩留まり(欠陥率)を考慮した金額ですから研究開発と工場建設や改修に掛かる費用が万が一無くて、工場が休みなく稼働していれば、そんなに高くはありません。ワンチップで換算すればかなり安いものもあります。
もし、減価償却が完了すれば、そこから先は原価割れしない限りは利益ばかりが生まれます。高くプレミアを付けられる商品なら凄まじい利益が出ます。これがまず一つ。一番大きな時間と共に下がる要素です。
もういくつかあります。
半導体の欠陥率は、複雑で面積が大きな半導体ほど大きくなります。具体的に言えば、米粒ほどのチップと、子供手ほどのチップでは、欠陥率は後者の方が高いのです。これは、シリコンウェハの均一性の問題や、製造工程の複雑さなどいくつかの要素によって、大きいほど欠陥率が上がるためです。
さらに、半導体はウェハと呼ばれる鏡面処理されたシリコンの板から何枚~何十枚という半導体として切り出されます。ウェハの大きさは決まっていますから、米粒大の半導体と手程であれば、米粒大の方が一つのシリコンから沢山取れる計算になり、コストが下がるのです。ウェハの端は面積が足りないなどの理由で切り落とされることになりますから、その分同じ単価で売れば、利益が出にくくなります。そのため、大型なLSIは高く売られるのです。
これらを歩留まりと言います。
基本的に、半導体は小さくなればなるほど上記の理由で安く製造できますから、コストは下がるのです。ただし、ラインを新設した直後などは、大型な製品を中心に製造されますから高めとなります。
最後の価格を落とす工夫は、その高価格な新技術で極力単価上昇を抑えるために、欠陥品と判別されたものに関して、欠陥部分の機能を止めて、廉価品として販売する手法です。これはロジック系のCPUなどに多いのですが、例えばDualCoreプロセッサの一方のコアに障害があり、他方は全く問題なく動作するなら不具合のある片方を使えない状態でシングル品として安く売れば、捨てずにお金に換えることができます。そうすることで、償却期間を短くできるのです。
これらが、重なると安くなります。
尚、需要と供給はまた別の問題で経済活動の変化によって生まれる物です。不景気になり在庫がだぶつけば在庫を保管する倉庫などのコストが掛かるため、赤字でも売り切った方が安くなります。これは、半導体が時間と共に高性能にそしてより安くなる理由ではなく、経済的な要因によるものです。
あなた様の回答は完璧です!!
さらっと読んだだけでは理解が難しいところがあるのですが
その辺は勉強しながら理解に努めたいと思います。
本当に助かりました。
ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
一言で分かりやすく書くと、車と同じ。
マイナーチェンジやモデルチェンジで、新しくて性能が向上し安いのが次々出てきますから、、、、、
イメージし易い回答をありがとうございます。
端的に言えば、クルマと同じなわけですよね。
そう考えれば、納得しやすいですよね
どうもありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
半導体屋です。
技術の人間ではありませんが、基本的に以下のようなことで、生産コストを抑えてより多くの収益が得られるようになります。1.製造技術の地道な改善で、歩留まり(良品率)が良くなる。(不良品として廃棄するものが減る。)
2.製造設備の向上による微細加工(プロセスルールのシュリンク)が可能となり、ICに必要な面積が小さくなり、同じウェハから生産できるICの個数が増える。
3.製造装置の大型化で、大きなウェハ(6インチ→8インチ→300mm)で生産できるようになり、同じ手間で一度に生産できるICの数が増える
回答をどうもありがとうございます。
分かり易い補足を記載頂いたので半導体の素人にも
理解しやすい内容で感謝致します。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
理由は主に下記の点です
・開発費用や初期投資費用の回収が終わる
・生産を重ねることで歩留まりが良くなる
・よっぽど特殊な物でない限り、後続の互換品や相当品が出てくる
(後から出てくる物はより高機能、低価格でないと競争できない
→よりコストパフォーマンスの良い後継品と競争するためには
コストダウンせざるを得ない)
・プロセスルールのシュリンクなどで材料費が減る
・パテントが切れる
早速の回答をありがとうございます。
下がる要素を簡潔に表記して頂き非常に分かり易いと思えます。
パテント切れで安くなる・・・というのも全く新たな視点で
目から鱗でした。どうもありがとうございました。
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