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残留応力がほぼゼロの金属板材を曲げ加工した後の
凸部は圧縮応力
凹部は引っ張り応力
になると聞きましたが、これは曲げ加工方法によらず、
すべての場合で成立するのでしょうか?

A 回答 (2件)

力学的には、成立します。


(曲げ加工方法で、別種の残留応力が発生しない、という条件です。)

添付図で、板に曲げモーメントをかけていくと、弾性限界(≒耐力)までは、応力は、断面で線形分布します。(左図、黒の実線)

これを過ぎて、曲げモーメントをかけ続けると、表面部では降伏が生じて、塑性域に入っていきます。(中図、黒の実線)
中図で、青線は、材料が降伏をしないと仮定した場合に、発生する弾性応力分布です。要するに、線形分布します。

さて、中図の段階で除荷すると、板は塑性変形分だけ戻ることができません。
この時の応力分布は、イメージ的には、中図の黒線から、青線を引いた値を持つ線になります。要するに右図の赤線です。
表面には、負の残留応力が生じることがおわかりいただけますか?
「金属板材加工時の残留応力について」の回答画像1

この回答への補足

回答ありがとうございます。
追加で質問になってしまいますが、よろしければお答え下さい。

残留応力がほぼゼロの金属板材を曲げ加工した後、力学的には
凸部は圧縮応力、凹部は引っ張り応力となることは、わかりました。
では、曲げ加工した金属板材に外力が加わらない場合、応力腐食割れや疲労破壊は、引っ張り応力が作用している凹部から亀裂が生じ、破壊すると考えて良いのでしょうか?

補足日時:2009/11/10 09:48
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では、リクエストにお応えして!



応力腐食割れについては、私は板金で起こった場面に遭遇したことがないので、理屈でしか言えませんが、多分そう(=引張応力が作用している凹部から亀裂が生じる)でしょうね。

疲労破壊については、あなたの「外力が加わらない場合」という仮定の下では、疲労が発生するわけがないので、今の議論の対象外です!
というイジワルは、やめにして。。。

以下、振動などによって、曲げを発生させる繰り返し荷重が作用した場合を想定して、話を進めたいと思います。

低サイクル疲労だと、新たな塑性を発生させるような大きな繰り返し荷重が作用するので、残留応力は、なまってしまって、凹部凸部関係がなくなります。応力集中すらほとんど関係がなくなり、結果的に残留応力のない平板と考えても一緒です。

高サイクル疲労だと、残留応力との重畳現象が起きます。
両振り荷重であれば、凹部には、これによって発生する”応力集中付き!”の繰り返し応力に加え、引張りの残留応力が平均応力として作用するために、設計時に繰り返し応力だけしか考慮しないと、予想よりも早く疲労破壊を起こしてしまうことがあり得ます。

凹部は、応力集中がなく残留応力がマイナスの凸部に比べると、条件はかなり悪いと言えます。

なお、中図、右図において、青線は実際には直線ではなく、凹部においては応力集中を起こし(青線よりも大きくなり)、凸部においては青線よりも0側に低くなるようなカーブになります。したがって、残留応力も、凸側より凹側の方が高くなります。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2009/11/12 09:13

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