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要件事実マニュアル下巻において、約手における振出人への請求の要件事実が、(1)被告の手形への署名、(2)手形に手形要件の記載、(3)形式的に連続する裏書のある手形の原告所持となっており、これは、判例の理論に基づくものとの解説があります。

そして、各種予備校本(伊藤真など)によれば、判例は、手形理論について、交付説をとっていると考えるのが一般的とのことです。また、商法判例集における当該判例の項を読むと、当該判例の少数意見が創造説をとっているとありますから、最高裁多数説は、交付説か契約説をとっているものと考えるのが普通と思われます。

とすれば、要件事実マニュアルは、交付説(または契約説)にのっとって、この要件事実を導き出したと考えるのが素直かと思います。

しかし、そうであるならば、なぜ、手形の交付、または、手形契約が請求原因にないのでしょうか?
発行説であれば交付が、契約説であれば契約成立が、手形債務の発生要件に含まれると思うのですが…
それとも、要件事実マニュアルは、最高裁少数説の創造説に従っているのでしょうか?

当方は初学者で、重大な思考の瑕疵があるやもしれません。もしかして、とても馬鹿馬鹿しい質問でしたら、どうぞお許しください。

A 回答 (1件)

交付契約説にたっても、形式的に裏書の連続した手形を所持していれば適法の所持人と推定(手形法16条1項)されるとともに、適法の所持人である以上、その手形が有効に交付されたことも推定されるからです。



よって、交付欠缺により効力発生要件を欠くことを抗弁として主張することになります。

実体法上の効力発生要件だからといって、それを全て効力発生を主張する者が主張しなければいけないわけではありません。

二段階創造説を取った場合は、交付欠缺があったとしても、16条2項により手形権利が善意取得されるので、交付欠缺だけでは抗弁になりません。
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この回答へのお礼

ご丁寧な回答、ありがとうございます。
16条1項ですね。
とてもよくわかりました。

お礼日時:2009/11/27 19:16

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