No.4ベストアンサー
- 回答日時:
#1&#2です。
多少、補足というか、なんというか。より正確にこの件を書くと、
> 貨(お金等)の費消によって費用を認識するというのは現金主義の名残りと考えられないでしょうか。
というよりも、期間損益計算よりも前の、全体損益計算から考えているとしたほうがよいと思います。
仕入から売上までは、必ずタイムラグがあります。
全体損益計算では、企業が解散するまでを一会計期間ととらえるので、仕入が売上に対する費用となるのは問題ないと思います。もしここが捉えにくければ三分法ではなく売上原価法で考えてみてください。仕入は商品の測定であり、売上原価の測定であることが分かると思います。
全体損益計算を、企業の継続性から人為的に期間を区切って行っているものが現在の期間損益計算です。したがって、会計上、仕入勘定で捉えられているものは、決算整理前残高試算表では、仕入は当期に取得した商品の価額であるのに対し、決算整理後残高試算表では売上に対応する売上原価となっています。
また、翌期への繰越商品(商品)は、損益勘定ではなく残高勘定なので、ここへ決算整理で振り替えられるものに関しては費用ではなく、資本の運用形態の一つとなります。
近いものとしては、消耗品費などがあると思います。
期中に費用処理するのであれば、消耗品は当期の購入分は消耗品費として処理されますが、決算整理の段階で未使用部分は翌期に貯蔵品として資産計上して繰り越すことになります。
したがって、
> 仕入のために財を費消した段階で費用として認識(言葉としては発生)している。
これは誤りです。
貨幣資本→商品→売上時に価値費消(=費用)および現金または現金同等物の取得
という流れの中で、仕入は、商品の測定された取得価額にすぎないからです。いずれは同額で費用計上(売上に対する費用だけではなく、棚卸減耗損や商品評価損、他勘定振替高になることもある)されるものになりますから当初から発生費用とみなしている、ということです。
したがって、発生費用の測定原則を取得時の購入代価(および付随費用)に求めているという収支額基準から、仕入が費用勘定となることになります。
この回答への補足
懇切丁寧かつ論旨明瞭な回答有難うございます。
既に20点満点の回答をいただいており恐縮しております。
私の簿記の知識は薄弱ですので、なんともこころもとないのですが、発
生主義における費用の発生を仕訳で考えてみたいと思います。
まず、費用として仕訳される以上は、その費用は発生費用になるはずで
す。
そして、その相手方勘定が財貨・サービスになると考えられます。
固定資産の場合を考えますと、減価償却費にたいして、相手方勘定は固
定資産となります。これは財である固定資産の費消ということで、発生
主義の発生概念に該当します。
役務提供契約に基づく支払費用を考えますと、この相手方勘定は資産
(現金)又は負債(買掛金)となります。
これは貨の費消ということで発生主義の発生概念に該当します。
しかし決算仕訳では当期に該当しない部分については、役務受領債権
(サービス)=前払費用として、資産勘定に戻します。
つまりその部分については、資産又は負債が役務受領債権(前払費用)
に移転したと考えられ財貨・サービスの費消はなかったことになりま
す。
そして、当該部分は翌期に役務受領債権(サービス)の履行というかた
ちで、サービスの費消となり発生費用となります。
仕入取引ですが、この相手方勘定は資産(現金)又は負債(買掛金)と
なるはずです。
つまり、発生主義の発生概念でいえば、貨の費消によって費用の発生と
しています。
しかし、これって実は現金によって費用を認識している現金主義と非常
に似ていると言えないでしょうか?
(当然、買掛金によってタイミングは修正されるわけですが)
これについて、以前の費用の認識基準である現金主義の名残りが、発生
主義という概念のもとに取り込まれていると考えられないでしょうか。
現金主義の弊害は、タイミングのずれと支払時に過大な費用が計上され
てしまうことであると思いますが、買掛金も認めている点と発生費用の
うち対応費用のみを費用として認識して、対応費用以外の発生費用を繰
越商品として、翌期に繰越していることで除去されていると思うので
す。
私が仕入について、商品の費消がないため、発生主義における発生の概
念に該当しないのにもかかわらずに発生費用とすることに矛盾を感じて
いましたが、それは商品という財の費消と捉えようとしたからで、現金
又は買掛金という貨の費消として捉えれば矛盾が解決できると思いまし
た。
No.3
- 回答日時:
> この点が私の疑問の発端なのですが、その資料によりますと当期に売れていない部分は発生費用であるけれども期間費用(対応費用)ではないと考えているようなのです。
この資料の記述は正しいです。
仕入れたものはいずれ売れることが前提です。したがって、仕入れは売上に対する費用(資本の投下)になります。
この場合の期間費用は期間収益(売上)に対応する部分だけなので、当期に売れた部分のみが期間費用になります。
> 確かに、仕入れることは、企業成果を求めるための企業努力といえますので費用でいいのかもしれませんが、「財貨・サービスの費消によってその経済価値が減少する」といことと合致しないように思えます。
費用をこの概念でとらえる流れで考えるならば、仕入とは売上時の価値費消原因事実の発生と考えればよいかと思います。その上で、当期に実現した収益と対応する費用が当期の期間費用とされるわけです。
回答有難うございます。
>>費用をこの概念でとらえる流れで考えるならば、仕入とは売上時の
>>価値費消原因事実の発生と考えればよいかと思います。その上で、
>>当期に実現した収益と対応する費用が当期の期間費用とされるわけ
>>です。
なるほど、原因発生主義の親戚でしょうか、とても興味深いですね。
私も自分なりに以下に考えてみました。
発生主義では費用の発生については、財貨・サービスの費消による経済
価値の減少とされています。
このうち、貨(お金等)の費消によって費用を認識するというのは現金
主義の名残りと考えられないでしょうか。(仕入は貨(お金等)の費消
によって費用を認識している)
逆にいいますと、以前の貨(お金等)の費消による費用の認識(現金主
義)だけでは、弊害があるために、財の費消やサービスの費消によって
費用の認識をすることが付け加えられたと考えられないでしょうか。
現金主義から発生主義への移行は、固定資産の増大と経過勘定項目の問
題があったと思われます。
そして、固定資産の取得についての、貨(お金等)の費消は、単に貨
(お金等)が財である固定資産に移転した交換取引とし、その後の財の
費消(減価償却)をもって発生費用としたと考えられないでしょうか。
また、サービスは役務提供契約に基づく役務受領債権と考えることが出
来ると思いますが、貨(お金等)の費消は単に役務受領債権であるサー
ビスに移転した交換取引とし、その後のサービスの費消(役務受領債権
が履行される)によって発生費用としたと考えられないでしょうか。
つまり、財の費消を持って発生費用とするのは、固定資産対策であり、
サービスの費消をもって発生費用とするのは経過勘定項目対策であると
考えられないでしょうか。
そして、その他の費用については、従前の現金主義といいますか財の費
消をもって認識することとしているとは考えられないでしょうか。
つまり仕入は従前の現金主義(厳密には現金でなくて買掛金等も含む)
を継承しており、仕入のために財を費消した段階で費用として認識(言
葉としては発生)している。
また費用収益対応原則により実現収益に対する対応費用に絞り込むこと
で支出時に過大な額の費用計上する弊害もないと思われます。
No.2
- 回答日時:
単純に会計用語の問題なのですが、三分法では、決算整理後の仕入=当期の売上原価です。
したがって費用です。当期に売れていない部分(=費消されていない部分)は繰越商品として翌期に繰り越すことになります。
因みに、他の方法では仕入れという勘定科目そのものが出てきません(商品勘定で処理していきます)。
回答有難うございます。
>> 当期に売れていない部分(=費消されていない部分)は繰越商品
>> として翌期に繰り越すことになります。
この点が私の疑問の発端なのですが、その資料によりますと当期に売れ
ていない部分は発生費用であるけれども期間費用(対応費用)ではない
と考えているようなのです。
つまり、仕入の段階で発生費用であると考えているようなのです。
確かに、仕入れることは、企業成果を求めるための企業努力といえます
ので費用でいいのかもしれませんが、「財貨・サービスの費消によって
その経済価値が減少する」といことと合致しないように思えます。
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