A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
気になったので、クロサギ5巻を買ってみました。
私見では、No.1さんの回答に賛成したいと思います。黒崎は、「シロサギが登記簿を確認したときには、まだ記載されていなかった」と言っているので、記載はされていないけど、申請はしていたということではないでしょうか。売買契約の前に予め、代物弁済予約を登記原因とする「所有権移転請求権仮登記」の申請書を提出していたのだと思います。申請書の提出から登記の実行までの間にはタイムラグがありますから、この間に、売買契約を締結したということではないでしょうか。売買契約に基づく所有権移転登記については、契約日に申請していると思いますが、登記の実行は受付順になされますから、まず仮登記が実行され、次に所有権移転登記が実行されたということだと思います。法律云々を考える必要はなく、「実は先に申請していました」という単純な話に帰着するのだと思います。
結果として、詐欺師への所有権移転登記は、仮登記に順位で劣後しますから、いずれノンバンクが予約完結権を行使すれば、詐欺師は所有権を失うというのが、作者の考えではないでしょうか。
なお、現実の社会で作中のような仮登記が問題となる場合、No.1さんご指摘の通り、仮登記担保法の適用があります。ですが、作者がそこまで考えているとは思えませんでした。
No.2
- 回答日時:
大変失礼しました、あまりにもな回答だったので修正させていただきます。
まず事例について、(まだ読んでいないのですが、)推測するに、
?ノンバンクは、すでに抵当権が設定されているある不動産について、自らの債権を保全するために、その所有者と代物弁済予約契約を結び、将来の売買契約に基づく不動産の引渡し請求権の保全のための仮登記を備えていた。
?黒崎はその不動産の所有権を取得し、それを上条に売った。
?上条は、ノンバンクの仮登記担保権の対抗(主張)を受け、第三者弁済などの方法によってノンバンクの債権を消滅させない限り、債務の不履行があった場合に担保権の実行を受け、所有権を失う。
大筋このような事実があったのではないでしょうか。
Q.ここで、ご質問は、上条はなぜ仮登記担保権を対抗されてしまうのか、177条は適用されるないのか、という点です。
まず前記回答の誤りを修正いたします。
「代物弁済予約契約」は、「代物弁済契約」ではありません。
予約契約とは、当事者の一方または双方に、予約完結権といわれる権利(いまだ成立していない特定の契約を権利者の単独の意思表示によって成立させることができる権利)を設定する契約をいうといえると思います。
そして、これは売買や代物弁済といった主たる契約とは、別個の契約です。
ですから、代物弁済予約契約を結んだ時点では、売買契約は成立せず、当然その効果も発生していません。したがって、予約完結権を行使しない限り、売買や代物弁済の対象となる目的物の所有権も移転しません。
この事例においても、ノンバンクが行ったのは代物弁済予約契約にとどまり、代物弁済契約の効力は生じていません。よって、黒崎は不動産の所有権を取得し、上条もまたそれを取得しますが、ノンバンクはいまだ所有権を取得していません。(ノンバンクの契約を代物弁済予約ではなく停止条件付き売買契約とみても同様です。その場合でも効果は発生していないので。)
つまり、この事例では、不動産の所有権の移転については、177条は問題になりません。
Q.としても、代物弁済予約契約は予約完結権という債権的効力しか有しないはずなのに、なぜ、第三者である上条がノンバンクの不動産所有に対する権利を対抗されるかが問題となります。
その根拠は、代物弁済予約に基づく請求権保全の仮登記が、仮登記担保法によって抵当権設定と擬制されるからです。
代物弁済予約契約は、つまるところ、私的な担保の設定を意味します。債権者が債務者の不履行があった場合などに、予約完結権を行使して代物弁済契約を成立させ、目的物の所有権を取得した上、所有権に基づいてこれを処分するなどして換価し、消滅した債権を充足させる事となるので、抵当権その他の担保と同様の機能を果たします。(停止条件付き売買契約でも同様)
なぜそのような手法による担保が利用されるかといえば、抵当権が登記を対抗要件とする点で、担保目的物の価値の低下が公示されてしまう(登記が汚れる)のに対して、代物弁済予約契約による場合は、担保目的物の所有権が移転するまで登記をする必要性が少ない(すでに一番抵当権が設定されており、登記によって優先権を保全する必要が乏しいケースなど)場合に、担保目的物の所有者がこれを処分する場合には本登記よりも簡易な仮登記を備えれば担保権として効力と対抗要件を備えることができる(仮登記担保法13条1項?)ので、それまでは登記簿に記載せずに、担保目的物の価値を高く見せることができるから、ではないでしょうか。
上条は仮登記が備えられていない状態、または備えられている状態を見て、仮登記担保権の存在を見落としたためにつかまされた、ということでしょうか。
結局駄文ですが、ご参考までに
No.1
- 回答日時:
事案が意味不明です。
なので、訂正と憶測だけします。まず、177条は第三者の「善意」と悪意とを問いません。
そして、民法177条は仮登記には原則として適用されません。つまり「登記」として対抗要件とはなりません。あくまで仮ですから、順位保全効があるだけで、本登記がないと第三者に対抗できません。
ただ例外的に、代物弁済予約に用いられる仮登記については、仮登記担保法の適用があり、債権者が実質的に有している仮登記担保権が抵当権とみなされ、仮登記の時点で抵当権の登記があったものとみなされます。(仮登記担保法13条1項だと思います。)
なのでこの場合には177条の適用がありうると言えます。
つまり仮登記自体がなされていないのなら、目的不動産の買主は仮登記担保権の対抗を受けないのが原則です。
しかし、このことはまず債権が存在し、債権者と債務者が代物弁済予約をし、それに基づく将来の請求権保全のための仮登記がなされた「後に」目的物の譲渡があった場合の話です。
質問ではノンバンク(債権者)が誰と代物弁済したかがわかりませんし、そもそも目的物をノンバンクが所有していてそれを売ったと読めますがそれってどうゆうことですか?
買主が返済すべき「借金」て誰の債務です?買主自身の債務で、買主がノンバンクと代物弁済予約契約を
したとするとその目的がわかりません。
しかし買主の債務ではなく買主は物上保証人に近い地位にあるので代位弁済しなければならない、というなら、そもそも担保目的物を債権者が所有していたことと矛盾します。
黒崎の所有していた担保目的物である不動産を買った、なら話はわかりますからこれを前提にすれば、
この場合、その買主は仮登記担保権の対抗を受けず、代位弁済をする必要はないと考えることは間違ってないと思います。
ただ、単に登記を売買の直前にしたというだけじゃないですか?
仮登記がなされていない段階の謄本をもとに交渉を詰めておき、仮登記をした直後に売買契約を締結すればすむでしょう。仮登記は本登記に比べて提出書面(承諾書があれば単独でできる)などの点で簡易なので、ありうる話だとは思います。
駄文失礼しました。
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