ステアリン酸とミリスチン酸
石鹸を作っている者です。
石鹸の硬さと泡立ちを出すためにステアリン酸とミリスチン酸を添加するという方法があります。(ココナッツ油などに自然に含まれていますが、他に肌に刺激となる成分も入っているため、そういった油を避けて別途成分だけを添加する事があります)
ともに脂肪酸であり、鹸化価(中和価というのでしょうか?鹸化価とは違うのですか?)があり、それだけでも石鹸になるものと認識しておりますが、これ、単純に鹸化価通りの分量の水酸化ナトリウムと反応させてしまって石鹸としては問題ないのでしょうか。
アルカリが強くなりすぎたり、肌に刺激となる成分が発生したりなどはないのでしょうか。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)の4種は、石鹸作りでは最も基本となる飽和脂肪酸です。
これらの含有比率が違うことと、それ以外の脂肪酸(主にオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、)の含有比率の違いが、石鹸の原料として使われる油脂(パーム油、椰子油、オリーブ油、牛脂等)の違いであり、それらを用いて作られる石鹸の泡立ち、硬さ、溶け崩易さなどの違いです。基本的に、これらの脂肪酸が肌に悪いということはありません。ただし、C(炭素)の数が少ない脂肪酸のナトリウム(もしくはカリウム)塩は、肌への刺激性が増します。しかし一方で、炭素骨格の短い(=炭素数の少ない)脂肪酸塩のほうが柔らかく、泡立ちが良いという性質を持っています。極端な話、ラウリン酸のみで石鹸を作れば、非常に泡立ちがよく軟らかい石鹸ができますし、ステアリン酸のみで作れば硬くて泡立ちの悪い石鹸となります。ここに、炭素数が多いけれども不飽和結合を持つ脂肪酸を入れると、刺激を高めることなく軟らかい石鹸を作ることができます。オリーブ石鹸などは、この理屈で作られています。ただし、不飽和結合を持つ脂肪酸は酸化しやすく、また溶け崩れが激しいので、安定して長持ちする品質の石鹸を作るのは難しいです。ですから、脂肪酸の配合は、使いやすい石鹸を作るうえでもっとも大切な部分のひとつであり、各社、各製品でもっとも工夫している部分のひとつです。ちょっと話が逸れましたが、仰られているとおり「ステアリン酸とミリスチン酸を添加する方法」で「けん化価どおりの分量の水酸化ナトリウムと反応させ」れば、原料油脂の中に入っている脂肪酸と全く同じく、脂肪酸のナトリウム塩ができますし、肌に刺激となるような成分(つまり不純物?)が生成されることはありません。
ただし、別の質問(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa5640329.html)で書いているとおり、その時々でけん化価は理論値どおりにはなっていませんので、刺激などを気にするのであれば、固める前の石鹸のpHを調べて酸、アルカリどちらかに偏っていたら調製するほうが良いでしょうね。もしくは、作成後の石鹸のpHを調べるのもいいかもしれません。
ありがとうございます。
参考になりました。
自分でも調べ調べ読ませていただきました。
ちなみに手づくり石鹸はアルカリを10%ほど減らして作るのが一般的で、
それを一カ月ほど熟成させますので、phをはかるなら出来上がった後が良いかと思います。
石鹸ですので酸性になるという事はありませんが、何かの影響で
アルカリが強すぎる仕上がりになる事はあるようです。
私はそこまでひどい物ができちゃった事はありませんが。
No.2
- 回答日時:
(1)鹸化率100%で作れば心配はないので、トレースが出てからホホバオイルなどを5%ほど足す方法。
(2)ココナッツイオル、パームオイル、ステアリン酸、ミリスチン酸、の全量と、オリーブオイルなどの他のオイルを全量の三分の1くらいでトレースがでる直前まで混ぜてから、残りのオイルを入れて混ぜる。
完璧ではありませんが、このような方法で安心できるのではないかと思います。
私はミリスチン酸は使ったことが無いので、トレースがどのくらいで出るのかわかりませんので、参考までに。
ありがとうございます。
質問文のどこの部分にご回答いただいたのかはっきりわからなかったのですが、
作り方の色々として興味深く読ませていただきました。
やった感じでは、ステアリン酸もミリスチン酸も融点が高く、
単体では溶かして入れ込む事が難しい感じですね。
油をある程度熱してそこに溶かしこんでつくらないとダメなのかな、と思いました。
油を分割して入れるという事は、
先に入れた油が過アルカリにさらされ、
後から入れた油に対してはアルカリが薄くなるという事ですから、
安定した成果が得られるかわかりませんが、
試してみると面白いかもしれませんね。
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