「お昼の放送」の思い出

耐震強度値と耐震補強
東海地区築20年の純和風住宅(1階35坪、2階10坪)を購入しリフォームして入居しています。
このリフォーム業者がサービスで耐震強度調査を行い、上部構造評点の最低値が1階Y方向で0.99と「倒壊する可能性がある」(計算プログラム 日本建築防災協会 木耐博士S 使用)と判定されました。
これを受けてリフォーム業者が耐震補強をしたほうが良いといって、1階の押入れとたんす置き場など3箇所の背面壁とその両脇壁の3面を9mmベニヤ板による耐力壁とする改造案を提案してきました。

この改造案によれば、上部構造評点の最低値は2階Y方向で1.23となり、「一応倒壊しない」とのことです。1階Y方向は1.51にアップ、1階X方向1.55,2階X方向1.34です。この工事費は、約76万円です。

質問は、(1)評点0.99と1.23がどの程度強度的に違うのか?評点最低値が出た場所が違うのはどういう意味があるのか。将来予測される東海地震ではどの程度耐えられるのか?業者は外観を痛めず、寝室の強度を上げるようにしたといっていますが、専門家の御意見はいかがなものでしょうか。
(2)工費76万円は適正か?耐力壁は床と天井を剥がして基礎から梁の間に通し、基礎とのつなぎにはOC1という鋼板を3箇所使用するとのことです。私には少し高いような気がしますし、リフォーム中になぜ提案しなかったのかと不審に思っています。

専門家と経験者のご意見をお聞かせください。

A 回答 (2件)

リフォームで耐震補強なども行う、設計士です。


専門的詳細は、先のご回答者さんのをご参考にされるとして・・・

築20年の住宅ということは、平成以降なので、
昭和56年以降の新耐震の基準には合致している
はずです。 なのに、耐震診断の結果は0.99だった。

ひとつは、リフォーム前と後で間取りなど壁を
いじりましたか? 
本来ならば、やはり、リフォーム前に耐震診断を行い、
その結果を踏まえ、耐震補強と合わせてリフォームする
のが普通です。 

もう一つは、耐震診断で評点を計算するのは、PCソフトに
入力して行っていくので、 例えば何処か一つ、仕様など
誤入力があれば、数値は異なってきます。
(多分無いとは思いますが・・・  )  0.99はキワドイので。

評点の意味ですが、 A/B となります。
 A:実際にその住宅が保有している耐力 
 B:住宅が本来保有すべき必要な耐力 

 Aが大きい数値だと、1.00以上になり、安全度が増す。
 Bが大きいと、1.00を下回り、倒壊の危険が増す。 

なので、 質問者さんの家は、本来、100を必要とすべき
ところ、99しか耐力が無い、ということです。
これを耐震補強工事をして、123にしようと業者は言って
います。 

評点の判定は、
 1.5以上 ・・・ 「倒壊しない」
 1.0以上~1.5未満 ・・・ 「一応倒壊しない」
 0.7以上~1.0未満 ・・・ 「倒壊する可能性がある」
 0.7未満 ・・・ 「倒壊する可能性が高い」 

 これら4段階にランクわけされてます。 

判定のランクから、理想は1.5以上の「倒壊しない」に
したいところですが、 私は工事予算やリフォーム内容などと
合わせて、1.3ぐらいにはなるように提案しています。 
 「倒壊しない」と「一応倒壊しない」 にどの程度の差がある
のか、 他のランクでもそうですが、それ以上の説明は
なかなかできません。
大地震が起きてみないと、その地震の揺れの方向や程度
など、予測は不可能です。 ですので、設計士としての
立場から、「倒壊しない」と判定が出ても、 私は
「絶対に、倒壊しないという保証、ではないことをご理解
ください」と言っています。 

耐震補強工事に対する、お施主様の考えは人それぞれです。
工事をするからには「絶対に」と1.5以上を求める人もいれば、
「どうせ大地震がきたら、倒壊せずとも半壊で住めなくなる」と
半分諦めの人もいます。(阪神大震災を経験すると、全てに
絶対はありえないと思えてくるのです。一方で命を守るのは
住まいであるという事も認識しましたが) 
 
 設計士の立場としては、耐震診断の結果が思わしくなければ
工事を勧め、推進するのがスジです。(医者が病気を治そうと
するように) 
でも、自分の家にはどの程度の耐震補強が必要か、
どの程度強くしたいか、 倒れない(という安心を)保証を求めるかは
最後はお施主様が決めることです。 
 
 工事費の高い・安いもありますし、後手での診断などへの
不信感もあるでしょうから、心配ならば、他のところに再度
診断してもらうとか家を見てもらってはどうでしょうか? 
その上で、質問者さんがより頑丈な倒れない家にしたい、と
思ったら、工事をしては?  

(診断結果の詳細は、やはり図面などを見ないと判断できません)

 

 


  
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この回答へのお礼

親切で丁寧なご説明とアドバイスをありがとうございました。大変参考になりました。
リフォームで施工したのは、バストイレの更新、居間の畳をフローリングにしたこと、それと外壁塗装が主のもので、躯体を変更するようなことは一切行っていません。オリジナルの設計の強度が試されたと思っています。基礎は岩盤の上にべた基礎で、犬走りを含めてクラックは発見できませんでした。使用材料も良質な木材を使っているように見受けられるので、ご教示の一応安心できるレベルまで補強して、住み続けたいと考えております。

お礼日時:2010/03/18 20:46

木造住宅の専門家です。



数百年に一度起こる規模の地震(震度6強~7程度)に対して
倒壊崩壊しない程度を1.00としています。
また1.00未満は建築基準法違反となります。

0.99ならその0.99倍、1.23ならその1.23倍です。
震度では表せません。この倍率の地震力ということです。
これでよいですか?

最低値が出た場所が違う の意味が理解できません。
1階Y方向を改善することによって2階Y方向が結果として最低値となったことですか?
改善前と改善後で数値が変わることは当然ですよね。
目標値をクリアしているのであれば最低値がどの場所であるか
の議論は無意味です。

東海地震でどれだけ耐え得るか
根拠となる図面等がないのでお答えできません。
が、評価上では数百年に一度起こる規模(一般的に阪神淡路大震災を差す)の1.2倍程度の地震力に対して倒壊崩壊しない程度(倒壊崩壊しない確立が95%以上)であるといえます。
あくまで設計上の理論値の話です。
しかもこの数値はこの建物に存在する耐力壁(筋違や面材)の量を示しているに過ぎません。
各階各方向に存在する壁量÷建築基準法を満たす1.00以上とするために必要な壁量

現行法や品確法では
・弱点となる部分をつくらないよう耐力壁を釣合良く配置すること
・建物の重さの中心である重芯と建物の強さの中心である剛芯の位置
を各階ごとに求める偏心率計算を行うこと
・地震暴風で建物にかかる力を耐力壁、基礎、地盤に伝達していく為に
水平構面(床構面、火打構面、屋根構面)を剛構造とすること
等のように様々な方法で建物の強度を検討することとされている。
私が設計する住宅では直下壁率計算、直下柱率計算を最初に行う。
建物を倒壊させようとする外力を集中させずに分散させ、早急に
基礎、地盤へと伝達させることが目的だからです。
構造計算やたわみ率計算などを利用して横架材の断面寸法を決定
することも大切な基本事項です。

あらゆる計算から求められた数値によって、建物の耐震について
評価することは可能なのですが、それはあくまでも設計上の数値
であって、実際の現場でその数値の能力を発揮できる施行をしている
かが重要になってきます。これが施工者、監理者の仕事です。
取付方法や金物選定に施行不良があれば、能力は発揮できません。
そんなことはあまりないだろうと思ったら、あらゆる現場で頻繁に
見受けられますので、頭に置いて下さい。

今回は9mm厚構造用合板を用いて補強するということですが
基礎は、その耐力壁の両端にある柱に加わる応力に耐え得るのでしょうか?20年前の基礎ですか…何とも言えません。
強度を調査する方法もありますので、良かったら利用して下さい。

寝室の強度を上げる とだけいわれても判断できません。
その位置が釣り合いの良い配置となるかどうかは全体を見ないと
判断できません。剛芯の位置が変わって偏心率も変わるでしょうから。

工事費の適正
床、壁、天井の仕上材にもよりますね。
もっと正確に詳しく説明してもらわないことには回答不能です。

工事内容
基礎から梁の間に通し、基礎とのつなぎにはOC1という鋼板を使用
面材(構造用合板)を土台ではなく基礎に取り付けるのですか?
OC1は基礎と柱を緊結するホールダウンですか?
土台と柱を緊結する接合金物のことですか?
基礎に取り付ける例を聞いたことがないので
土台ではないかなと思っています。
これも上階の柱や耐力壁の状況等の記載がないので回答できません。

少し高いように思います
仮に寝室8畳、押入1畳、タンス置場2畳とすると
床工事=12万(坪1万の床材、下地コンパネ再利用)
壁工事=25万(ビニルクロス普及品仕上、耐震補強、断熱材入替え)
天井工事=12万(ビニルクロス普及品仕上、石膏B下地、木下地)
既存撤去処分=8万(手壊し)
諸経費=3万
合計=60万+消費税=63万
76万ですか、確かに少し高いように思えますが
他にも現場の状況によって費用が発生しているのかも分かりません。
前述の通り、仕上材が違うのかもわかりません。
参考にはなると思いますので上記内容と比較して見てください。

リフォーム中に提案しなかった
どういう流れかは把握できませんが、当然リフォーム中に提案すべき
事項でしょう。依頼先のレベルが低いとしか表現できません。

心配ないだろうと工事を完成させたが、一応違反建築物でないか
確認して見ることになり、確認したら違反していたので
発覚したら行政処分の対象となったりと面倒だし
一層のこともう一儲けできる提案して試してみるか
みたいな感じかもしれません。
最初から意図的だったのかもしれません。
いずれにしても正当な理由は見当たりません。

安心材料として
1階X方向1.55
1階Y方向1.51
2階X方向1.34
2階Y方向1.23
この各数値だけをみると非常に理想的といえます。
志の高い建築士が目指す設計目標値といえます。
しかしながら、耐震というのは前述の通り、この単独要素のみで
決定されるものではありません。
各要素の数値から総合的に判断すべき性能であることをお忘れなく。

以上、参考になりましたか?
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この回答へのお礼

非常に詳しく丁寧なご説明をありがとうございます。耐震強度の考え方が良く理解でき、大変参考になりました。
私の説明の中で、「基礎とつなぎの金具」は、ご指摘の通り誤りで正しくは「土台との・・」です。このOC1なる金具は、4.5mm鋼板でL字型をして柱と土台を緊結するものだそうです。
現在コストダウンの案を作ってもらっている状態です。後出しの提案について業者の説明はありませんが、なんとなく意図的なものを感じています。
他の業者への依頼も視野に入れて、一応安心できるレベルまでの補強工事を行いたいと考えてえいます。

お礼日時:2010/03/18 20:50

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