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何故放射能で遺伝子が傷つくんですか?
登校カテゴリに悩みました。

放射能って人間の体を通過してしまうものですよね。
まあレントゲンを見れば完全な通過でない事はわかりますが。

でも何故遺伝子が傷つくんでしょうか?
遺伝子以外も傷ついていいと思うんですが。

肌や細胞は傷ついても傷が微細すぎてなおってしまうけど
遺伝子はなおらない、とかそんな感じでしょうか?
よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

 遺伝子はデオキシリボ核酸(DNA)という物質で出来ています。


 DNAの分子は螺旋状に捻れた梯子の様な構造をしていて、梯子の横木にあたる部分は、塩基と呼ばれるものが、2個一組になって繋がったもので出来ています。
 DNAを構成している塩基は、アデニン(略記号A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があり、AはGとしか結合せず、GもAとしか結合しませんし、同様にCとTは結合しますが、他の組合せでは結合しません。
 モールス信号が短い信号と長い信号という2種類の信号で情報を伝えている様に、遺伝子ではこの4種類の塩基の並び方で、遺伝情報を記録しています。
 DNAの塩基も分子の一部ですから、幾つかの原子が結合する事で成り立っています。
 原子が結合して分子になるのは、結合した方がエネルギーが低い状態になって安定するからです。
 例えば、山の上に置いたボールは、自然に谷底へ転がって行きますが、これも谷底の方がエネルギーが低くなり、安定するからです。
 しかし、ボールを投げてエネルギーを与えてやれば、ボールは一時的に谷底よりも高い所に移ります。
 与えるエネルギーが充分に大きければ、ボールは山を越えてしまいます。
 この事は、分子を構成している原子も同様で、あるレベル以上のエネルギーを与えられると、原子同士の結合が切れてしまいます。
 放射線の正体は高いエネルギーを持って飛んでいる粒子です。
 この放射線の粒子が原子に衝突すると、放射線のエネルギーの一部が原子に移り、原子のエネルギーが高くなり、原子同士の結合が切れてしまう事があります。
 分子中の原子の結合が切れるという事は、別の分子になってしまうという事で、それは別の物質になってしまうという事です。
 もし、DNAの中のアデノシンに放射線粒子が当たって原子の結合が切れると、アデノシンではなくなります。
 アデノシンが変質しても、結合している相手の塩基であるグリシンが無事な場合は、グリシンに結合するのはアデノシンに決まっていますから、生きた細胞の中では、相手の塩基の種類に合わせて、壊れた塩基を取り替えています。(勿論、結合している塩基の両方が同時に壊れてしまった場合は修復出来ません)
 これは、他の3種類の塩基も同様です。
 しかし、細胞が分裂する準備のために、DNAを複製して増やしている最中では、塩基同士の結合を外して、DNAの梯子を縦に2分割して、片側だけになったDNAに、新しいDNAのパーツを結合させる事で、1本のDNAから2本のDNAを作っています。
 もし、DNAが片側だけになっている時に、放射線の粒子が当たって塩基が変質すると、結合相手の塩基と比較する事が出来ませんから、壊れてしまった所を修復する事が出来ません。
 これが遺伝子が傷付くという事で、細胞分裂が盛んな細胞程放射線の影響が大きくなる理由です。
 遺伝子のDNAを構成している塩基は、遺伝情報を記録している文字の様なものですから、放射線で文字が読めなくなると、情報が失われて、元には戻せなくなります。
 勿論、放射線は遺伝子だけではなく、それ以外の部分を構成している分子も壊します。
 ですが、遺伝子以外の部分であれば、遺伝子という設計図を元にして、壊れた所を直す事が出来ます。
 しかし、設計図である遺伝子自体が壊れてしまったら、直す事は出来ません。
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No.5です。



書き忘れてました。
No5に書いた内容は放射線や生物の知識がない人にも分かりやすいようにかなり単純化して書いてますので、科学的にはおかしいところも多いです。
なので、鵜呑みにはしないで頂けると幸いです。

(例えば放射能は厳密には放射線を発する能力であり、放射線を発する物質そのものではないですが、一般的には放射能と言えば放射線を発する物質を指します)

それでも、文章が変で分かりづらいですね……

もう一度補足させてください。
・放射能(放射線)でなぜ遺伝子が傷つくか、そしてどうなるか

 1:遺伝子は核酸という、炭素原子や水素原子、リンなどで組み立てられた立体構造。
 2:放射線は太陽光のように破壊力を持っている。
 3:放射線が遺伝子に当たると、構成原子や分子の結びつきを切り裂くため遺伝子が物理的に崩壊する。
 4:遺伝子は破壊されると修復が非常に難しい。(ほぼ不可能と考えていい)
 5:他の生体物質も破壊されるが、それらは遺伝子が無事な細胞が十分残っていればフォローが効く。
 6:しかし、遺伝子が破壊された細胞が多数あればどうしようもない。
 7:細胞が死なない程度に傷ついた遺伝子は細胞分裂の際にそのままコピーされるので増えていく。
 8:ガンや遺伝子異常などの病気につながる。

・放射能汚染は遺伝子に対してどう影響するか

 1:放射線を浴びた原子は放射能になる。
 2:放射線を浴びた体内のタンパクや遺伝子を構成する原子も放射能になる。
 3:また、放射能汚染した食べ物を食べると、体内に放射能となった原子が取り込まれる。
 4:常に体内の原子から放射線が発射され、どんどん遺伝子が傷つけられていく。
 5:遺伝子異常やガンなどにつながる


厳密で正しい理屈についてはNo.1~4さんの答えを読んでください。
すごく詳しく書いてます。
お目汚し失礼しました。
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この回答へのお礼

個別にお返事できなさそうなので、大変申し訳ありませんがこちらで纏めさせて頂きます。

東海村の臨界事故の件で、被曝した方の話を見たのですが
一見健康体なのに、遺伝子情報が破壊されている為細胞が再生できず
どんどん体が死んでいく、という話でした。

遺伝子は傷つくのに、体は(最初は)一見健康に見える、これがとても
不思議に見えたので質問させていただきました。

お礼日時:2010/05/13 20:47

専門的な理屈はほかの人が答えてらっしゃっていますが、詳しすぎて分かりづらくなっているように思えるので、単純化して答えてみます。




まず、放射能と放射線は違います。遺伝子を破壊するのは放射線です。
放射能は人体を通過なんてしません。レントゲンに使用するX線は放射線ですが放射能ではないです。

放射線 → 主にアルファ線、ベータ線、ガンマ線の3種類があり、アルファ線とベータ線は粒子ビーム、ガンマ線は電磁波(光)の一種ですが、ようは目に見えない破壊力のある光線くらいに考えてもらえればOKです。
太陽光線を虫眼鏡で集めて紙を燃やす実験がありますが、放射線にも、物質を焼いたり破壊したりする能力があります。


放射能 → 放射線を発射する能力を持つ物質のことです。放射線をそこらへんの原子が浴びると、その原子は放射線を発射するようになります。例えば水に強力な放射線を浴びせれば、その水も放射線を放射するようになります。そういう物質を放射能と一般的にはいいます。ウランとかプルトニウムとかの核物質も放射能です。


・なぜ放射線で遺伝子が壊れるか
遺伝子も物質ですから、炭素とか水素とかの原子が何千何万と集まって構成されてます。
そこにいろんな情報が描かれています。そこに放射線が当たればその原子の繋がりを断ち切ります。


原子=紙、遺伝子=紙で出来た書類、と考えてください。

この場合、放射線は火です。
ちょっとタバコなどがついて書類が焦げた場合、多少なら焦げた部分の文章を治すくらいはできます。
しかし、火が強くて書類が燃えだしたら、書類全体に火が移り、書類になにが書いていたかは分からなくなってしまいます。
この、燃えている書類が放射能ですね。
この場合、タバコはプルトニウムなどの放射性物質になります。

遺伝子は非常に繊細な構造なので、こうなると、直しようがありません。
また、遺伝子以外についても、当然壊されます。しかし、細胞の中の物質では遺伝子が一番壊れやすく、修理が難しいので、放射線を受けたとき、遺伝子のダメージが一番注目されることになるわけです。
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皆様は「放射能」を「放射線」としてとらえておられますが「放射性同位体」としての面もあることを忘れてはなりません。


放射性同位体が安定同位体の代わりに遺伝子(DNAだけでなく周囲のタンパク質も)に取り込まれると、崩壊が起きて「放射線」を出し、周囲の遺伝子構成要素を傷つけます。
また自身も他の元素に変わってしまうので、その場所は「欠陥」になり、正常な遺伝子として働くことが出来なくなります。
γ線を出して崩壊する放射性物質はそのエネルギーで遺伝子を傷つけますが、体外にある場合あまり気にしなくて良いβ線、α線を出して崩壊する放射性物質は体内に取り込まれると、非常に多き長居を及ぼします。
体細胞の遺伝子ならばその部分の細胞が壊死して「異化」されておしまいですが「生殖細胞」の遺伝子が傷つけられると子孫に影響が引き継がれるため大きな影響があります。
ただし、進化の過程での突然変異の一つの要因は放射線や放射性同位元素によって起きる変異だと考えられていますから、単純に恐れるばかりではいけないのですが。
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放射能で遺伝子傷着く原因は、放射能が遺伝子と同じサイズ又は、それより小さいと言う事、


傷つくというのは正確ではなく、破壊と言った方が正しいと思います。
鋭利な刃物を連想する人がいますが、実は放射能とは光の爆弾と思う方が正しいと
思えますし、一転であっても透過するという力がある分、切り裂くというイメージでは
合わないと思うからです。

光の爆弾と書きましたが、一旦、放射能で傷つくと廻りの遺伝子も一緒に破壊してしまうので、
修復と言う事が出来なくなるのです、それに遺伝子の配列などは個々が持つ配列順に並んでいるので、
廻りの似た配列の遺伝子が無くなると修復と言う事は事実上は不可能に・・・。

因みに、レントゲンの他にもCTも同じ放射能医療機器ですよ。
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素人ですが・・・



>>でも何故遺伝子が傷つくんでしょうか?
遺伝子以外も傷ついていいと思うんですが。

たぶん、遺伝子以外も傷ついていると思いますよ。強烈な放射線を浴びると、やけどしたようになったりしますからね。

>>でも何故遺伝子が傷つくんでしょうか?

強烈な放射線が銃弾、あるいは砲弾のような働きをするので、遺伝子(DNA)が破壊されて傷つくのだと思います。

>>肌や細胞は傷ついても傷が微細すぎてなおってしまうけど
遺伝子はなおらない、とかそんな感じでしょうか?

遺伝子は細胞に膨大な数が含まれていて、いわば「多数の予備部品」があるって状態だと個人的には思っています。なので、少々遺伝子が傷ついても、予備があるので、壊れてないのを選ぶことでうまく肌や細胞を回復することができるのでは?

ただし、一度に多数の放射線を浴びたり、放射能を持つ物質を体内に取り込んだりすれば、正常な遺伝子がある細胞の近辺で無くなってしまう状態になるのではないでしょうか?いわば、ミニガンで毎分6000発を数秒浴びるか、あるいは毎分1発だけど、何年も狙われ続けるってものでしょうか?

”放射線”は、その放射線を浴びたときだけの”一瞬”の被爆となりますが、”放射能”は、放射線を出し続ける能力をもつことを意味します。それは、”放射性物質”と呼ばれたりします。極めて微量の”放射性物質”でも、体内に取り込むと、その物質の近くにある細胞は、長期間にわたって”放射線”を浴び続けることになるため、ガンになる可能性が極めて高くなります。

実際には、レントゲンで浴びる大量だけど一瞬の放射線よりも、弱い放射線を出す少量のプルトニウムを体内に取り込むほうが、細胞は至近距離で被爆するため、危険度は、はるかに高いといえるようです。人体実験の結果では、20年くらい後に、高い確率でガンになるようです。
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