
レーザの多モード発振についての質問です。
レーザの研究を始めたのですが、多モード発振について分からないことがあります。
共振器中で定在波の立つ"周波数"条件を満たし、
かつ共振器中の増幅媒質の利得帯域の中にその周波数が複数含まれるとき
多モード発振する可能性があることは分かったのですが、
ではその多モード発振を光スペクトラムアナライザなどの"波長"対強度で測定するとき
複数のピークが見えるものなのでしょうか?
今まで持っていたイメージとしてレーザ光はコヒーレント光であり、
CW発振の場合波長のピークは一つだけしかないといったイメージがあるので混乱しています。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
多モード発振というのは半導体レーザの話でしょうか?
計算してみると分かりますが、共振器中で定在波の立つ条件を満たす波長の間隔は非常に小さいです。そのため、光利得の大きな波長範囲の広い半導体レーザでは、発振条件を満足する波長が複数あります。
光の波長をλ(m)、共振器長を L (m)、共振器内部の屈折率を n としたとき、発振の位相条件は、m を整数として
L = m*(λ/2/n)
で表されます。L = 1mm、n = 3 としたとき、λ = 500 nm 付近でこの条件を満たすλは
λ = 500.04 nm ( m = 11999 )
λ = 500.00 nm ( m = 12000 )
λ = 499.96 nm ( m = 12001 )
と 0.04 nm 間隔になります。この波長範囲でレーザの利得が振幅条件を満たしていて、モード選択の機構が働かなければ、この3つの波長で発振します。
>光スペクトラムアナライザなどの"波長"対強度で測定するとき複数のピークが見えるものなのでしょうか?
見えますよ。ただし、上の場合だと、0.04 nm の波長間隔のピークが分離できるような高分解能の光スペアナが必要です(ANo.1さんのとおりです)。
ANo.1さんが言われる「他のモードのレーザー発振を抑制したシングルモードレーザー」というのは、一般に屈折率導波型のレーザで、利得導波型のレーザは多モード発振しやすくなります。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
波長間隔のお話がありましたが、この説明に従うと、もし共振器長が数mから数十mあるレーザ(ファイバリングレーザとか?)の場合は数十nmの波長間隔で複数のピークが見えてしまうということなのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
同じ波長で比較した場合、位相条件を満たす波長の間隔は共振器が長いほど小さくなります。
ANo.2の式で必要な m の値を求めて、m が1ずれたときの波長を計算してみてください。
No.1
- 回答日時:
こんばんは。
私はレーザーの専門家ではありませんが、多少レーザーの研究にも従事した経験があります。
>ではその多モード発振を光スペクトラムアナライザなどの"波長"対強度で測定するとき
>複数のピークが見えるものなのでしょうか?
はい、複数のするどいピークが並んでいるのが確認できます。
しかしモードとモードの間隔は非常に狭く(<1nm)、アナライザで測定するときに、
狭い波長範囲を高分解能で細かくスキャンしないとモードの分離が見えません。
>今まで持っていたイメージとしてレーザ光はコヒーレント光であり、
一つ一つのモードのレーザー光は誘導放出によるコヒーレント光です。
他のモードのレーザー発振を抑制したシングルモードレーザーでは、
一つのモードしかありません。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
inaraさんへの補足にも書きましたが、モードの間隔が狭いのは共振器長が短い場合に限られるのではないでしょうか?共振器長の長いレーザの場合モード間隔が数十nmになってしまい、分解能のそこまで高くない光スペクトラムアナライザでも観測できてしまうということなのでしょうか?
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