将来、事前予測可能な余剰電力の調整方法を教えてください。
2030年には原発を14基新増設し、太陽光発電を5300万kW設置し、火力もS&Bして高効率化を図る絵がありますが、原発はベース電源として安定稼動させる前提とすれば、特に昼夜間で需要が大きく変動する夏季において、夜間に10%以上の余剰電力が生じる可能性があります。(需給の数字は経産省が3月末に公表した電源開発予想ベースで、原発の稼働率は90%で一定、火力は石炭・LNGとも60%を最低ラインと設定し、電源別にEXCEL表でシミュレーションしてみました) 斯様な状況が危惧される中、電力各社はどの様なオペレーションをするのでしょうか? フランスのように原発の負荷追従を実施するのでしょうか?
折角作った設備を有効稼動させ、新たなエネルギー媒体として水素を電気分解で作ることは発想として如何でしょうか?昼間は太陽光の不安定な余剰電力、夜間は原子力の余剰電力で電気分解は難しいでしょうか?
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
回答
大変よく勉強されており感心しました。
余剰電力の調整は、まず発電原価の高い火力の出力を下げ、それでも下げ足りなければ原子力の出力を下げることになります。原子力の負荷調整可能であることは、ご質問の通りフランスで実証済みです。
しかし発電原価は安いが設備の高い原子力は能力一杯に発電させた方が経済的に有利です。
そこで考えられているのがご質問のように
・原子力利用による水素利用と、
・原子力利用による電気自動車への電力供給です。
1.まず原子力による水素の作成について述べます。
現在有力視されているのは原子力の熱媒体に高温ガスを利用し、高温ガスを水素作成に使う方法です。すでに高温ガス炉は各国で実験炉が開発されております。 現在電気分解より効率のよい熱化学分解による水素作成方法が研究されています。
この方法は作成された水素の輸送をどうするかが課題です。方式によってインフラの整備に莫大な費用がかかります。
2.電気自動車
現在はまだほんの僅かしかありませんが、今後期待が持てるのが電気自動車による深夜電力の利用です、プラグイン方式と呼ばれ、プラグを各家庭のコンセントに差し込み、深夜電力を利用して充電します。トヨタはハイブリッド車に充電用のプラグをつけたプラグイン・ハイブリッド車の販売を始めています。(現在は特定団体向けのリースのみ、一般向けの販売は2011年より)
この方式の良いところは、通常の乗用車ならば各家庭から直接電力を得られるので、特別なインフラを必要としない点です。
オバマ大統領は昨年3月、2015年にプラグイン・ハイブリッド車を100万台に増加させる政策を発表しました。同時に自国内のメーカーに向けて、自働車用電池の開発に2,400億円の助成をすると言っています。
電気自動車用の蓄電池開発は世界中のメーカーが競争しており、今後研究の進展に期待の持てる分野です。プラグイン電気自動車あるいはプラグイン・ハイブリッド車が大量に採用されれば、余剰電力の問題は解決します。
ご回答有難うございます。
環境・新エネルギーに携わって数ヶ月、(自分の首を絞めている人間はアホだと思いながらも)必死に勉強しております。
水素は製造コスト、水素ステーション&輸送インフラ整備が問題ですね。FCVが大量導入される場合には、都市ガスに3~5%混ぜてパイプラインで主要都市間を繋ぐことも考えられますね。
電気自動車は日産の予約販売は予想以上に順調ですね。
スペインでは風力発電で夜間に大量の余剰電力が発生し、フランス経由EU各国へ輸出したいと思っても、フランスが十分な送電線を増設してくれないから自国で消費するしかなく、電気自動車を大量導入する方針らしいですね。イギリスも今、風力発電の建設ラッシュですが、電気自動車の導入推進を図るため、政府が25%のコスト負担をするそうです。後は、皆帰宅後一斉に充電しないようにスマートメーターで調整する必要ありです。(夜8時から朝8時までのお任せ充電は安い電力料金にする等)
また、ノンストップで300km以上走行できる車で比較した場合、電気自動車はディーゼル車より環境に悪いそうです。充電した電力の電源を太陽光や風力に特定できませんので、ミックスになる為です。
No.1
- 回答日時:
日本は、原発を増やすといっても、まだまだ火力発電所が主力です。
原発が増えれば、現在は低出力で夜間も運転している火力発電所の発電機を、夕方火を落して停止させる台数を増やせば、それで対応できると思いますよ。それでも対応しにくくなったといても、大規模揚水発電所を建設するほうが、建設費などトータルを考えると、現時点では、電気分解して水素を作り、その水素を安全に貯蔵し、昼間水素と酸素を燃料電池に送り発電するより経済的で確実だと思います。大規模な燃料電池は、まだまだ研究段階で実用化は先だと思いますよ。
それよりも、電力会社としては原発も需要にあわせて出力調整をしたいでしょうけど、各部の温度や圧力が小刻みに変化し、熱疲労による交換周期の増加や万一の事故などが怖くて、なかなか長期のデータ―がないと実用化は難しいでしょう。しかし、各電力会社で試験はいろいろ行ってデータ集めは行なっているようですから、よい結果だと意外と早く原発の出力調整が常時本格実施されるかもしれませんね。
ご回答有難うございます。
火力発電のdailyな出力調整に関しては、別途相談させて頂いておりますが、ミドル電源として主力である石炭、LNGに関しては、安全性、経済性を鑑みると、ユニット毎に異なりますが10~60%位が最低出力ラインの設定になっていると火力発電所の担当者から聞いことがあります。(最小出力をどこまで下げられるか再検証中とのこと) 特に、今後主力となる最新鋭のコンバインドサイクルでは60%を下回ると極端に燃焼効率が落ちるので、GWや年末年始等で数日間電力需要が落ちる場合以外には60%以上の出力を維持するのではないでしょうか?
一方、燃料電池の開発は徐々に進展しており、特にドイツでは、インフラとして数百kmの水素パイプラインを既に持っていることもあり、ダイムラー・ベンツ社が推進役となりNRW州で水素ハイウェイを構築中です。日本でも燃料電池実用化推進委員会(FCCJ)が中心となりドイツに遅れまいと2015年までに実用化すべく検討しているようです。私も、燃料電池車(FCV)はまだまだ先の話と思っていましたが、莫大な費用が掛かる水素ステーション等のインフラ整備に目処(民間だけではなく政府補助が恐らく必要)がつけば、一気に推進する可能性あると思います。電気自動車(EV)では1回の充電での走行距離が100km程度ですから、300km以上のFCVと棲み分けが出来ます。また、自動車会社とガス会社、石油関連会社からすれば、スマート・ハウス化、EV化が進展すれば商売が激減しますから、新規商売展開に必死になると思います。環境・エネルギー業界も益々混沌としてきますね。30年後には次世代原子力や宇宙太陽光、藻類等のバイオ・エネルギーも参戦しているかも。
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