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ニーチェにおける同情の禁止の意義とはどういったものなのでしょう。参考資料が少なくて、自分の中で考えをまとめることができず困っています。

A 回答 (3件)

こんにちは。



ご存じかとは思いますが、
「ニーチェ どうして同情してはいけないのか 」神崎繁・著 NHK出版
という本が出ていますね。

おそらくそれは有名なルサンチマンの発想から出発
しているものと思われます。
ルサンチマンとは「恨み・敵意」という意味で、
ニーチェが「道徳の系譜」という書物の中で、
キリスト教などの人類を救うことを目的とした
「救済宗教」を分析する際に生み出した言葉です。

簡単に言ってしまえば、自分に確固たる自信も主体性もないから
神に頼るのだと。

ただ、ルサンチマンは単なる「恨み・敵意」ではなく、
弱者が強者に抱く強い感情を指します。
つまりは「いいわけ」です。
そして同情はルサンチマンを呼びます。
それではいけないと。

そういった構造をしっかりと直視し、力への意志、
超人を目指すべき、
というニーチェの思想の核心へと導く基本姿勢なのだと理解できます。
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この回答へのお礼

その本は私のとってる哲学の授業の教科書です(笑)
彼が教授なんですよね。
わかりやすい説明をありがとうございました。理解が深まりました。

お礼日時:2003/07/18 13:14

#2です。



すいません。変換ミスしてました。

第五パラグラフ
×「想像行為」
○「創造行為」

気がつかないものですね(^^;)。
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#1の0410さんが非常にわかりやすい回答をなさっているので、補足だけ。



この「同情の禁止」というのは、ニーチェの根幹思想で、『ツァラトゥストラはこう言った』に出てくるんです。

序説と第一部で、山を下りたツァラトゥストラが、超人思想を説きます。
で、第二部、第三部とあって、第四部で、最後の試練として闘うのが、「同情」なんです。

ここで言う「同情」とは、キリスト教の「隣人愛」のことです。
同情は偽善であり、もっともこの世で害悪を及ぼすものである。
同情される側は、プライドを傷つけられ、感謝ではなく復讐の念を抱かせられる。
また同情する側も、理知も感情も誤らせられ、自由な想像行為を忘れてしまう。

これによって隣人愛を説く神は神たる所以を失い、「死んだ」とされるわけです。

話をものすごく単純化していますので、参考文献を読む時の目安程度に受け取ってください。

なるほどルサンチマンが出てきた経緯っていうのは、こういうことだったのか、と#1の方の回答を拝見して納得しています。
できればこの「神は死んだ」というのも、キリスト者の立場からご説明してくだされば、うれしいところです、ってご質問からそれました。ごめんなさい。
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この回答へのお礼

いえいえ。ありがとうございます。
とても参考になりました。

お礼日時:2003/07/18 13:16

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