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No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>主観性を採用している
>→法律濫用の恐れ
>⇒刑罰適用を最小限に食い止めるという刑法の本質的意味からの逸脱
うーん、、、
具体例を交えれば、大学1年レベル(刑法学初学者)なら、まァ、ギリギリってとこでしょうか。
それ以上のレベルとなると、厳しい言い方ですが、これでは全くお話しにならないと思います。
まず最初に確認しなければならないのですが、
結果無価値論(Erfolgsunwert)・行為無価値論(Handlungsunwert)は“構成要件・違法性・有責性”の3分体系(これはご存知ですよね?)のうち、(構成要件論・)違法論に関する議論です(もちろんそれを反映して責任論も変わってきますが)。
簡単に言うと、結果無価値論と行為無価値論という対立をは、「犯罪はなぜ違法なのか」という問をめぐる対立です。極簡略化していうと、結果無価値論はこれに「人の死という結果が法にとり好ましくないからだ」と答え、行為無価値論は「人を殺すという行為が好ましくないからだ」と答えます。
こうした違法論レベルを経て、次に責任論のレベルで「違法だとして、責められるか」という判断をします。
行為無価値論は故意・過失をはじめとする主観的要素を構成要件・違法性レベルで既に考慮しますが、結果無価値論は違法論のレベルでは考慮せず(したがって、原則として客観的要素のみを考慮する)、責任レベルで初めて考慮することになります。
したがって、「刑法に主観を含ませる」という言い方自体が既に不当です。
犯罪が成立するかという最終的判断に至るまでには、結果無価値論だろうが行為無価値論だろうが、主観を考慮します。
ですから、正しくは「刑法的違法判断に主観を含ませる」かどうかの問題だ、ということです。
以上の基本的理解を前提に話を続けます。
現在、行為無価値論と呼ばれているもののほとんどは、厳密には行為無価値・結果無価値二元論です。
つまり、行為無価値性だけを基準に違法判断をするのではなく、行為無価値性をベースに、(少なくとも既遂犯論では)結果無価値論も合わせて必要とされる、ということです。
イデオロギー的な極端な言い方をすれば、
結果無価値論は結果無価値だけで違法性肯定しますが、
行為無価値論は結果無価値だけでは足りず、行為無価値(その中に主観的要素も取込まれている)もなければ違法性は肯定できない、
ということになります。
したがって、実は、行為無価値論の方が「違法」とされる範囲は狭くなるのです。
以上から、
>刑罰適用を最小限に食い止めるという刑法の本質的意味からの逸脱
とは一概には言えないということが分ると思います。
むしろ行為無価値論の問題性とは、違法の範囲が広い・狭いの問題ではなく(むしろ行為無価値論者は「違法の範囲が広すぎる」と結果無価値論を批判します)、違法判断に主観が混じることで、違法判断が恣意的になる点にあります。
主観的要素を加味して違法判断を下すというが、なぜある種の主観的要素が備わるとそれを「違法」と呼べるのか、ということです。
それは「悪い意思が悪い」と、モラリズムを基礎にトートロジーを展開しているに過ぎないのではないか。
もっとはっきりと「結果(=被害)」があるから「悪い」と言った方が司法の暴走を抑止できるのではないか。
これが行為無価値論に向けられる批判です。
以上は分りやすさを重視した説明なので(十分解りにくいですが)、暴論的な部分もあります。
詳しくは学者に聞くのが一番です。
※この質問と関係ないのですが、純客観説の話は、明日以降に本を探して見てみます。
この回答への補足
ありがとうございます。
二回生ですが、大学のシステム上刑事法入門レベルであります。
ここは無茶せずに教科書通りの回答でもいいかな。。。
刑法、難しいです・・・
No.1
- 回答日時:
刑法の質問が多いですね。
不可能です。
本質的意味をどう捉えるか述べずに「本質的意味において不当」と言っても何の説明にもなっていないからです。
確かに、
結果無価値論者の考える「系譜の本質的意味」からは違法論に主観を取込むことが不当、ということになるでしょうが、
行為無価値論者の考える「刑法の本質的意味」からは違法論に主観を取込まないことがむしろ不当、ということになります。
だから、加えて「刑法の本質的意味とは…」という説明を加える必要があります。
この回答への補足
主観性を採用している
→法律濫用の恐れ
⇒刑罰適用を最小限に食い止めるという刑法の本質的意味からの逸脱
これでよいでしょうか?
よろしくお願いします。
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