遅刻の「言い訳」選手権

多段インパルス発生回路で高電圧インパルスを得るコツ
こんにちは、
LTspiceで、8段直列充電方式IGと倍電圧充電方式(2段)IGを作成しました。しかし高電圧インパルスが得られません。多分回路の抵抗値や静電容量の値が適切でないのが原因だと推定されます。適正な抵抗値や静電容量の値を得るコツ等はあるのでしょうか?ご教示願います。

「多段インパルス発生回路で高電圧インパルス」の質問画像

A 回答 (7件)

>360Vがその値ですが、この値は計算によって求めるにはどうしたら良いでしょうか?


360Vというのは、シミュレーション後に、トランスの2次電圧を読んだ値です。
このトランスは1次側のインダクタンスが1mH、2次側が100mH(巻き数比は10)なので、本来なら、1次電圧の10倍が2次電圧になるはずです。しかし実際には 3.6倍にしかなっていません。これは、1次側の直列抵抗(1Ω)が、1次側のリアクタンス(2*π*f *L1)に比べて無視できないからです。LT-Spice の設定で1次側の直列抵抗(Series Resistance)を小さくするか、インダクタンス L1 を大きくするか(同時に L2 も同じ比率で大きくする)、電源の周波数 f を高くすれば、理想の10倍に近づきます。2次電圧は以下の式(1)で計算できます。

簡単のために、結合係数(SPICEでトランスを定義するコマンド K1 L1 L2 1 の最後の 1 の数値)を 1 とします。1次側の電圧を Vin (V)、直列抵抗を R(Ω)、インダクタンスを L1(H)、2次側のインダクタンスを L2(H)としたとき、2次側の電圧(無負荷時) Vout (V) は
   Vout = j*ω*L1/( R1 + j*ω*L1 )*√( L2/L1 )*Vin
で表わされます( ω = 2*π*f 、j は虚数)。したがって振幅比は
   |Vout/Vin| = √( L2/L1 )*ω*L1/√( R1^2 + ω^2*L1^2 ) --- (1)
位相差Φは
   Φ = arctan(R1/ω/L1)
となります。R1/ω/L1 << 1 ならば
   |Vout/Vin| ≒ √( L2/L1 )
   Φ ≒ 0
となって、理想トランス特性になります。

添付図は、式(1)を使ってExcelで計算した電圧比( 20dB = 10倍 )と、LT-Spice でのシミュレーション結果( 直列抵抗 = 1Ω )です。直列抵抗が 1Ω のとき、計算では電圧比は 3.53 になりました。直列抵抗を 0.1Ω 未満にすれば、60Hzでも理想特性(電圧比10)に近くなります。

私はトランスはあまり詳しくないので、書籍(http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/30/30671.htm)の力を借りました。ここ(http://ayumi.cava.jp/audio/pctube/node23.html)も参考にしました。
「多段インパルス発生回路で高電圧インパルス」の回答画像5

この回答への補足

いつもお世話になっております。ご丁寧な回答有難う御座います。
>360Vというのは、シミュレーション後に、トランスの2次電圧を読んだ値です。
そうなんですね。実はコンデンサーの充電した電圧が360Vであることは確認していたのですが、その元がトランスの2次電圧であることは確認していなかったです。確かに交流ですが、360Vになっています。

>このトランスは1次側のインダクタンスが1mH、2次側が100mH(巻き数比は10)なので、本来なら、1次電圧の10倍が2次電圧になるはずです。
そうですね。私はこの理屈しか知らなかったです。トランスって単純なものだと思っていました。

>しかし実際には 3.6倍にしかなっていません。これは、1次側の直列抵抗(1Ω)が、1次側のリアクタンス(2*π*f *L1)に比べて無視できないからです。LT-Spice の設定で1次側の直列抵抗(Series Resistance)を小さくするか、インダクタンス L1 を大きくするか(同時に L2 も同じ比率で大きくする)、電源の周波数 f を高くすれば、理想の10倍に近づきます。2次電圧は以下の式(1)で計算できます。

了解致しました。実際のトランスのデータを入れないと正確な2次電圧が得られないのですね。

>   Vout = j*ω*L1/( R1 + j*ω*L1 )*√( L2/L1 )*Vin
>で表わされます( ω = 2*π*f 、j は虚数)。したがって振幅比は
>  |Vout/Vin| = √( L2/L1 )*ω*L1/√( R1^2 + ω^2*L1^2 ) --- (1)
想像していたよりもかなり難しいですね。了解致しました。お手数をお掛けいたしました。
シミュレータではこんな計算までして、2次側の電圧を算出しているのですね。驚きました。

補足日時:2010/07/25 18:01
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この回答へのお礼

いつもお世話になっております。
非現実的かもしれませんが、15段IG倍電圧充電方式を作りました。
ご教示頂きましたとおり、トランスの1次側抵抗を修正したりしましたので、コンデンサー30個分の3kV近くの電圧があるはずなのですが、2.4KVしかありません。原因は何でしょうか?また、電源を100Vから100Kvにするとエラーが発生してRUNできません。ご教示頂きましたら幸いです。

お礼日時:2010/07/25 19:06

「7/15 15段IG倍電圧充電方式(圧縮)」ですね(日付がおかしいです)。

こちらでシミュレーションしたところ、入力電圧の振幅が 100V のとき、-21kV の出力電圧になりました。入力電圧の振幅を 100kV とすると、「Analysis: Time step too small; time = 0.1, timestep = 1.25056e-17: trouble ewith d-instance d1」というエラーメッセージが出ました。なぜでしょうかね。水曜まで仕事なので木曜以降まで待って下さい。
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この回答へのお礼

inara1様、いつもお世話になっております。
お忙しい中、煩わしい質問を繰り返して申し訳ございませんでした。
回路図につきましては、抵抗値等の値が、適当ですので、もっと本等を参考に落ち着いて考えて導くように致します。
また、コッククロフト・ウォルトン回路につきましては、加速器に関する別の新しい質問をして、物理関連の人に教えてもらうように致します。
初歩的なことから、トランスの計算等難しいことまで、いろいろご教示頂き本当に有難う御座いました。再度本を見て勉強し、落ち着いて考え直します。また質問しますので、よろしければ、ご指導頂きましたら幸いです。

お礼日時:2010/07/26 22:20

>トランスって単純なものだと思っていました


構造は単純ですが、特性をちゃんと理解するには、磁気特性や電磁気の知識が必要なので、受動部品の中で最も難解だと私は思います。LCR(インダクタ・コンデンサ抵抗)はチップ部品ができて非常に小さくなりましたがトランスだけは小さくできないですね。

高電圧を作るのはコッククロフト・ウォルトン回路が有名ですが、この回路だとスイッチ(放電ギャップ)が必要ないので簡単に作れるためか、ネットで多くの作製記事をみかけます(例えば http://www.ip.mirai.ne.jp/~murata/pdf/001031.pdf)。最初の交流電圧をあまり大きくしないで多段構成にすれば、ダイオードやコンデンサの耐圧が小さくて済むので作りやすいからでしょう。この回路もLT-Spiceで簡単にシミュレ-ションできるので面白いと思います(このサイトでもコッククロフト・ウォルトン回路の質問が結構あります)。

部品についてのコメントがまだありませんが、高耐圧のコンデンサは入手しにくいで、実験するのであれば、コッククロフト・ウォルトン回路のほうが良いと思います(感電にはくれぐれも注意してください)。最初の交電圧の振幅を10Vpp程度にして多段構成にすれば、50V耐圧の安価なコンデンサ(積層セラミックなど)が使えます。放電ギャップを使う構成だと、放電させるために高電圧が必要なので、高耐圧部品が必要となり、ハードルが高いと思います。

この回答への補足

いつもお世話なっております。
>高電圧を作るのはコッククロフト・ウォルトン回路が有名ですが、この回路だとスイッチ(放電ギャップ)が必要ないので簡単に作れるためか、ネットで多くの作製記事をみかけます
そうですね。私もマルクス回路は今回初めて知ったのですが、コッククロフトとウォルトンは粒子加速器を作りノーベル賞を受賞していますので、聞いたことがありました。

>構造は単純ですが、特性をちゃんと理解するには、磁気特性や電磁気の知識が必要なので、受動部品の中で最も難解だと私は思います。LCR(インダクタ・コンデンサ抵抗)はチップ部品ができて非常に小さくなりましたがトランスだけは小さくできないですね。
高周波するとトランスを小さくできると聞いたことがあるのですが、限界があるのですね。


>最初の交流電圧をあまり大きくしないで多段構成にすれば、ダイオードやコンデンサの耐圧が小さくて済むので作りやすいからでしょう。この回路もLT-Spiceで簡単にシミュレ-ションできるので面白いと思います。
そうですね。高電圧工学の本を見ましたら、コッククロフト・ウォルトン回路は、直列受電方式の拡張したものであることを書いており、またインパルス電圧ではなく直流電圧を得るためのものであることを書いてました。私の目的は、現実に存在する部品を使用して最大何VのIGが、製作可能かを検討することです。よくわかっていないのですが、インパルス電圧の方が直流電圧よりも大きな値が得られると思い込み、コッククロフト・ウォルトン回路(直流回路)よりマルクス回路(インパルス回路)を選びました。この考えは間違っているでしょうか?確かに、大型の加速器にはコッククロフト・ウォルトン回路が使用されておりますので、こちらの方が簡単により高電圧が得られるのでしょうか?もしそうでしたら、明日からコッククロフト・ウォルトン回路に乗り換えます。

>部品についてのコメントがまだありませんが、高耐圧のコンデンサは入手しにくいで、>実験するのであれば、コッククロフト・ウォルトン回路のほうが良いと思います(感電>にはくれぐれも注意してください)。
危険ですので、自分で製作するつもりは全くありません。(笑)

話は変わりますが、非現実的ですが、15段IG倍電圧充電方式を作りました。
ご教示頂きましたとおり、トランスの1次側抵抗を修正したりしましたので、コンデンサー30個分の3kV近くの電圧があるはずなのですが、2.4KVしかありません。原因は何でしょうか?また、電源を100Vから100Kvにするとエラーが発生してRUNできません。ご教示頂きましたら幸いです。

補足日時:2010/07/25 21:05
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この回答へのお礼

inara1様、いつもお世話になっております。
お忙しい中、煩わしい質問を繰り返して申し訳ございませんでした。
回路図につきましては、抵抗値等の値が、適当ですので、もっと本等を参考に落ち着いて考えて導くように致します。
また、コッククロフト・ウォルトン回路につきましては、加速器に関する別の新しい質問をして、物理関連の人に教えてもらうように致します。
初歩的なことから、トランスの計算等難しいことまで、いろいろご教示頂き本当に有難う御座いました。再度本を見て勉強し、落ち着いて考え直します。また質問しますので、よろしければ、ご指導頂きましたら幸いです。

お礼日時:2010/07/26 22:19

私は高電圧回路に詳しくないので、部品の件は詳しい方のコメントをお待ちします。



8段直列充電方式ですが、S6 と S7 の間のコンデンサが1箇所抜けています(技術の森で指摘されていますね)。修正したら過渡解析の条件を
   Stop Time 100.1m
   Time To Start Saving Data 99.99m
   Maximum Time Step 1u
としてください。ピーク電圧が 2.1kV と、理想値(2.88kV)より小さいのは、スイッチの off 抵抗(10MΩ)によるリークによってコンデンサの電圧が 360V に達していないからでしょう。コマンド追加で
.model sw SW(Ron=0.01 Roff=10T VT=2.5)
とすれば 2.5kV になります(2.88kVにならないのは??)。

この回答への補足

いつもお世話になっております。お返事有難う御座います。

>私は高電圧回路に詳しくないので、部品の件は詳しい方のコメントをお待ちします。
よろしくお願いいたします。

>コマンド追加で
>.model sw SW(Ron=0.01 Roff=10T VT=2.5)
>とすれば 2.5kV になります(2.88kVにならないのは??)。
仰る通りにし、かつR6を10オームにしますと、理想値(2.88kV)に近い値が得られました。

追伸
今更なんですが、高電圧インパルスの最高値(理想値)は、結局各コンデンサーの電圧値で決まるのですね。このコンデンサーでしたら、360Vがその値ですが、この値は計算によって求めるにはどうしたら良いでしょうか?計算式をご教示願います。回路図で測定すると確かに360Vでございます。

補足日時:2010/07/25 12:42
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ANo.1です。


この回路の放電経路は R6 だけでなく、R1、R2、R4、R7 も放電経路でした。したがってR6 を大きくしても時定数はほとんど変わりません。コンデンサの容量を大きくしたり、R1、R2、R4、R7 を大きくすれば時定数を大きくできますが、そうすると充電されるまでの時間がかかります。コンデンサと抵抗の値を変えてシミュレーションしてください。

この回答への補足

いつもお世話になります。お返事有難う御座います。
回路図まで書いて頂き、誠に有難う御座います。
>出力(R6とR8の間)での波形は、スイッチが入った瞬間に -1.4kV になり、その後 25μs くらいの時定数で減衰していきますので、波形表示を 200ms と大きくしてしまうと、細いピーク(インパルス)が見えません。
仰るとおりやってみましたら、見事1.4kVが得られました。測定ポイントはR2の手前だと思い込んでおりましたので、700Vしか得られませんでした。

>コンデンサと抵抗の値を変えてシミュレーションしてください。
了解致しました。可能な限り、大きな高電圧のインパルスを作りたいのですが、それにはまず大きな容量のコンデンサーが必要になります。このようなIGで使用されているコンデンサーの容量は、どのくらいの大きさの物が使用されているのでしょうか?
世の中に存在する大きなコンデンサー、リアクトル、抵抗はどのように調べれば良いでしょうか?(存在しない容量のコンデンサーで検討しても駄目なのでご教示願います。)

補足日時:2010/07/24 20:14
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回路図です。

「多段インパルス発生回路で高電圧インパルス」の回答画像2
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この回路は正常に動作しています。


どんな回路か分からない人もいるので、倍電圧充電方式(2段)IG の回路図を貼っておきます。

この回路は4個のコンデンサを、それぞれ360Vに充電した状態にしておいて、3個のスイッチ(S1~S3)を同時にONすることで、全てのコンデンサを直列に接続し、4倍の電圧(1.44kV)を発生させるものですね。しかし、コンデンサの容量が 100nF と小さいので、コンデンサに蓄積された電荷は、負荷(R6, L4, R3)を通じて速やかに放電してしまいます。コンデンサは4個直列になっているので、合成容量は 100nF/4 = 25nF になります。それが R6, L4, R3 を通じて放電されるので、時定数は 25E-9×2000 = 50E-6 s = 50μs くらいになります(シミュレーションすると時定数は 25μs くらいでした)。出力(R6とR8の間)での波形は、スイッチが入った瞬間に -1.4kV になり、その後 25μs くらいの時定数で減衰していきますので、波形表示を 200ms と大きくしてしまうと、細いピーク(インパルス)が見えません。

過渡応答の計算条件と波形表示条件を以下のように変えてみてください。計算にちょっと時間がかかりますが、ちゃんと -1.4kV のインパルスが出ています。
メニューの Simulate → Edit Simulation Cmd → Transient タブを選び、 Stop Time を 100.1m、Time To Start Saving Data を 99.9m、Mazimun Time Step を 0.5u に変更
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