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経済学では投資=貯蓄といういわゆる S=Iという数式がY=C+I(S)から説明されています。 この理屈自体は理解できるのですが、実際の社会概念で貯蓄が全て投資に回るというという現実があるかと言えばありませんよね。 この経済学でいうS=Iの概念と現実社会との違いを教えてください。

一部の経済学者ではS=Iだから乗数理論はなりたたないとか、
国会議員でもS=Iだから公共投資は不要だみたいな言い方をされた人もいました。

私の様な浅学な者にも判るようにどなたか教えてもらえないでしょうか?

よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

以下では簡単化のため、政府や海外部門を無視して説明します。



> 実際の社会概念で貯蓄が全て投資に回るというという現実があるかと言えばありませんよね。

簡単にいえば、経済学でいうところの投資と、一般的な投資とは少し(というか大分)異なっていることに原因があります。まぁ、専門用語は得てしてそんなものですが。

経済学でいうところの投資は、簡単にいえば「生産されたもののうち消費されなかった部分」です。なので生産物=付加価値の総和は、消費されたものとされなかったもの(=投資)に分けることができます。
例えば、売れ残りは在庫投資と言う名前で「投資」の一項目として扱われます。

一方で貯蓄は、所得のうち消費に使われなかった部分です。
ここで所得は、生産されたものを分配したものなので、全員を足し合わせると全体の生産額に等しくなります。消費に使われた部分は、消費された財と同額です。消費に使われた部分と消費された財が同額となるのは、国民経済計算では生産を市場価値ベース、すなわち取引価格をベースとして計上しているためです。

したがって、少なくとも短期的には、貯蓄と投資も等しくなります。


一般的には「投資」は株に代表される金融投資や工場などの企業投資を指して使う場合が多いですが、このうち、例えば株などの金融投資の一部のように、経済学的に言って投資ではないものも含まれますし、逆に例えば「売れ残り」のように、経済学的に投資であるにもかかわらず投資として扱われているものもあります。

> 一部の経済学者ではS=Iだから乗数理論はなりたたないとか、国会議員でもS=Iだから公共投資は不要だみたいな言い方をされた人もいました。

国会議員の方は単に不勉強なのでしょう。

経済学者の方と言うのは、多分小野教授らのことでしょうけれども、S=Iだから乗数理論が成り立たないのではなくて、瞬間的なものだけに終わってしまうために、所得を恒常的に増加させることにつながるように公共事業を行うときな慎重に議論しなければならない、というような論調であったと記憶しています。
公共投資=悪、ではなくて、どのような公共投資でも良いからとにかくばらまくという姿勢が悪であり、例えば小野教授は菅首相のブレーンの一人でありながら子ども手当には反対しています。
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この回答へのお礼

早速の回答有難うございました。

経済学でいう投資という概念が一般的な概念と違う事が納得できました。
ただここのポイントは以外とみんなひっかかるのではないでしょうか。
くだんの経済学者といい、国会議員といいそれなりの見識と学識を持った方々でさえ
間違えるという事は多くの人がこの事を理解していないということですね。
正直、どうしたら良いのですかね。 良く分かりません・・。

せっかくのご丁寧な回答をもらっていながら落ち込んでしまいました。
失礼しました。

お礼日時:2010/09/21 22:04

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