クオリア問題を進化の仮定に沿って考察された歴史はありますか？

クオリア問題を進化の仮定に沿って考察された歴史はありますか？

○○にはクオリアはないけど□□にはあるだろう
□□のほうがより高度に進化した生き物で、だから○○にはなくて□□にはあるあの組織が
クオリアの発生に関与している！

なんていう脳科学者はいませんでしたか？
形態的な特徴から逆引きしていくことによって何とかなりそうな気がします

あと、クオリアは猿のクオリアもカエルのクオリアも、全てクオリアと呼ぶのですか？
低級クオリアとか高級クオリアとかあって、低級な方はもしかしたら脳のこの機能により説明できるかもしれない！
なんてことはないでしょうか？

No.1 回答者： cpbr 回答日時： 2010/10/06 13:02

Eric B. Baumというひとが「What Is Thought?」という本を書いています（The MIT Press）。

その中の１４章The Evolution of Consciousnessで、Qualiaについて論じています。巻末に引用文献も載っています。

この回答へのお礼

回答ありがとうございます
洋書ですね・・・
よろしければどのような結論に至ったか教えてもらえませんか？

お礼日時：2010/10/06 16:19

No.2 ベストアンサー 回答者： cpbr 回答日時： 2010/10/07 12:04

Qualiaは生物学者よりも哲学者が好んで使う概念のようで、この本の中でもQualiaの生物学的な研究が紹介してあるわけではありません。

著者は脳をコンピューターとみなしており、その中にある種々のプログラムは進化の過程で種と個体の保存を最適化するために生み出され、環境に応じて変化してきたと考えています。我々に感情があるのも、その方が生存に有利だからです（この本に書いてあったかどうか自信がありませんが、感情が無いと素早い判断が出来なくなることは、脳の感情に関わる領域に損傷を負った患者さんの研究から明らかになっています。とっさに戦うか逃げるかの判断が出来ないのは、特に原始時代ではかなり生存に不利だったはずです）。著者はQualiaも脳のプログラムのひとつと考えています。赤い色の「赤さ」を実感するのが、どうして生存に有利なのか、説明は今のところ困難ですが、コンピューター・プログラムではないなにものかを想定する必要はないと言っています。哲学的な議論に登場する普通の人間と全く同じに見えるが実はQualiaがない人間というのは、仮定にしても想像するのは困難です。なぜならQualiaを生み出すプログラムなしに普通の人間と区別がつかない行動をとるのは出来ないと思われるからです。
Qualiaの問題は、感情だけでなく、意識とか思考とも深く関わっています。ですから人間に近い動物のQualiaを考えるのは容易ですが、どこまで範囲を広げられるかは、なにをQualiaとするかによって変わってくるでしょう。私には十分な知識がありませんが、形態的な特徴から逆引きしていけるほど、色々な生物の脳（と神経系）のことが機能と形態の両面から理解されているとは思えません。

この回答へのお礼

わざわざ訳してもらい、ありがとうございます

＞コンピューター・プログラムではないなにものかを想定する必要はないと言っています
そうですね。コンピュータと言い切ると少し違和感を感じますが
僕も単純に二元論にいきつくのはいかがなものかと思います

＞形態的な特徴から逆引きしていけるほど、色々な生物の脳（と神経系）
＞のことが機能と形態の両面から理解されているとは思えません
そうだったんですか、単純な生命体の神経系についてもそこまで謎だったんですか
驚きです

お礼日時：2010/10/07 20:10