
民法116条但書についての説明書きで、
追認の遡及効が第三者の権利を害する場合、追認は遡及効をもたない。追認するまでの間に相手方Cから権利を取得した第三者Dは保護されるという趣旨である。しかし、その権利が債権の場合には優劣の問題を生じないし、物権の場合には対抗要件によって決せられるのが原則である。したがって、Cの権利もDの権利も共に排他的効力を有しているような場合に適用されるにすぎない。例えば、AのCに対する債権をAの無権代理人Bが代理受領した後、Aの債権者が同一債権を差し押さえて転付命令を受けた後で、AがBの受領行為を追認する場合などである。
とありました。
116条但書きの趣旨はわかるのですが、
上記の
権利が債権の場合には優劣の問題を生じない、物権の場合には対抗要件によって決せられるのが原則』
とはどうゆうことでしょうか?
例えに挙げているのは債権の場合とは別なのでしょうか(ToT)
頭が混乱してわけがわかりません。
詳しい方教えて下さい(>_<)
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
補足について回答します。
>要するに、通常、債権やついては、追認に遡及効があってもそれにより第三者が被ることはない。
>すなわち債権や物権では追認遡及効は問題とならない。
追認の遡及効により,第三者が損害を被ることはない,ということなら
おっしゃるとおりです。
>しかし
>例の場合、問題となっているのは債権であるけれども(通常債権のでは追認の遡及効は問題とならない)この債権はDが独占的に弁済を受ける権利を持っていてそれを保護するために遡及効が適用されなかった。
Dの権利保護の必要性という点の理解にはまったく問題がありません。
良く理解されていると思います。
より正確にいえば,Bの権利も排他的効力を有しており,
それゆえ,Dの権利保護が必要となるのだとご理解下さい。
つまり,Bは,Cからの弁済を代理受領しており,これが追認されて有効になると,
弁済によって債権は消滅することになります。
弁済によって消滅した権利は,他の誰も行使することができませんから,
その意味で,Bの権利にも排他的効力があり,このため,Dの権利が害されるのです。
これが,当初の質問にある「Cの権利もDの権利も共に排他的効力を有しているような場合」
(ここではBの権利とDの権利ですが)なのです。
No.1
- 回答日時:
>権利が債権の場合には優劣の問題を生じない
というのは,
相対権である債権は,同種同内容の権利が併存し得,
相互に優劣がないという当然の帰結を示したものです
>物権の場合には対抗要件によって決せられるのが原則
これも,物権変動の対抗要件を定めた177条の
当然の帰結(先に対抗要件を備えた者が優先すること)を示したものです。
116条ただし書の趣旨は,質問者の方も書いておられるとおり,
追認の遡及効から第三者を保護するという点にあるので,
同規定が適用されるのは,追認に遡及効が認められることによって
第三者が不利益を受ける場合に限定されることになります。
しかし,債権に関していえば,追認により新たな債権が発生しても,
債権相互間に優劣がない以上,従前の債権者が不利益を受けることはありません。
また,物権に関しても,その優劣は対抗要件具備の先後で決せられるので,
対抗要件を先に具備していれば,その後に追認があろうとなかろうと,
第三者が損害を被ることはありません。
該当部分の説明は,そのことをいっているのです。
では,例えにあげている部分はどうなのかというと,
この場合,AのCに対する債権をめぐって,
Cから当該債権の弁済を代理受領したBと,
当該債権の転付命令を受けたAの債権者(Dとします)とがいます。
Bの代理受領についてAの追認がなされる前,Dは,転付命令により,
Cからの弁済を独占できる地位を確保しています。
しかし,AがBの代理受領を追認した場合,追認に遡及効があるとすると,
転付命令より先の代理受領が有効となり,当該債権が消滅してしまうので,
転付命令も効力を失い,Dは不利益を被ってしまいます。
ですから,このDを保護すべく,116条ただし書が適用されるのです。
ご丁寧回答ありがとうございます!
とてもわかりやすかったです^^
確認のためなんですが、
要するに、通常、債権やついては、追認に遡及効があってもそれにより第三者が被ることはない。
すなわち債権や物権では追認遡及効は問題とならない。
しかし
例の場合、問題となっているのは債権であるけれども(通常債権のでは追認の遡及効は問題とならない)この債権はDが独占的に弁済を受ける権利を持っていてそれを保護するために遡及効が適用されなかった。
という解釈で良いんでしょうか?(>_<)
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 行政書士試験の民法についての質問になります。 時効についての質問になります。 問 Aが甲債権の担保と 1 2023/07/06 21:51
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 ★行政書士試験の民法についての質問になります。 時効についての質問になります。 問 Aが甲債権の担保 1 2023/05/22 21:49
- 法学 民法でこの2問がわかりません。 1.不法行為について、正しいのはどれか。 A.法律上保護される利益の 1 2022/07/27 02:10
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 不動産登記、譲渡担保権等について 1 2022/06/16 04:22
- 法学 根抵当権分割譲渡登記 債権の範囲について 1 2023/02/06 10:59
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 行政書士の民法(時効)についての質問です。 ①時効の援用についての質問になります。 後順位抵当権者の 1 2023/04/27 21:01
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 行政書士試験の民法についての質問になります。 解除についての質問になります。 問 Aが、その所有する 2 2023/07/18 17:33
- その他(法律) 金銭債権への差押えが競合した場合、差押えの効力が及ぶ範囲が差押債権全体に及ぶ(民事執行法149条) 2 2023/05/15 07:00
- 法学 法学 民法 債権 『二人の者のが相互に金銭債権を有している場合において、その一方は自働債権の弁済期が 1 2022/06/06 14:34
- 弁護士・行政書士・司法書士・社会保険労務士 ★行政書士試験の民法についての質問になります。 時効についての質問になります。 問1 Aは、その所有 2 2023/07/06 22:46
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
「法的性質」とはどういう意味...
-
租税債権とはなんですか?
-
簿記3級独学勉強しています こ...
-
民法上の財産権について
-
友人がメルペイスマート払いの...
-
株式会社東都標識社へお金をは...
-
経済用語で「元をとること」を...
-
仕事上のミスでお客様に自腹を...
-
夫が職場でいじめられ、山に置...
-
勤務先での私物の宅配便の受け...
-
回収予定日の計算がわかりませ...
-
商品の委託販売先が倒産した場...
-
セブンイレブン出禁について
-
差し押さえ後のサービサー移管...
-
ペリリュー島での漂流事故の詳細
-
訪問先で名乗らない社会人。 と...
-
粗大ゴミを自分で破砕して、「...
-
進行方向とは逆向きに停車
-
【ニッテレ債権回収株式会社】...
-
洗濯機を捨てたい、運びたい
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
被担保債権と被保全債権の違い
-
債権の発生時期について
-
数年前の置き薬。何年も連絡な...
-
根抵当権の根(ね)ってどうい...
-
自働債権と受働債権
-
個人間の金銭貸借で発生した債...
-
「法的性質」とはどういう意味...
-
根抵当権と連帯債務
-
返却したはずのレンタルDVDの延...
-
定期金債権と定期給付債権の違...
-
物上保証人が破産した場合の別...
-
https://trade.smbcnikko.co.jp...
-
「自働債権」って何?
-
この具体例を教えて下さい。民...
-
賃料債権とは
-
支払督促と少額訴訟ってどうい...
-
被担保債権
-
根抵当権移転の登録免許税率
-
民事再生の開始決定前の債権
-
債権放棄通知
おすすめ情報