あなたの習慣について教えてください!!

日本国憲法憲法はGHQによって構成された憲法だと思うのですが、これは日本の民定憲法と言えるのでしょうか。
民定憲法を国民の意思によって作られた憲法と理解しているのですが、それが間違いなのでしょうか。

みなさんのお考えをお聞かせください。

A 回答 (6件)

憲法学的な回答をお望みということでよろしいでしょうか?


(政治的主張を排除して考察された回答という意味です)

質問と回答が前後しますが、

>民定憲法を国民の意思によって作られた憲法と理解しているのですが、それが間違いなのでしょうか。

民定憲法の直接的な定義は
「国民が直接に、または国民から選ばれた代表者を通じて制定する憲法」
です。フランス憲法、アメリカの各州の憲法等が当てはまります。

ただ、憲法学においては、こういう形式的な手続きにとどまらず、
実質的側面にも着目して考察するのが普通です。

・日本の場合はポツダム宣言を受諾した時点で国民主権国家となった
 (ポツダム宣言に含まれていた条項です)
・このため、日本国憲法は形式上明治憲法73条による改正の形をとっているが、
 実質的に天皇の裁可権、貴族院の議決は効力を失っていた。
 すなわち、事実上衆議院、つまりすでに普通選挙によって選ばれた議会によって
 制定された憲法といえる。

という面に着目して、日本国憲法は民定憲法だと解するのが通説になっています。
(俗に言う八月革命説。もっとも、異説はあります)

>GHQによって構成された憲法だと思うのですが

この問題は、日本国憲法の民定性よりも、むしろ「自律性」
(日本国民が自律的に制定した憲法かどうか)の問題となります。

歴史的経緯を言えば、松本烝治を委員長とする憲法問題調査委員会委員長が作った
いわゆる松本案は天皇大権をわずかに制限したこと以外はほとんど旧憲法と違いがなかったため
GHQによるいわゆるマッカーサー草案を作成し、この採用を求めました。
日本国憲法はおおむねこの草案をベースに作成されたことは間違いないです。
このため、いわゆる「押し付け憲法論」が根強く残っているのは確かです。

もっとも、マッカーサー草案は、
・国会一院制
・憲法事件において司法が下した判決を国会が再審できる
等、現行憲法に必ずしも採用されていない部分もありますので、
必ずしも完全にマッカーサー草案を飲んだわけでもないです。

また、
・マッカーサー草案前後の知識人や世論調査によれば、多くの国民が日本国憲法に近い価値観を持っていた。
・帝国議会(上記のとおり、この時点では事実上ほぼ完全に民主的機関になっていた)もマッカーサー草案を積極的に支持していた
・議会における草案は法的拘束なしに自由な審議のもとで可決されている
・日本国憲法の基本原理はおおむね国民に受け入れられている

…等のことから、完全とは言えずとも自律性はあると解されています。
少なくとも「非自律的」と決めつけるのは言い過ぎというのがスタンダードな理解です。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり、申し訳ありません。

歴史的背景やその流れを実際に知ることができ、ただの押し付けとは言えないということが分かりました。ありがとうございます。

教科書で日本国憲法は民定憲法と書かれていても腑に落ちないところがあったのですが、今回教えて頂いたおかげで納得することができました。

本当にありがとうございました。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。

お礼日時:2010/11/25 21:47

No.5です。



このあたりの日本憲法制定史、日本国憲法の性格に関する議論を詳しく知りたい場合は
佐藤功「憲法」がいちばんいいと思います。
もっとも、分厚い割に字が小さくて読むの疲れますけど(苦笑)。

憲法の概説書は多かれ少なかれどの本でも憲法史に関する議論はなされていると思います。
(たとえば有名な芦部憲法でも、結論のみの箇条書きですが、触れられています)
少なくとも「GHQに押し付けられた」で片づけられるような単純な議論でないことは
ご理解いただけるかと思います。
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この回答へのお礼

お返事が遅くなり、申し訳ありません。

おすすめして頂いた本を借りてきました!
噂通り分厚いですね~(笑)ですが頑張って読んでみます。

いろいろな本に目を通し、日本国憲法がGHQのおしつけという一言では片付けられないことを身を持って実感したいと思います。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/25 21:42

#3;補足


 【 】内は私が#3で書いたことですが補足します

 【そして大日本帝国憲法の改正という手続きで制定されています。】
 【大日本帝国憲法の原理を大きく逸脱し、改正という外見的継続性も欺瞞です。】
 このことで一点をあげれば、
 政治的な手法で、法理論からいえば正当化がむりなことです。
 大日本帝国憲法は欽定憲法であり、統治権を総攬する天皇に制定権と改廃権が最終的に帰属するという建前をとっています。
 一応立憲君主制ですから。
 そして統治権という意味の主権は天皇にあるということになっています。
 しかし現行日本国憲法は国民(の正当に選挙された代表者“われら日本国民は”)が定めた、そして統治権は国民にあることになっている。
 君主制から民主制への移行です。
 統治権や制定権を根本的にひっくり返した改正は法的にはジャスティファイできないが、憲法制定とい行為は超法行為ですので、有効かどうかの問題は論じる外にあります。
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この回答へのお礼

補足をありがとうございます。

改正は法の守備範囲を超えた、想定しない行為ということなのでしょうか。

そういったことに目をむけたことはなかったので、興味深いです。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/25 22:01

 謳っている文言と原理は民定憲法である事はいうまでもないでしょう。



 【日本国憲法憲法は“GHQによって構成“された】ではなく、指導とイニシャ、主導、意見強制でしょう。

 憲法も法規であり、当為の原理ですから現実とことなり、あるべき(実現すべき)ことを謳うのですが、民定を謳っていることとは懸隔が甚だしい制定過程であることはいうまでもありません。
 無論両院で長く、自由に議論を経てはいますが、その前のそしてその進行は実体とことなります。
 外国の武力的主権(統治高権)制約の下で、国民にしろ統治権にしろその意志から発した制定だということはいえません。

 そして大日本帝国憲法の改正という手続きで制定されています。
 大日本帝国憲法の原理を大きく逸脱し、改正という外見的継続性も欺瞞です。

 だからといって、現行憲法を否定する意志や思想はこれも正しくはないと存じます。
 他の法規にしろ、とりわけ憲法はいろんな政治過程の中での所産であるのが古今東西の憲法の宿命ですから、政治的であらざるを得ません。
 かの米国はあちこちの占領支配したところに自己の政治理念を殖民する憲法を制定させています。
 悪くはないが、それぞれの民族と伝統の見地からは一概に恩人であるばかりでもありません。
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この回答へのお礼

回答頂きありがとうございます。こちらからのお礼が遅くなり、申し訳ありません。

民定とは言い難いが、だからといって否定できるものでもないということですね。

戦後、アメリカ主導で改正されなくても、おそらくは改正が求められたのではないかと思います。それならば、ソ連よりアメリカの占領下であったのが日本の幸運だったのではないかと感じました。
しかしお話頂いたことから、たしかに自国の築いてきたものを考えると、一概にアメリカを恩人とは言えないということも考えさせられました。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/25 21:55

現代の憲法は国民主権に違反していると思います。


その意味で、民定憲法では無いと考えます。

この場合の、国民主権というのは、最終決定権が
国民にある、ということですが、当時は占領下で
いわば米国軍に銃を突きつけられて、制定された
憲法ですから、国民主権に反することは明らかです。

だからと言って無効だとすると現実的でない、という
ことで、色々と説明されています。
代表的なのが、追認説です。
後から、国会や国民が追認したから有効だ、という説です。
しかし、これには次の問題点があります。
1,追認したから有効だ、というのなら、追認するまでは
  無効だったのか。
2,そもそも追認できる、なんて根拠が何処にかかれているのか。
3,遡及的追認だ、とするのなら、ますますその根拠を問われます。

フランス憲法などは、占領下でなされた憲法制定は無効だと
明記されています。
日本も、無効だとして、新しく自主的な憲法を作るべきだと
思います。
手続きですが、あらかじめ、憲法を作成用意しておいて、
現憲法廃止ー制定をタイムラグ無しでやればよいと思います。
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この回答へのお礼

回答頂きありがとうございます。お礼が遅くなり、申し訳ありません。

日本国民の主権の及ばないところで制定された憲法であり、民定とは言えず、独自の憲法を制定すべきということですね。
たしかに、日本は独自の憲法を持ったことがないと思われますので、自らの制定がなされるとなれば、それは大変画期的でやっと一人立ちするような心地に思えます。

これからどうなっていくのか、出版されている本などでいろいろな意見に目を通し、注目していこうと思います。

ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/25 22:07

民定憲法は君主が制定する欽定憲法に対する言葉であり、代議員によって構成された帝国議会の決議によって、原案にいくつかの修正を加えて成立した日本国憲法は、間違いなく民定憲法です。


GHQはその原案に関与しただけであって、GHQが制定したわけではありませんから、「押しつけられた」という要素がないわけではないとしても、「日本国民の意思で作られたものではない」とは言えないでしょう。当時の日本人は統帥権をはじめとする大日本帝国憲法の問題点を疑問視し、日本を破ったアメリカを手本としようと考えていたでしょうから(この過程にGHQの宣伝活動が影響していたのは確かでしょうが)、大抵の日本国民は新しい憲法に喝采をもって迎えたはずです。帝国議会における、賛成421票、反対8票という圧倒的多数による可決がそれを示していると思います。
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この回答へのお礼

回答頂きありがとうございます。お礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。

日本国憲法はアメリカ主導での制定ではありましたが、望まれていたものだったのですね。

具体的な数字を教えて頂いたおかげで、より納得して理解することができました。

大変わかりやすく解説頂き、感謝しております。ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/25 22:12

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