
都市伝説的に、「空手の有段者はそのもの自体が凶器と一緒だから、傷害事件を起こすとたとえ相手の方が悪くても裁判で不利になる」と言われますが、実際の判例として武道(出来れば空手)の有段者が路上等で素手による喧嘩を行い、傷害事件として起訴され、結果的に有段者ゆえ不利な判決が出た例はあるのでしょうか?
例えば、被害者が先に喧嘩を吹っかけたが返り討ちに合い、全治2週間の怪我を負った。その際、加害者(喧嘩を吹っかけられた方)が普通の人だったら不起訴、空手有段者だったら起訴みたいな事例は有るのでしょうか?
一般論では無く、法解釈若しくは判例での回答をお願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
喧嘩の事例ではないのですが、刑法の教科書で「英国騎士道事件事件」(勘違い騎士道事件)と名付けられて紹介される有名な判例を読んでみてください。
一審は、被告人の行為を誤想防衛として無罪判決を出しましたが、検察官が控訴して、控訴審の東京高裁は誤想過剰防衛として有罪判決を言い渡し、最高裁も高裁の判決を支持しました。最高裁の決定は、内容があっさりしすぎているので、参考URLは東京高裁の判決のものです。読むと分かると思いますが、「空手の有段者はそのもの自体が凶器と一緒」何て言う論法は採用していません。それから、被告人が空手の有段者であることは、例えば「被告人は顔面に対する回し蹴りの威力や危険性は認識していた。」とか、「被告人は寸止めにできる技量を有しいてる。」と認定する判断材料になっている点で、結果的に被告人にとって不利な事情と言えるでしょうが、あくまで、事情の一つとして考慮しているのであって、決して、「有段者」であることが決定的な事情になるわけではありません。
参考URL:http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/216A2E6DD1EF6 …
buttonholeさん
大変遅くなりましたが、回答ありがとうございました。
他の回答者さんもこの事例をあげてましたが、もしかしたらこの事件をきっかけに「空手の有段者は~」の説が流れたのかも知れませんね。
参考URLもありがとうございます(読みました)。
例えば、ものすごくガタイが良いが格闘技などの経験は一切無い。しかし、子供の頃から喧嘩三昧。この様な人なら「威力や危険性は認識していた」と判断されるのか興味が有ります。
No.4
- 回答日時:
○例えば、被害者が先に喧嘩を吹っかけたが返り討ちに合い、全治2週間の怪我を負った。
その際、加害者(喧嘩を吹っかけられた方)が普通の人だったら不起訴、空手有段者だったら起訴みたいな事例は有るのでしょうかその比較はちと難しいですね。同じ条件で普通の人と有段者とを比較することが、なかなかできないですからね。もしできるとすれば、素人の人と、空手の有段者が同じ人を同じ機会に殴り、その結果両被告人に対する刑の量が異なった例はあるか?という話になるかと思いますが、そういった例は聞いたことがありません。
また、そもそも、「全治2週間」という部分が同じなら、基本的には同じ結論になるはずなのです。結局刑罰というのは起きた結果にかなり重点が置かれますからね。素人ががんばってたくさん殴って2週間の怪我、有段者が軽く一発殴って2週間の怪我、ということだと、もしかするとたくさん殴ったほうが悪質だと判断されるかもしれませんよ。
さて、これだけだと「一般論」になってしまうので、一つ判例を紹介します。
これは誤想防衛が争われた事件です
空手三段の在日イギリス人が、ある夜、道端で、酩酊した女と、別の男とが揉み合うのを目撃しました。
みていると、その酩酊した女は「ヘルプミー、ヘルプミー」などと叫んでいます。
イギリス人は、これは女性が暴行を受けているものと思い、、二人の間に割って入り、「やめなさい!レディーですよ」などと注意しました。
すると、男のほうは、なにやらボクシングのファイティング・ポーズのような姿勢をとりました。
男が自分に殴りかかってくるものと誤信したイギリス人は、とっさに空手技の回し蹴りを男の顔面付近に当て、同人を路上に転倒させ、その結果、後日死亡させてしまいました。
ところがこの事件、実際には女性は男に襲われていたのではなく、単に酔っていたところを男に介抱されていただけでした。「ヘルプミー」と叫んだのも半ば冗談でしょう。男がファイティングポーズをとったというのも、おそらく、そのイギリス人に驚いて身構えただけだと考えられています。実際、男はなんの武道の経験もなかったようです。
レディーを守ろうとしたイギリス人は結局傷害致死に問われてしまいました。実際には誤想過剰防衛として執行猶予がつきました。
(最高裁昭和62年3月26日判決、通称「ヘルプミー事件」又は「騎士道事件」)
さて、この事件で一番不幸だったのは、このイギリス人が空手の有段者だったことかもしれません。普通の人であれば、たとえ回し蹴りをしたとしても、それが原因で相手を死亡させる可能性は少ないでしょうから・・・。
そういう意味では、結果的に有段者ゆえに不利な判決が出た例、といえるかもしれません。しかし、基本は、生じた結果が重いか軽いか、が問題です。
InfiniteLoopさん
大変遅くなりましたが、回答ありがとうございました。
もしかしたら、この事件がきっかけで空手の有段者の拳(もしくは蹴り)は凶器に等しいと言う都市伝説もどきが出たのかも知れませんね。
事例の紹介、ありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
武道全般ではなく、空手で瓦を素手で割ることができる流派の有段者は、常時トンカチのような凶器を携帯しているとみなされます。
これは通説です。したがって、相手が凶器をもって攻撃してきた場合は正当防衛となりますが、相手が素手で攻撃してきたときに受傷させた場合は過剰防衛の可能性がでてきます。
つまり、ナックルを使って返り討ちにした結果受傷させた場合と同じです。
watch-lotさん
回答ありがとうございます。
一番知りたかったのはwatch-lotさんの回答の部分で、watch-lotさんが言っている「通説」とはどの様なものなのでしょう?
少し話しが長くなります。
元々は、空手の有段者は警察に届けると言う「都市伝説」が質問のきっかけでした。これに関しては単なるデマなんですが、同じく良く聞く伝説が、watch-lotさんがあげてる「空手を瓦を素手で割る事が出来る流派の有段者は~」の下りです。
瓦を割るのはコツだけです。ですから空手の経験の有無が関係無く、コツで割る事が出来ます。また素手で瓦を割る事が「出来ない」流派なんて言うのも存在しないのです。
空手に疎いと、フルコンの喧嘩空手と寸止め空手の二種類ある様に思う人も多いかと思いますが、寸止めの流派の有段者も、勿論瓦を割る事が出来ます。
空手の有段者と言ってもピンキリです。それを一様に有段者だからというくくりで「凶器を携帯している」と見做されるのが、理解できなかったのです。
また、「瓦を素手で割る事が出来る流派」と認定されればその流派は箔がつくと思いますが、実際に被告となった際に「○○流は瓦を割れないと認定したので無罪、貴方の流派は割れると認定したので有罪」ともなり兼ねなく、法の下の公平性にも欠けると思います。
そこで再質問ですが、
・瓦を素手で割る事が出来る流派の認定はどこがするのか?
・「通説」とは法学者が出している説なのか?判例に基づく説なのか?
・もし法学者説なら大学名と教授名を
・もし判例なら何年のどこのどこの法廷かを教えて下さい
つまり、「空手の黒帯(有段者)は警察に登録される(する)」が都市伝説的な「通説」(これは空手家自身でも信じている人もいる)と同様に、「空手の黒帯(有段者)のコブシは凶器と同様とみなされる」も都市伝説的な「通説」なのかどうか。
わかり易く言うと、某歌舞伎役者を殴ったとされる加害者が仮に有罪となった場合、その判決ではコブシを凶器として認定されないが、実は真犯人が別にいて、その真犯人が試合の試し割り等で瓦を割る流派の有段者だった場合、判決文の中で、そのコブシは凶器とみなされるのか?
と言った感じです。
ガタイが良くても武道未経験者ならコブシは凶器と見做されず、ガタイが良くなくても有段者なら凶器と見做されるという事が本当にあるのかどうかが知りたいのです。
別の回答者さんの上げてくれた地裁判例でも、ボクシングの心得は指摘しつつもそれを持って凶器とは見做していないと読み取れると思います。
No.2
- 回答日時:
ざっくりと判例を「空手」で検索しようとすると、「空手形」なんかの商業取引に関する判例の文字列に引っかかって探しにくいみたいです。
質問の希望には合わないですが、格闘技の経験が情状酌量や量刑に影響を与える事例はあるようです。
判例検索 - 平成13(わ)813 平成14年03月26日 東京地方裁判所 八王子支部
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_i …
| ~その犯行動機に酌量
| の余地は乏しく,ボクシングの心得がありながら,無防備の被害者の身体の枢要部
| である頚部付近を右手こぶしで強打したというのであって,これが致命傷であった
| ことに照らしても,強烈な攻撃であったということができ,~
実際にボクシングやってなかったら量刑が変わったか?っていうと微妙ですが。
neKo_deuxさん
回答ありがとうございます。
判例の紹介もありがとうございます。確かにボクシングの心得が決定打になったかどうかは微妙ですね。

No.1
- 回答日時:
傷害の程度と状況によるので。
例えばナイフ持って襲いかかられて、危険を感じて相手に傷害負わせても
正当防衛にあたるので無罪になるか過剰防衛になるかが警察の判断によります
例えばこの状況だったら片目潰すなどして、一生治らないとかでも状況によるので
例えば両目潰したら片方は正当防衛、もう片方にたいしては過剰防衛とかね
被害者が先に喧嘩を吹っかけたが返り討ちに合い、全治2週間の怪我を負った。
上記の程度なら有段者だろうが、一般市民だろうが関係なく
過剰防衛にあたり、傷害罪です
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