dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

子供が上記の検査を受けました。

言語性IQ 121
動作性IQ 101
全検査  113

群指数
言語理解 120
知覚統合 90
注意記憶 106
処理速度 136


下位検査

知識 12
類似 11
算数 14
単語 16
理解 14
数唱  8

完成 10
符号 17
配列  5
積木 10
組合  9
記号 16
迷路 13

という結果が出ました。

そこで、よくわからないのですが、いろいろな項目の「差」大きいらしく、低い項目に支援をと言われました。

処理速度が速いと言われるのですが、だからどうなのでしょうか?
配列の項目が低いので「因果関係」を具体的に支持するようなことを言われました。

その後、世の中には仕方がないことが多いってことを覚えようと先生に言われただけで終わったのですが・・・

SSTの本などで足りない部分を補うような感じでしょうか?
また、上記の結果で「アスペルガー」と言われたのですがそうなのでしょうか?


 

A 回答 (2件)

臨床心理士で、大学の教員です。



お子様がアスペルガーという診断を受けられたということで、さぞご心配なことと拝察いたします。

私は、発達障害の子どもたちの認知的な特徴や、知能検査を用いたそれらのアセスメント、そのアセスメント結果に基づいた支援計画の作成などを専門としていますので、今回の結果について、若干のご説明を書かせていただきます。

まず、受検された検査ですが、正しくは、“WISC-III(ウィスク・スリー)”です。(Kではなく、Cです;正式な名称が、Wechsler Intelligence Scale for Chiildren third edtionですので、その頭文字をとって、通常、WISC-IIIと呼ばれています)。
医療機関や児童相談所で、もっともよく使われている子どもの知能診断検査です。
今年(2011年)1月に、この改訂版であるWISC-IVが出版されましたが、WISC-IIIもまだ広く使われています。

WISC-IIIを用いたアセスメントは、日本版の著者によって、かなり体系化されていますので、以下、その方法に沿って、ご説明します。

1.知能指数(IQ)
ある年齢集団の中で、お子様の知的な水準が相対的に見て、どのくらいかを示します。いずれの指標も、平均的な能力がある場合に、100となるように統計学に基づいて作られた指標です。IQ90~109になる子どもが、全体の50%になるように検査結果から換算します。
お子様の場合、全検査IQ=113ですので、「平均の上」というレベルですので、全体的な知能の高さとしては、とくに問題はありません。

言語性IQが、121と「優れている」範囲に含まれますが、動作性IQ=101(これも平均の範囲ですから、数値としては気にする必要ありません)に比べ、20ポイントの差があります。統計学的に見て、これは、意味のある差(有意差)と考えられ、お子様の場合には、言語的な能力の方が、動作的な能力よりも高いと考えられます。

ただし、このIQについての言語性と動作性との区別は、最近になって、理論的な根拠や、実証的な根拠には乏しいと考えられるようになっていますので、参考程度としてご理解ください。むしろ、次に述べる「群指数」を重視してください。

2.群指数
この指標は、WISC-IIIから導入され、その後の研究の進展で、言語性-動作性の区別よりも、理論的、実証的な根拠が明確であり、子どもたちのそれぞれの能力をかなり的確に捉えることができていると考えられるようになりました。指導計画を考える上でもとても有効な結果であるとされます。
数値の意味は、IQと同じく、平均的な能力がある時に100となるように作られていますし、90~109が平均的な範囲です。

お子様の場合、4つの指標とも平均の範囲かそれ以上の数値ですので、いずれも平均以上の能力をお持ちと考えることができます。

ただ、説明があったように、数値のばらつきがやや大きく、得意・不得意の差がかなりあると考えられます。統計的な有意差を考慮しますと、
処理速度>言語理解>注意記憶>知覚統合
という順で能力が高く、2つずつのペアを作って比べても有意差が認められます。

それぞれの群指数は、次のような能力を測定しています:
処理速度……反応の速さ、視覚的な短期記憶の能力、視覚的な情報を記号化する能力
言語理解……言語の意味の理解力、言語的知識の豊富さ、言語表現能力、言語を用いた推理(思考)能力
注意記憶……注意の範囲(一度にどれくらいの量の情報を短時間、記憶できるか)、聴覚的な短期記憶能力、聴覚的な系列化(聴覚的な情報を、順番に処理する能力)、聴覚的な情報の記号化能力
知覚統合……視覚的刺激・情報の統合能力(関連性を理解する能力)、言語によらない推理・思考能力

言語性IQの方が、動作性IQよりも高かったのですが、それは、言語理解や注意記憶が得意であるのに対して、相対的に知覚統合が低いという点と一致した特徴と考えられます。
その意味で、今回受けられたWISC-IIIの結果は、信頼性、妥当性も高いと考えられます。

さて、ここまでの結果で、お子様の支援を考えますと、低い能力を補う、支持するということも考えられますが、まず優先したいのは、高い能力、つまり得意な能力を生かして、新しい知識やスキルを獲得するという「長所活用型」の指導です。
すなわち、お子様の場合、
・ことばで説明や、定義づけを行う
・一つずつ順を追って説明する
・頭の中だけで考えさせず、形の理解、空間関係の理解に関わることがらでは、具体物を使って始動する
ということになります。

身近な例を出せば、初めてのところに出かける際には、地図を見せるだけでなく、高等で道順を説明するとよりわかりやすいというタイプでいらっしゃるように考えられます。

3.下位検査の得点パターンからみた特徴
「知識」以下の下位検査は、群指数やIQを求める元となった、個別の検査課題の結果を示しています。
これらは、「評価点(SS)」といい、平均的な成績を取るとSS=10になるように作られています。
評価点は、7~13が平均的な範囲と考えられますので、お子様の場合には、「絵画配列」が低いと思われる以外は、平均かそれ以上の能力をお持ちといえます。

さて、この下位検査の評価点の見方については、誤解が多くなされています。
つまり、一つひとつの下位検査の評価点を問題にする前に、複数の下位検査に共通する得意・不得意のパターンがないかを検討する必要があるのです。これは、プロフィール分析と呼ばれる分析方法ですが、WISC-IIIを実施される検査者でもご存じない方があります。
お子様の結果からは、次のような特徴をお持ちではないかと考えられます。ただし、これらは、あくまでも今回のWISC-IIIの結果から想定された、いわば「仮説」ですので、学業成績や、日常生活の場面で、ここにあげた特徴と共通するものがあれば、それはお子様の持つ能力である確率が高まります。

・学習能力はあり、いったん獲得した知識やスキルはきちんと身につく
・とくに言語的な面では、この特徴がみられる
・それに対して、空間認知、図形の認知、ことばによらないで考える問題(数学でいえば、図形問題;地図の読み取りなど)、複数の視覚刺激の関連性の理解などは、苦手である
・意味のある刺激や情報の理解が悪い時がある
・興味や好奇心はかなりある
・柔軟性に欠ける印象があったり、自信がないときには答えるのを迷ってしまう傾向がある
・込み入った刺激や情報を示されると、本質的なものや、大切な情報を区別できにくい

*さらに、「IV.個別の下位検査に基づくアセスメント」もありますが、煩雑になりますし、ここまでの分析では特徴が見いだせないときに用いますので、今回は割愛します。

以上が、お子様のWISC-IIIの結果から考えられる、認知、知能面の特徴です。
ご両親からご覧になった特徴や、学業成績、学校での様子などと一致するものがありましたでしょうか。
もしそのように、検査と普段の行動で一致する特徴があれば、それはお子様の特徴であると、かなり自信を持ってみなすことができます。そういう特徴のうち、すでに述べましたように、「得意な能力」をうまく生かして、学習や生活がスムーズに行くよう援助することをお考えください。
苦手な部分については、反復練習して克服するよりも、それをカバーするようなやり方を考えたり、得意なやり方で教えたり、理解できる方法がないかをまずはお考えください。

最後にもう一つ重要な点を書かせていただきます。
残念ながら、知能検査の結果だけでは、アスペルガーや、LD、自閉症などの発達障害の診断を下すことはできません。
これらの診断は、この頃は、アメリカ精神医学会のDSM-IV-TRなどの診断基準に基づいて行われることが普通ですが、その際、各発達障害に当てはまる心理・行動の特徴が列挙されており、それらに該当するかどうかという、「状態診断」が行われます。
知能検査の結果は、その際に補助的に用いるデータという位置づけですので、誤解のないようにお願いいたします。

今回のご質問では、お子様の心理、行動上の特徴についてはお書きになっていらっしゃいませんので、アスペルガー症候群に該当なさるかどうかは判断できません。
ただ、アスペルガーなど、いわゆる広汎性発達障害、もしくは、自閉性スペクトラム障害の範疇に含まれるお子さんの場合、わかりやすく書きますと、「融通が利かない」という特徴を持つことが多いと思います。
今回の先生が、「世の中には仕方がないことが多いってことを覚えよう」とおっしゃったのは、この点と関連するのではないかと推察します。悪い意味でご理解になるのではなく、日常生活をスムーズに送る上での知恵とか、対人関係の持ち方などについては、単純に理屈では割り切れないことが多いのですが、それらについては、市販されています本などを参照されて、具体的な場面で、対応を教えて行かれることが重要かと思います。
たとえば、相手のことばを額面通りに受け取ってしまうと、うまくいかないことが多いといったことは、具体的な場面を通して説明し、理解してもらって行かざるを得ないということをおっしゃりたかったのではないかと思います。

以上、ずいぶん長くなってしまい、お読みになりにくいかと思いますが、印刷していただいて、繰り返し呼んでみていただければ幸いです。その中で、多少とも参考になることがあれば、幸いに存じます。
    • good
    • 7
この回答へのお礼

ありがとうございます。

こんなに詳しく・・本当に感謝いたします。

おっしゃる通りです。ゲーム等友達とやっているときは初めてのものには手を出さず、練習してから仲間入りします。

現在、学校の授業のスピードがゆっくり過ぎて無駄と言い、不登校になっています。
実技教科は僕にとって得になるものはないと言います。
学力は確かに高め(今は)ですが、内申点というものが取れません。授業態度、興味の無いものに対しての完璧な無関心、運動能力の低さ、美術のセンス、などなど・・・点が取れるの5教科のみです。

そんな子でも、いつかは「職」につかないといけない訳で・・

現在は科学技術系の高校に行きたいと言っているのですが不登校状態で入れるか分かりません。
処理速度、言語を生かした職業を探したいです

お金に対してはすごい執着心です。何か目標ができたらドンドン行くタイプだとは思いますが、今は反抗期も重なりひどい状態です。

わがままかアスペルガーかが良くわかりません。はたから見ればわがままの何物でもありません。
困っています。

本当にありがとうございました。

クリニックの先生に聞いてもあまり良くわかりませんでした。
感謝いたします

また、vzb04330さまのような先生に会えるのは精神科、児童精神科、等の病院に行けばいいのでしょうか?心療内科とかとは違うのでしょうか

お礼日時:2011/05/16 10:04

No.1です。



ご丁寧な御礼を頂戴し、恐縮に存じます。

また、私の分析結果も、大筋では妥当なものであったようで、安心いたしました。

さて、アスペルガー症候群かどうかは別として、御礼の文章を拝見して、多少とも、それに類似した傾向はお持ちのように感じました。
学力的には高いものをお持ちですので、今回の知能検査に現れた特長を生かした将来設計画は、可能であろうと思います。

といいますのも、いわゆる進学高校などでも理系のクラスには、お子様に似た特徴を持つ子どもたちはけっこう在籍しているようです。
また、最近は、高校でも「特別支援教育」の考え方が理解され始め、実際の取り組みが進んでいるところもあります。
可能でしたら、そういう情報も含めて、進学先を検討されることをお勧めします。

大学におきましても、近年は、発達障害を持つ学生が増えてきたことや、それに対しての支援策や方法が具体的に検討され、実際に実施されてきています。
たとえば、富山大学のサイトで検索されると出てきます。

大学でもやはり、理系に、発達障害を持つ学生はたくさん在籍しています。

職業選択につきましては、たとえば、コンピューター関係のプログラマ、エンジニア(いわゆるSE)などであれば、営業職や、対人関係のスキルなどが必要なものよりも適性があるように思います。

具体的に、日常生活でどのようにスムーズに生活していけば良いかにつきましては、最近、一般向けにも、アスペルガー症候群や、各種の発達障害を持つ人たちについての支援方法、日常生活をスムーズに送ることができるような工夫やヒントが解説された本がたくさん出版されています。
たとえば、
1.榊原 洋一(著)、「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方 (図解 大安心シリーズ) 」、講談社、\1,050
2.佐々木 正美(著)、「アスペルガー症候群(高機能自閉症)のすべ... (健康ライブラリーイラスト版) 」、講談社、\1,260
などは、イラストも多用されていてわかりやすいと思います。
ネット書店でも入手できますし、ご近所の大きめの書店でも心理学か、健康関係の棚に並んでいると思います。

お子様自身も、将来設計に希望が持てることをおわかりになると、また普段の生活態度も変わってくるかと思います。
単に「がんばれ」と励ますだけでなく、具体的にどういう職種が考えられ、それを実現するにはどういう手立てが具体的に必要かを示して差し上げられれば、きっと実際のご努力にも結びつくものと思います。

知能検査の詳しい分析や、将来設計を含めた支援に関しましては、公的な機関としては、都道府県や政令市が設けています「発達障害者支援センター」に相談なさるということが可能です。
また、自治体の教育センター(教育研究所など)の関係機関、あるいは、民間でもNPOなどでこういった支援を行っているところがあると思います。

大学では、臨床心理士養成コース大学院をもつところには、心理相談室があり、比較的低料金で相談に応じてくれます。
教育学部の関係や、教員養成学部のある大学では、教育心理学専攻や、特別支援教育専攻の研究室に在籍していらっしゃる教員、院生で、学校心理士、特別支援教育士という資格をお持ちの先生であれば、相談に乗っていただけるかと思います。

お近くの大学のホームページで、「教員紹介」や、「研究者情報データベース」が公開されており、専門分野や、お持ちの資格、可能な社会貢献内容が公表されていますので、そういうものを手がかりに調べていただくこともできると思います。

以上、整理されないまま書き綴ってしまい、お読みになりにくいかも知れませんが、ご参考までに。

なお、大学での自閉性障害を持つ学生への支援につきましては、参考URLにあります、拙ブログに記事が載せてありますので、ご覧ください。

参考URL:http://ogasawara.cocolog-nifty.com/ogasawara_blo …
    • good
    • 0
この回答へのお礼

本当に本当にありがとうございます。

大学の方も調べてみます。

また、PTSDについて疑問が出ましたのでお知恵いただけたらと思います。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6749772.html

お礼日時:2011/05/20 00:13

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!