これ何て呼びますか Part2

約7年ほど前、14歳の時にADHD、広汎性発達障害と診断された今年22歳の女です。
先日WAIS-III、ウェクスラー成人知能検査を受けて結果を渡されたのですが、臨床心理士さんにも主治医にも解釈の説明を求めても、簡単な事しか教えてもらえず、忙しいのか詳しい解説を伺うことはできませんでした。
自分で調べようと思い、色々な書籍や資料を探してみたもののよく分からず…
WAIS-IIIに詳しい方がいらっしゃいましたら、解釈の説明をお願いできないでしょうか?


IQ73 境界知能

言語性 73
動作性 106
全検査 87
言語理解 76
知覚統合 103
作動記憶 72
処理速度 75

単語 8
類似 6
知識 3
理解 5
算数 7
数唱 7
語音 3

配列 15
完成 12
積木 7
行列 13
符号 8
記号 3
組合 8


主治医に「私の劣っているところと、秀でているところを教えて欲しい。劣っているところをカバーしつつ、秀でているところをうまく使って上手く生活していきたい」と伝えて解釈の説明を求めたのですが、「これが正常な人の数値。ここは天才、こっちは小学生レベルだね。」と言われただけで、なにがなんだか分からず困っています。
こんな質問で申し訳ありませんが、どなたか詳しい方、解釈をお願いします。
よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

心理士です。



WAIS-IIIは、大人用の知能診断検査で、世界スタンダードで用いられているもので、日本でも同様に広く用いられています。
しかし、そのきちんとした分析法はあるにもかかわらず、心理士でもそれをマスターしている方が多くなく、質問者様も適切な説明を受けることができず、お困りのようでしたので、説明させてもらいます。

まず、全体的な知能水準ですが、No.1の方のご指摘通り、全検査IQは87です(この点は、主治医は勘違いしていらっしゃると思われます。87でないと計算上も、数が合いません)。
87という数値は、測定誤差を考えますと、84~91の範囲に質問者様の真のIQが来ると考えられますので、言葉に言い換えれば、「平均の下」から「平均」的な知能の高さにあります。

ちなみに、ここでいう「平均」とは、IQ=90~109で、この範囲に全体の50%の人が含まれます。
また、もう少し範囲を広げ、IQ=85~114で見れば、全体の68%余りの人が入ります。

ただし、質問者様は、言語性IQ=73に対して、動作性IQ=106と大きな差がありましたので、全検査IQ=87という数値は、一つの目安とお考えになった方がよいでしょう。

さらに、言語理解から処理速度までは、群指数といい、IQよりももう少し細かく、質問者様の能力を調べた結果を現しています。
ここをみましても、もっとも高い知覚統合が、103であったのに対して、言語理解、作動記憶、処理速度の3つの群指数は、どれも70台の得点でした。
これらを見てまずいえることは、質問者様の認知能力には、かなり大きなバラツキがあります。

ここまでの結果から推察するに、全体的な知能の水準は平均辺りになるものの、細かく見ると、得手・不得手の差がかなり大きく、今まで、学校で勉強したり、お仕事をしていらっしゃるのであれば、仕事を身につけたり、また、家事をすることなどで、相当にご苦労なさったり、お困りになったことも多かったのではないかと思います。

以下、この主にこの群指数までの範囲で分かることや、どのような転に優れ、どのようなところが苦手で、今後、どういう能力を活かしたらよいかを説明しますが、その前に、それぞれの群指数が何を調べているかを簡単に書いておきます。

・言語理解……言語の理解、表現に加え、言葉で思考する能力
・知覚統合……主に視覚から入る情報を処理し、理解したり、それによって考える能力。また、空間認知をしたり、視覚-運動協応といい、手先の器用さを示す能力
・作動記憶……主に聴覚から入る情報を短期的に記憶し、また、その短期記憶にある上方を使って、計算、文章理解などの心理的作業を行う能力
・処理速度……視覚的な情報を短期的に記憶する能力や、視覚情報に基づいて心理作業をするときの処理スピード

質問者様では、これら4つのうち、知覚統合がもっとも得意で、しかも、平均的なレベル(他の方と同じくらいの能力をお持ちだという意味)でした。
しかしながら、言語理解、作動記憶、処理速度は、知覚統合に比べ、統計的に有意に低く、また、他の方達と比べても残念ながら、苦手であるという結果でした。

言い換えれば、視覚的な情報の理解や、視覚的情報に基づいて考え、空間的な認知(地図や、図、絵を理解すること)は得意ですが、言葉の理解、表現、言語を使って考えることは苦手と思われます。
また、作動記憶が弱いため、一度にたくさんのことをいわれても、それは頭に残らず、聞いた側から忘れてしまうため、これまで、聞き逃し、聞き返しが多かったのではないでしょうか。
さらに、目で見たものを記憶するにも、意味のあるものは頭に残りやすいのですが、数字や形など余り意味がないものは忘れやすく、また、板書を書き写すといった作業も苦手であったり、時間がかかり、すべて書けないうちに消されてしまうという経験もおありだったのではないでしょうか。
かといって、急いで書き写そうとすると、あとからご自分でも読めないような乱雑な文字になってしまうといったこともあったかも知れないと思います。

さて、これから質問者様が、上に書きましたような、ご自分の認知的な特性に対して、どのようなところに気をつけていったらよいかについても、説明をしておきます。
ご自身で書いていらっしゃるように、「劣っているところをカバーしつつ、秀でているところをうまく使って上手く生活していきたい」ということが基本となります。

劣っているところを練習や、トレーニングで改善するのはとても時間もかかり、難しいことですので、おっしゃるように、他の得意な能力でカバーするか、なるべく負担をかけないで済むようにしていただくことをお勧めします。
むしろ、得意なところ(これは、他の人と比較してではなく、ご自身の中で得意なところを意味します)をうまく活かして、新しい知識や、スキルを身につけることが大切になります。

この基本方針にしたがうと、知覚統合の力をうまく活かして行くことが最も重要で、うまくいくと考えられます。

つまり、視覚的な情報を用いて理解し、考えることを中心に考え、それを活かしていくことです。

たとえば、どこか、初めて行くところに出かけていかなければならない時を例にすれば、質問者様は、道順を聞いていくというように、言葉による指示や手がかりにするよりも、地図を見て行く方が、分かりやすいと考えられます。
この例が当てはまるようでしたら、質問者様は、知覚統合がもっとも得意な能力と考えていただいて、ほぼ間違いないと思います。

目で見て分かるようにする、イラストや図解をうまく用いて、記憶したり、考えをまとめるようにすると、お持ちの能力や、これまでに獲得した知識、スキルを活かせる出称し、新しいことを学ぶのも容易になると思います。

一方、言語能力や、短期記憶能力、作動記憶、処理速度は苦手であると思われました。

文章を読んで理解する必要があるときにも、内容を図示してみる、キーワードをマーカーで色づけたり、○で囲んだりする、また、説明を受けるときにもなるべく図示してもらったり、短めの言葉ではっきりと説明してもらう、キーワードだけでもメモをとるよう心がける、何かの作業をするときには手本やモデルを常に参照できるように置いておく、といった「補助手段」で、質問者様にうまくあったものを探して、活用されるとよいと思います。

なお、最近では、大人の発達障害の方が、日常生活を円滑にするための工夫を説明した、一般向けの本も多数出ています。
図書館などで調べてご覧になるか、書店で見て、分かりやすいものを入手して参考にされるとよろしいでしょう。

また、知能検査結果についての詳しい説明、ご相談は、本来は、検査を受けた医療機関出まずはお願いするのがよろしいのですが、お書きになっている質問文の範囲からは、余り期待できないようにも思われます。
そういう場合、都道府県や、政令指定市には、発達障害者支援センターがありますので(ネットで検索すると出て来ますし、広報などにも載っているでしょう。各自治体ごとに、愛称をつけているところもあります)、そちらへ検査結果をお持ちになって、ご相談できると思います。
また、支援センターでは、必要であれば、就労相談なども受けられると思います。
お分かりにならなければ、お住まいの自治体(市町村)の福祉事務所などでお聞きになってみてください。


今回は、知能検査の下位検査(単語、類似など個別の検査)の成績には触れませんでした。
下位検査のレベルで、成績の高低に着目して、複数の下位検査に共通するパターンを探して分析する「プロフィール分析」という方法もあります。
これはやや煩雑になりますので、今回は割愛しました。
こうした分析も、発達障害者支援センターなどでお願いできるかも知れません。

以上、長くなりましたが、必要でしたら、読み返していただければと思います。
参考になれば、幸いです。
一度、お尋ねになるとよろしいかと思います。
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この回答へのお礼

遅くなってしまって申し訳ないです。
ありがとうございます!ほとんど諦めていたのですが、分かりやすく説明していただいてとても助かりました。
仰る通り、昔から耳から聞いて得られる情報よりも、目で見て得られる情報の方が記憶しやすいという事のほうが多かったように思います。
今回のこの検査で、自分の得意、不得意を知れればもっとスムーズに生活できるかもしれない、と藁にも縋る思いで病院に説明を求めたのですが、なにも分からなかったので正直諦めかけていました。本当に助かりました。ありがとうございました。

お礼日時:2013/08/12 20:46

>WAIS-IIIに詳しい方


全く詳しくないのですが・・・・・・。

この心理検査、とにかく時間がかかりませんでしたか?
90分から2時間程度は必要だったかと思います。

そしてADHDを持っていらっしゃることのこと。
とすれば、果たして検査時間の間に集中力が継続していたかどうかに疑問が生じます。

つまり、表面上の数値そのものの信頼性をどのように考えるか、受け止めるかと言う部分に大きな問題もありそうです。
検査を実際に実施した心理士さんに尋ねるのが良いと思います。

病院に申し出て、検査結果の説明のための予約を取って頂くようにお願いしてみましょう。
あるいは、文章で結果を頂きたいと申し出てみましょう。

また、他の検査も併用した方が、得意・不得意に関しては情報が多いかもしれません。
ご年齢も考えると、障害者就労支援センターでの職業適性判定等のご利用も選択肢に入ってくるのかもしれません。
(知的な問題のない発達障害の方でも精神障害者手帳3級は取得できることが多いようにきいております。)
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 ええと、回答がありませんので補足できるように書きますが、




IQ73 境界知能

言語性 73
動作性 106
全検査 87


の、IQは全検査の87で見て、やや低めくらいでは。言語性は73ですが。

 ちなみに、知的障害の認定でIQ70未満か、自治体によってはIQ75で切るところもあります。
 言語性と動作性は確かに差があるような。

 参考情報ですが、IQ70未満の人は人口の2%以上いて、小中学校のクラスに一人いる程度です。皆さん、認定を頼まないご両親とか多くて、該当者300万人以上中、60万人以下程度しか知的障害を認定されていません。
 

 話が長くなってきましたが、IQは73ではなく、87なのでは?
 ご確認ください。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
この検査を受けて診断書を作っていただいたのですが、診断書に「WAIS-III知能検査 IQ73、境界知能」と書かれていたので、質問に「IQ73 境界知能」と書かせてもらいました。
数値も何度も見直してから質問したのですが、主治医の診断書が間違っている可能性はあるのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ないです。よろしくお願いします。

補足日時:2013/07/18 17:43
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