集合 上限 下限
Wikipediaによれば、
上界の集合の最小元(つまり、最小の上界)のことを、上限といい、sup(A) と書く。
下界の集合の最大元(つまり、最大の下界)のことを、下限といい、inf(A) と書く。
http://www.misojiro.t.u-tokyo.ac.jp/~murota/lect …
を参考にしたのですが理解出来できませんでした。
Aを実数の部分集合とするとき、
実数 a が、Aの上界であるとは、Aの任意の元x に対して、x≦a が成り立つことである。
そのなかで、最小の上界を上限と言う。
ピンときません・・・
具体例を示して教えて頂けるとありがたいです。
ご回答よろしくお願い致します。
No.11ベストアンサー
- 回答日時:
仰るとおりです。
以下、A は R の空でない部分集合とします。
A が下に有界であることは、A の下限 inf A が存在するための必要十分条件です。
同様に、A が上に有界であることは、A の上限 sup A が存在するための必要十分条件です。
これらの場合、inf A やsup A が A の元である必要はありません。
min は最小元、max は最大元を表します。
A が下に有界であることは、min A が存在するための必要条件ですが、十分条件ではありません。
同様に、A が上に有界であることは、max A が存在するための必要条件ですが、十分条件ではありません。
min A が存在すれば min A ∈ A であり、max A が存在すれば max A ∈ A です。
A が下に有界のとき、A の下界すべてからなる集合を L とおきます。
このとき、L は必ず最大元 max L を持ち、inf A = max L が成り立ちます。
さらに、A が最小元 min A を持てば、min A = inf A = max L が成り立ちます。
同様に、
A が上に有界のとき、A の上界すべてからなる集合を U とおきます。
このとき、U は必ず最小元 min U を持ち、sup A = min U が成り立ちます。
さらに、A が最大元 max A を持てば、max A = sup A = min U が成り立ちます。
No.4 に挙げた10個の例のうち、いくつかをもう一度見てみましょう。
01. A = { 1, 2, 3, 4, 5 } のとき、
A は上下に有界で、L = (-∞, 1], U = [5, + ∞)
また、A は最小元 min A と最大元 max A の両方を持ちます。よって、
min A = inf A = max L = 1, max A = sup A = min U = 5
03. A = (0, 1] のとき、
A は上下に有界で、L = (-∞, 0], U = [1, + ∞)
また、A は最大元 max A は持ちますが、最小元は持ちません。よって、
min A は無し, inf A = max L = 0, max A = sup A = min U = 1
08. A = (-∞, 1) のとき、
A は上に有界ですが、下に有界でないので、A の下界は存在しません。よって、
L = 空集合、U = [1, + ∞)
A は下に有界でないので、最小元も下限も持ちません。また、A は上に有界ですが、最大元は持ちません。よって、
min A は無し、inf A は無し、max A は無し、sup A = min U = 1
09. A = [0, + ∞) のとき、
A は下に有界ですが、上に有界でないので、A の上界は存在しません。よって、
L = (-∞, 0], U = 空集合
A は最小元は持ちますが、上に有界でないので、最大元も上限も持ちません。よって、
min A = inf A = max L = 0, max A は無し、sup A は無し
No.12
- 回答日時:
●「 任意個数の開区間の和集合 」と「 任意個数の閉区間の共通部分 」の件について
任意個数の開区間の和集合は必ず 開 "集合" となります。
任意個数の閉区間の共通部分は必ず 閉 "集合" となります。
私の認識は上記のとおりです。
区間とは、( +∞ と -∞ を除く ) 2点間 について用いられる用語のようです。ですから、上記の "集合" を "区間" にさしかえることはできないと、私は思います。ただし、次のような表現は可能であると、私は思います。
任意個数の開区間の和集合が 開 "区間" となることはあります。
任意個数の閉区間の共通部分が 閉 "区間" となることはあります。
● 集合・補集合・閉包についてのご質問を RY0U さん は以前になさいました。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6699589.html
その ANo.7 において紹介いたしました埼玉大学の Web ページ に、「 任意個数の開区間の和集合 」と「 任意個数の閉区間の共通部分 」に関連する記述が見られるようです。これらの文献に目をとおすなどして、正確な認識を身に着けてください。冒頭に記述した私の認識は正しいと、断言できるほどの自信が私にはありませんので … 。
集合・補集合・閉包についてのご質問に対する私の回答の中に、私はいくつかのまちがいを見つけました。RY0U さん が回答の受け付けを締め切った後のことです。それらの訂正を、ANo.1 と ANo.7 に添付した画像の中に無理やり押しこみました。そちらも、ご覧になってください。そして、どうもすみませんでした。
No.13
- 回答日時:
● ろくに検証もせずに、ANo.9 と ANo.12 を投稿してしまいました。
どうもすみません。● ANo.9 において、次の 1) 2) を私は記述しました。
1) 例えば、「 2つ の開区間の和集合 」「 2つ の開区間の共通部分 」は両方とも開集合です。ですから、例えば、(0, 1)∪(3, 5) や (0, 2)∩(1, 5) は開集合です。
(0, 2)∩(1, 5) = (1, 2) です。(1, 2) は 1つ の開区間です。ですから、(0, 2)∩(1, 5) という例示はまちがいでした。
2) 例えば、「 2つ の閉区間の和集合 」「 2つ の閉区間の共通部分 」は両方とも閉集合です。ですから、例えば、[0, 1]∪[3, 5] や [0, 2]∩[1, 5] は閉集合です。
[0, 2]∩[1, 5] = [1, 2] です。[1, 2] は 1つ の閉区間です。ですから、[0, 2]∩[1, 5] という例示はまちがいでした。
● いまのところ、見つけたまちがいは以上です。ほかにもまちがいがあるかもしれません。
空集合を、例えば、開区間(4, 4) や 閉区間[5, 3] などの形で表現することが可能ならば、ANo.9 や ANo.12 において、多くの個所を訂正する必要があろうと、私はいまそのように認識しています。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
以下は正しいと思うのですが、間違いなのでしょうか?
開集合について
・任意個数の開区間の和集合は必ず開集合となる。
・任意個数の開区間の共通部分は、必ずしも開集合とはならない。
閉集合について
・任意個数の閉区間の和集合は、必ずしも閉集合とはならない。
・任意個数の開区間の共通部分は必ず閉集合となる。
具体例を示していただけるとありがたいです。
以上、よろしくお願い致します。
No.14
- 回答日時:
● RY0U さん を混乱させるような回答を私は続けてしまいましたね。
ごめんなさい。ANo.13 の補足欄で RY0U さん が提示なさいました内容どおりでよいのではないかと、私は思います。
区間の両端を、a, b と表わすことにします。すなわち、a ∈ R, b ∈ R, a < b であるとして、(a, b) や [a, b] などについて考えるとします。そのとき、a と b との平均値は (a + b)/2 です。a と b との距離は、この場合、d(a, b) = b - a と表わすことができます。
このとき、(a, b) と [a, b] は、次のとおり、それぞれ「 ( 開 ) 球体 」と「 閉球体 」という形で表わすことができます。
(a, b) = B((a + b)/2; (b - a)/2)
[a, b] = B^*((a + b)/2; (b - a)/2)
( B^* という記号は、B の右肩に *印 が添えられたものです )
このことを念頭に置いて、集合・位相に関する文献に目をとおせば、RY0U さん が抱える疑問がいくぶん解消されるのではないかなと、私は思います。
● 任意個数の開区間の和集合は必ず開集合となる。
集合・位相に関する文献では「 任意個数の開 "集合" の和集合は開集合である 」という定理によって、このことは説明がつくと思われます。その定理の証明については、下の添付画像をごらんください。
任意個数の開区間の和集合が単一の開区間とならない例は、ANo.9 で示した (0, 1)∪(3, 5) などでよろしいかと思われます。
集合・位相に関する多くの文献では「 開集合は開区間の和集合として表わされる 」、すなわち「 開集合は ( 開 ) 球体の和集合として表わされる 」という定理についても言及されています。この定理に関する説明を読めば、開集合の成り立ちを理解するのに役立つかもしれません。
● 任意個数の開区間の共通部分は、必ずしも開集合とはならない。
任意個数の開区間の共通部分が開集合とはならない例としては、次のものがあります。
a を R の任意の元とし、いまその a を固定します。そして、n を N ( 自然数全部の集合 ) の任意の元とします。このとき、次の ( 開 ) 球体は、すなわち開区間は、もちろん開集合です。
B(a; 1/n) = (a - (1/n), a + (1/n))
ところが、すべての n に対する B(a; 1/n) をかき集めて得た共通部分は {a} に等しくなります。
∩B(a; 1/n) = ∩(a - (1/n), a + (1/n)) = {a}
( ∩ 記号 の直下には n ∈ N と記述されるべきですが、それが省かれています )
最右辺の 1点 から成る {a} という集合は、開集合ではありません。
有限個数の開区間の共通部分は必ず開集合になります。( このことについて、私はうかつな記述をこれまでにしてきました。ごめんなさい )
有限個数の開区間の共通部分が空集合でないのであれば、その共通部分はおそらく開区間になるのでしょうね。空集合を 1つ の開区間として表記することができれば、有限個数の開区間の共通部分は必ず開区間になると言えると、私は今そのように認識しています。
左端が右端以上である (1, 1) や (3, 1) などという形で、空集合を表わすことができそうではあります。ですが、このように表わすことができるのか否かについて、私ははっきりした情報を持っていません。ただし、閉区間については、任意の R の 元a に対して [a, a] と表記をすることが認められているようです。[a, a] はもちろん {a} と等しくなります。左端が右端より大きい [3, 1] などの形については、私ははっきりした情報を持っていません。
「 有限個数の開集合の共通部分は必ず開集合となる 」という定理の証明を、ANo.13 の添付画像に組み入れました。よろしかったらごらんください。
● 任意の開集合の補集合は閉集合であり、任意の閉集合の補集合は開集合であります。ですから、あと 2つ についての説明はおおかた省きます。
任意個数の閉区間の和集合が必ずしも閉集合とならない例についてですが、私が考えついたのは次のものです。
∪[1/n, 1] = (0, 1]
( ∪ 記号の直下には n ∈ N と記述されるべきですが、それが省かれています )
● 以上の記述は、松坂和夫 著「 集合・位相入門 」( 岩波書店 1983年 第 17 刷 ) を参考にしたものです。以上の記述に含まれる、まちがいや不備は、私の不勉強によるものであり、もちろんこの数学書によるものではありません。
また、これまでの私の記述 ( 次の Web ページ
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6699589.html
を含みます ) の中で取り扱ってまいりました位相はすべて、1次元 もしくは 2次元 Euclid 空間 におけるものです。一部において、数値や式を変更したり追加したりすることで、n次元 Euclid 空間 についても同様の説明がつくと思われます。
くどいようですが、これまでの私の記述にまちがいや不備があった場合は、ごめんなさい。
No.15
- 回答日時:
大切なことを念押しするのを忘れていました。
ごめんなさい。ANo.14 の最初の ● 項目 において、私は次のとおりの記述をしました。
このとき、(a, b) と [a, b] は、次のとおり、それぞれ「 ( 開 ) 球体 」と「 閉球体 」という形で表わすことができます。
(a, b) = B((a + b)/2; (b - a)/2)
[a, b] = B^*((a + b)/2; (b - a)/2)
( B^* という記号は、B の右肩に *印 が添えられたものです )
上記の記述ですと、n次元 Euclid 空間 において「 (1) 開区間 = ( 開 ) 球体 」「 (2) 閉区間 = 閉球体 」という関係が満たされるかのようですが、(1) (2) という両関係が満たされるのは 1次元 Euclid 空間 においてのみです。2次元 以上の Euclid 空間 において、この関係は満たされません。
といいますのは、例えば、2次元 Euclid 空間 における区間は、図形にあてはめれば、長方形であって、円ではありません。3次元 Euclid 空間 における区間を、図形にあてはめれば、直方体であって、球ではありません。
下記の Web ページ における記述ついても、同様です。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6699589.html
お礼が遅くなりまして申し訳有りません。
ご回答ありがとうございます。
長々と私の疑問にお付き合い下さりありがとうございました。
お陰様で理解出来ました。
本当にありがとうございます。
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