斜めに物を投げる場合に、どの角度がもっとも遠くに飛ばせるか(空気抵抗無視)、という典型的な問題で、角度45度が正解となるものです。
しかし、投射する場所があらかじめ地表より高いところだった場合はどうでしょうか。
つまり初期高度がある、ということです。
wikiでも調べたのですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%9C%E6%96%B9% …
「物体の高度が再びy0となるx成分の位置をx1とすると」
(y0が初期の高度です)
となっており、なぜか地表y=0ではなく、y=y0のときの飛距離を求めて終わっています。
しかし、y=y0の後も物体は運動をし続けるわけで、飛距離は伸びます。
そして、それは角度に依存するかと思います。
いかがでしょうか。計算してみるとやや複雑になってしまいそうなのですが・・・
何かシンプルな求め方・考え方があるのでしょうか。
宜しくお願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
初期高度のある斜方投射は,理論上は高校物理の範囲(物理II)で可能な範囲ですが,高校物理の放物運動の形式を素直に適用しようとすると,かなり複雑な計算をこなすことになります。
自由落下と等速直線運動の合成とする考え方など,柔軟な考察や計算の工夫の必要から鑑みると,大学初級レベルと考えるべきであろうと思います。それなりの誘導があれば,大学入試ハイレベルとして出題されても問題となることはありませんが…。Wikipedia の記述は明らかに誤り,または舌足らずです。θ=π/4は,y0 = 0に限った条件ですね?
y = x tanθ - g/(2v0^2 cos^2θ)・x^2 + y0
この軌道方程式から最大飛距離およびそのときの投射角θを求めようとするなら,
(1) y = 0 として,xの2次方程式を解いて,着地点の座標x(θ)を求める。
(2) (1)の結果x(θ)を最大にする角θと,最大値を求める。
という手順となります。もちろん不可能ではありませんが,x(θ)をθで微分し,x'(θ)=0の解を求める計算が大変やっかいなものとなります。少なくとも私は完遂する気になりませんし,おそらく大学生でもかなり手こずる計算になるでしょう。
この回答への補足
すみません。この回答の補足ではないのですが、先程回答頂いた、スロープへの斜方投射の研ですが、3時間以上、式と格闘しましたが、どうにも式が複雑になってしまいます。こうなると数学の質問になってしまいますが、解答をお教え頂けないでしょうか。お手数をお掛けしてすみませんが、どうぞ宜しくお願いします。
補足日時:2011/09/04 01:28ありがとう御座います。とても勉強になりました。
シンプルなことの中に面白いこと、勉強になることがあるものですね。
ところで、この問題の応用、といいましょうか、一癖ある問題に出会ったのですが、
さらにアドバイスいただけるでしょうか。
今、半日考えてがんばっていたのですが、二次方程式、三角関数、はたまた微分を使って
何とか解こうと思っていたのですが、どうやら泥沼にはまってしまったようです。
何かスマートな方法があるのかと思い巡らしておりますが、それがあるのかないのか、だけでもお教えいただければ
と思いました。図示できませんゆえ、ここで紹介することは、できないのですが、他の質問として、この後に取り上げさせてもらおうと思っています。お手数で御座いますが、どうかそれをご参照いただき、アドバイス頂けないでしょうか。
簡単に申し上げますと、同じく斜方投射なのですが、着地点が平面ではなく、スロープになっております。
宜しくお願いします。
ここまでお付き合いいただき本当にありがとう御座いました。引き続きアドバイス頂ければとても幸いです。
宜しくお願いします。
No.4
- 回答日時:
(1)
yがxの2次関数であるとき,
y = ax^2 + bx + c = a(x^2 + b/a・x ) + c
= a { x + b/(2a) }^2 - b^2/(4a) + c
= a { x + b/(2a) }^2 - (b^2 - 4ac)/(4a)
いわゆる「平方完成」をすると,x = -b/(2a) のとき
a > 0 ならば,最小値 - (b^2 - 4ac)/(4a)
a < 0 ならば,最大値 - (b^2 - 4ac)/(4a)
をとることがわかります。なお,y=0から2次方程式の解の公式を得ます。
L^2 は t^2 に関する2次関数なのです。
もちろん,t^2について微分してゼロとおいても,L^2が極値となるt^2を求めることが可能ですが,「平方完成」は2次関数においてはよくとられる方法ですね?
(2)
初速度を(Vx,Vy)とおくとき,
x = Vx t
y = Vy t - 1/2・gt^2
です。すると,これらから
Vx t = x
Vy t = y + 1/2・gt^2
2乗して辺々加えると,
(Vx^2 + Vy^2) t^2 = x^2 + (y + 1/2・gt^2)^2
すなわち,
v0^2 t^2 = x^2 + (y + 1/2・gt^2)^2
ここで,x = L,y = -h とおくと,L^2の式を得ます。
つまり,ここまでの議論ではLが最大飛距離であることは,そう定義をしただけでそのことを何も用いてはいません。つまり,L^2の式を出した時点では,単に時刻 t の位置が(L,-h)であることを式で示しただけなのです。したがって,あらためてL^2を最大とするt^2を求めるという過程をたどったのです。
(3)
>最大飛距離を得るための角度は、初速の大きさ、そして初期高度に依存するということですよね。
もちろん,そういうことです。とてつもなく高いところからできるかぎり遠くへ飛ばそうと思ったら,水平に打ち出すべきだ…というのは自明に思えませんか? 実際,
cosθ = √[ (L0 + 2h)/{ 2(L0 + h) } ]
= √[ (2 + L0/h)/{ 2(1 + L0/h) } ] → 1 (h→∞)
これを認めるなら,適当な高度では,0 < θ < 45°の範囲の適当な打ち上げ角で最大飛距離となるだろうことが推察されます。
なるほど、勉強してみます。
こうなると、wikiに載っている斜方投射の解法は間違っている、もしくは誤解を受ける内容とは言えませんでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%9C%E6%96%B9% …
しかし思わぬところ(Wiki)にて躓いて、ふと疑問に思ったのですが、ここでお聞きして大変勉強になりました。
ちなみに、この手の問題は高校物理、大学受験物理でよく出題されるものでしょうか?
別の言い方をしますと、高校生、大学生が理解しておくべき内容でしょうか?
私はすでに大学受験を終えているものですが、高校で斜法投射を習ったときは、初期高度がある場合など
出題もされませんでしたし、取り上げもされなかったと記憶しております。出題されていたら、ここまでは考えられなかったと思いますし。ここで疑問を頂くまでは、45度だろうと、根拠なく思っていました。
回答者様はとてもお詳しく、説明や例えがすばらしいので、どこぞの先生とお見受けしましたため、重ねて伺わせて頂きましたが、どうでしょうか。
No.3
- 回答日時:
無重力の空間で静止した花火が破裂したとします。
火花は放射状に等速直線運動をして飛び散ります。
今度は重力下で破裂すると同時に落下する花火を考えます。
自由落下する実験室内は無重力になります。すると,花火とともに落下する立場で観察すると,火花はやはり放射状に等速直線運動をして広がります。
つまり,地上から見た火花の運動は,破裂した中心核の自由落下と放射状の等速直線運動の合成になります。同時に飛び散った火花は中心核を中心として,広がる円弧上に並びます。
以上のような考え方をしなくても,放物運動の理解で十分に問題を解くことができますが,上のように考えるととてもエレガントに結論に達することができます。
さて,本来の問題に移ります。高さhから仰角θで打ち出された質点の軌道は,火花の軌道と同じです。落下時間を t とすると,中心核とともに火花は1/2・gt^2だけ落下します。と同時に中心核から等速で v0 t だけ離れるはずです。
さて,図の水平線のように地上を設定すれば,三平方の定理により
L^2 + (1/2・gt^2 - h)^2 = (v0 t)^2
が成立します。
∴L^2 = (v0 t)^2 - (1/2・gt^2 - h)^2
= -1/4・g^2 { t^2 - 2(v0^2 + gh)/g^2 }^2 + v0^2(v0^2 + 2gh)/g^2
したがって,
t^2 = 2(v0^2 + gh)/g^2 のとき,最大飛距離
Lmax = v0^2/g・√(1 + 2gh/v0^2) = L0√(1+2h/L0)
ただし,L0 = v0^2/g
を得ます。
最大飛距離を実現する仰角θは,
cosθ = L/(v0 t) = √[ (v0^2 + 2gh)/{ 2(v0^2 + gh) } ]
= √[ (L0 + 2h)/{ 2(L0 + h) } ]
となると思います。
以上の計算の利点は,変数 t を残したことにあります。初めからθを未知数とする方程式を立てようとすると三角関数がごちゃごちゃして,見通しが悪くなるのです。
ありがとう御座います。
飲み込めてきました。感動してきました。やばいです。
(1) 物理的意味つかめてきたのですが、数学的質問をさせてください。
L^2 = (v0 t)^2 - (1/2・gt^2 - h)^2
= -1/4・g^2 { t^2 - 2(v0^2 + gh)/g^2 }^2 + v0^2(v0^2 + 2gh)/g^2
上の式から、下の式への移るとき、どういった発想でこう仕上がるのでしょうか。
たしかにこうすれば、t^2が2(v0^2 + gh)/g^2の時に最大値だと分かりますが、
どうしたら、上の式から下の式へ考え付くのでしょうか。
(2)また、解答の途中で、
「t^2 = 2(v0^2 + gh)/g^2 のとき,最大飛距離」
とありますが、式の流れでこうなるのは仕方がないのですが、
tはもう、落下した際の時間、と決めているはずなのに、`tがこれこれこの値の時に
最大値飛距離を得る、というのが私の固い頭で受け入れ難いのですが、どうでしょうか。
何か説得して頂けないでしょうか。
(3)そして、最後、
cosθが√[ (L0 + 2h)/{ 2(L0 + h) } ]
となるということては・・・
最大飛距離を得るための角度は、
初速の大きさ、そして初期高度に依存するということですよね。
これがとても驚きでした。結局のところ、45度に落ち着くのかと思っていたのですが、
違うのですね。確認ですが。どうでしょうか。
No.2
- 回答日時:
高さhからの最大飛距離
Lmax = L0 √(1 + 2h/L0)
ただし,L0 = v0^2/g (地上からの最大飛距離)
となります。
下記などいかがでしょうか?
http://www14.atwiki.jp/yokkun/pages/512.html
http://www14.atwiki.jp/yokkun/pages/513.html
回答ありがとう御座います。すみません、しかしながら、解答の流れを掴むことがどうしてもできません。ヒントを是非下さい。リンクでは、「図のようになる・・・」とありますが、
図は一体何を示しているのでしょうか。そして、その図から、なぜ、
「図より、
L^2 = ...」
と言う式が出てくるのか分かりません。
また、最大飛距離を出すための「角度」を求めるはずなのが、
最大飛距離そのものを求めて終わっており、また混乱してしまいました。
勉強が足らず、とてもお恥ずかしいのですが、理解したい気持ちが
あります。どうかお助け下さい。
No.1
- 回答日時:
(v0/g)・cosθ(v0・sinθ+√((v0sinθ)^2+2gy0))
となるようですね。
これをそのまま微分して極値を求めて…、とやるきは起こらなかったので、v0やy0に適当な数値を当てはめて、表計算でシミュレーションしてみると、極値はθだけでなく、(当たり前のことではありますが)v0やy0にも依存するようで、簡単に表せるようなものではなさそうです。とても、「シンプルな求め方・考え方がある」とは思えません。
ただ、最初からy=-y0という条件で”解く”よりは、一旦y=0になるまでの水平距離を求め(X=(v0^2/g)・2sinθcosθ)、そこから先は斜め投射としてy0の距離だけ落下する運動を考え(X'=(v0/g)・(√((v0sinθ)^2+2gy0)-v0・sinθ)
これらの合計を出すという道順の方が、数式処理上でもスッキリしていると言えるかも知れませんね。
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