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現実に「イノブタ」のように、異種動物間での交配により、新種動物が現れていますが、人間と交配して新しい動物が生まれる可能性はあるのでしょうか?

A 回答 (6件)

 生物学での種分類には、明確かつ普遍的な定義はありません。


 交配して子孫を残すことができない2つの系統は「異種」と分類されますが、それが「定義」ではありません。従って「交配して永続的に子孫を残すことが可能な異種」は存在します。

 最も適切な種分類は、「2系統間で生殖的隔離が成立していて、かつ形態等に明らかな相違が認められる場合、この2系統は別種と分類される」というものでしょう。
 「生殖的隔離」と「相違」の2つがキーワードになるわけです。

 このうち「生殖的隔離」の意味ですが、狭義では「永続して子孫を残せる」という意味になるので、例えばライオンとトラなどは生殖能力がない一代雑種しか残せないので「生殖的隔離が成立している」ということになります。
 広義では単に「互いに交配が見られない」という意味になります。文字通りの意味なので、例えば地理的に離れていればそれで「生殖的隔離が成立している」ということになります。

 で、通常の種分類では広義の意味で用いられることの方が多いです。
 狭義の生殖的隔離が成立しているかどうか調べるには、人工飼育下で繁殖実験をしなければなりませんし、あらゆる種の組み合わせに対してそんなことを実施することは到底不可能です。
 それに、「種」という概念では、それぞれの種が「独立した遺伝子プールを形成している」ことが本質なので、無理矢理混ぜればどうなるか、というのは実はあまり重要ではありません。今現在、現に2つの遺伝子プールが独立していれば(すなわち互いの遺伝子プールで遺伝子の交換が起きていない=交配していない)、それらは別種と分類すべきでしょう。

 例を挙げればニホンザルとタイワンザルは、動物園等で一緒に飼うと容易に交配して生殖能力がある子供を作ります。
 ですが、野生では日本と台湾に分布域が異なっていて、もちろん自然環境下で互いに交配することはありません。海で隔てられていますから当然ですが。
 そして形態はよく似ていますが、尾の長さ等に明らかな相違があります。
 なのでこれらは「別種」と分類されています。
 このような例は枚挙に暇がないほどたくさんあります。

 つまり、「異種間では自然の状態では子孫はできない」というのは確かにその通りなのですが(子孫ができればそもそも異種として分化できない)、その「自然の状態」の中には、「単に地理的に離れているから」というのもあるわけです。その地理的隔離を解除してやれば(動物園等で一緒に飼育すれば)、異種間でも普通に子孫ができることもあり得るわけです。

 「互いに交配しない(永続的な子孫を残せない)」ということを「種分類の定義」にしてしまうと困ったことが起きます。
 A、B、C、D、Eという5つの系統があったとして、AとB、BとC、CとD、DとEは互いに交配して永続的な子孫を残すことが可能だが、AとEでは残せない、という現象があった場合、どう分類します?
 AとBは同種、BとCは同種、CとDは同種、CとEは同種、と分類するとAとEも同種になってしまいます。子孫を残せないのに。
 これは「輪状種」といって実際にいくつかの例があります。

 「雑種」という言葉も曲者なのですが、通常は異なる品種間で交配して生まれた子を言います。
 この「品種」というのは、人間が育種して作出した系統に対して用いられる言葉です。ですが、言葉としては生物学的な「種」の間に生まれた子供に対しても使います。
 ですが、例えば天変地異で日本と台湾が地続きになれば、ニホンザルとタイワンザルの地理的な「生殖的隔離」は解除されるわけですから、徐々に生息域が重なり、重なったところでは雑種が増えてくるでしょう。もう少し時間が経てば、やがてニホンザルもタイワンザルも消えて雑種のみが日本&台湾に生息する、ということになるでしょう。
 この場合は、その雑種が「新種」ということになりますね。

 ちなみに「交雑種」という言葉には「生殖能力がない」という意味はありません。「雑種」と同じ意味です。
 生殖能力がない雑種を意味する言葉はないのですが、「一代雑種」などという場合もあります。でもこの言葉も単に「一代目の雑種」の意味で使うことが多いので、何の説明もなく「一代雑種=生殖能力がない雑種」という使い方ができるわけではないですね。

 ちなみにチワワやマルチーズとセントバーナードが「交配」できるか?といえばできませんよ。あれだけ体格が違う2頭がどうやって交尾するのかと?チワワの膣にセントバーナードのペニスが挿入可能だと思います?逆にチワワのオスがセントバーナードに「乗る」ことができるとでも?
 チワワの子宮にセントバーナードの精子を人工授精しても、無事に出産することはまずできません。逆ならあるいは可能かもしれませんが。
 そういう意味では、生殖的にはライオンとトラより遠いです。

 人間が育種した「品種」は生物学的な種分類とは別次元です。
 サラブレッドと木曽馬、アンガスとホルスタイン、チワワとセントバーナード、それらは「生殖的隔離が成立していて形態等に相違が見られる」という意味では、まさに「別種」でしょう。
 数万年後にこれらの動物の化石を発掘した学者がいれば、あるいはこれらが人類が育種した品種だと言うことをまったく知らない異星人の学者がこれらの動物を見れば、間違いなく「異種」に分類するでしょうね。
 育種というのは、進化論的な種分化の実証試験をしているようなものです。

 ここまでが「基礎知識」です。

 回答を書きますと、まずイノシシと豚は他にも指摘者がおられますが別種ではありません。完全に同種です。
 犬とオオカミは別種に分類されていたのが最近になってタイリクオオカミという同種に再分類されたりしていて、同種か異種かはけっこう議論されているのですが、イノシシと豚はそんな議論が起きないほど疑いの余地なく同種に分類されています。
 つまり家畜化されて(生殖的隔離が成立して)からまだそれほど時間が経っていない=相違点が大きくない、ということです。

 話を蒸し返しますが、オオカミとチワワを「同種」と言ってすんなり納得できますか?
 余談でした。

 ヒトと他の動物の混血の可能性については、「誰も試したことがないので判らない」というところでしょう。
 生殖能力を有する雑種がヒトと異種動物の間でできるとはさすがに思えませんが、一代限りの雑種(生殖能力がない雑種)であれば、チンパンジーやボノボとであればあっても不思議ではないですね。それを試そう、とは誰も考えないでしょうし、試す意義もあまりありそうには思えませんけど。

 ちなみに雑種は染色体数が異なっても可能です。馬とロバは染色体数が異なりますが、交配してラバを作ることができます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:08

因みに。



生物学の分類では「交配して『永続的に』子孫を残せるもの」を「同種」として分類しています。

この「永続的に」の条件を考慮しないならば「異種間でも交配は可能だし、雑種の子供が生まれる事もある」と言う事になります。

そして、実際、動物では、異種交雑して子供が生まれます。但し、雑種の子は生殖能力が無いなど「新種として存続できない」ですけど。

質問者さんは「新しい動物が生まれる可能性」だけを質問しているので、異種交雑して半分人間の「一代限りの雑種」が生まれる可能性を含めると「可能性が無いとは言い切れない」です。

倫理上の問題(獣姦はタブー視されているのが普通)で、試した人間があまり居ないって言うのもあると思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:08

話が後先になっています。


交配して子孫を(永続的に)残せるものを、生物学上の種と扱います。
だからイノシシと豚も同じ種だし、マルチーズとセントバーナードも同じ種です。

さて人(ホモサピエンス)についてですが、歴史上原人と呼ばれた旧人間での交配は、否定的に見られていましたが、ネアンデルタール人の遺伝子が人に混入しているという論文が最近出ました。(この手の論文は実はチョイチョイでています。)そういう意味ではホモサピエンスと交配した種が過去あるのかもしれません。(だったらネアンデルタール人とホモサピエンスは別の種じゃないじゃないかという議論が起きています。)
現代となっては、ホモサピエンスと交配できる動物は、もはや絶滅しているでしょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:09

ご参考。


http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1686380.html

>現実に「イノブタ」のように、異種動物間での交配により、新種動物が現れていますが

ブタは野生のイノシシを家畜化したもので、異種ではありません。

なお「異種だと交配できない」「同種だと交配できる」と言う単純なものでもありません。

>人間と交配して新しい動物が生まれる可能性はあるのでしょうか?

現在までの所、人間と交配できる生物は見付かっていません。

ですが、将来、人間に非常に近い種が突然変異して、種の独自性の壁を突破してくる生物が現われないとは限りません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:09

# 現実に「イノブタ」のように、異種動物間での交配により、新種動物が現れていますが、


# 人間と交配して新しい動物が生まれる可能性はあるのでしょうか?

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%82%BF
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E% …
イノシシとブタは種のレベルまで一致している同種です。
よってそのあいの子はただの雑種です。
セントバーナードとチワワの雑種と同じようなものです。

異種間交配の例で言うとライガー・レオポンなどが有名ですが
そのような動物は交雑種とよばれ生殖能力を持ちません。
なので新種とはいえません。

人間と他の動物の交雑種が可能かという意味で言えば、
可能性はあります。しかし、染色体的に極めて近縁である必要があり
現実的には難しいと思います。例えばチンパンジーでは遠すぎだと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:09

豚も猪も、ウシ目イノシシ科なので、異種ではありません。


異種間では、自然の状態では子孫はできないと言われています。
たぶん受精できないんでしょう。

受精卵そのもの、もしくは核を他の生物のものと変えて異種の子宮へ戻すとか、そういうSFはよくありますが、それがどの程度信憑性があるかは、本当のところはわからないですね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2011/11/20 10:07

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