最速怪談選手権

∂n/∂t = - (n-np)/τ+1/e(∂J/∂x)

n: 電子密度
t: 時間
np: 平衡状態における電子密度
τ: 電子の寿命
e: 電荷素量
J: 電流密度
x: 拡散する方向

上式の第一項は何を意味しているのでしょうか?
電子密度の平衡状態からのずれを電子の寿命で割るというのがよくわかりません.

どなたか教えていただけますと幸いです.

A 回答 (6件)

No4です。



>dt/τの部分ですが,
>寿命τで dt を割るというのはどういう解釈をすればよろしいのでしょうか.
>知識が豊富な方はこの部分を見ただけで時間がτだけ経過するとで平衡状態に近づく
>のだな,と解釈できるものなのでしょうか.

P:「励起電子数の時間変化は、その瞬間の励起電子数に比例する。」

という、簡単な仮定を採用しているだけの話です。いろいろな現象の平衡状態への緩和が常にこの仮定に従うとも限りませんので、ここは「そういう仮定を受け入れた」という態度がいいと思います。


この仮定Pを受け入れれば、比例定数を1/τとして、それを式であらわせば、

d(n-n_p)/dt = dn/dt = -(n-n_p)/τ

(マイナスがつく理由は、励起電子数が、時間とともに減少するようなモデルにしたいからです。すなわち、系をほっておくと平衡状態に近づくという経験事実をモデルに取り入れています)

この微分方程式は、Cを時間によらない定数として

n-n_p = C*exp(-t/τ)

と同値ですから、τの意味が瞬時に分かります。

上の簡単な微分方程式が解ければ、知識が豊富でなくてもτの意味は分かるというわけです。
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この回答へのお礼

何度もご指導いただき,
ありがとうございます.

比例定数が1/τという事なのですね.

確かに微分方程式の解を見ますと
電気回路でいうところの時定数だとすぐにわかりました.

マイナスが付く理由も説明して頂いた
内容で納得する事ができました.

今回私の質問に対して
親切に解答いただいて本当に感謝します.

ありがとうございました.

また質問させていただく機会がございましたら,
よろしくお願い申し上げます.

お礼日時:2011/11/29 13:39

No5です。

補足しておきます。

指数関数での緩和がなぜよく出てくるかという理由を補足しておきます。

励起電子数の時間変化が

d(n -n_p)/dt = F(n - n_p)

という微分方程式で記述できるという仮定をします。すなわち時間変化が、その瞬間の励起電子数のみで決まるという仮定です。
右辺に時間が独立に入っていないのは、この現象に、時不変性があるということを仮定しています。(昨日した実験結果と、今日の実験結果が同じということです。)

F がテイラー展開できると仮定します。

今、励起電子の数は少ないとすると、

F(n -n_p) = F(0) + a(n -n_p )+...

で、1次で近似できると期待できます。ここでF(0)=0のはずです、なぜならn=n_pの時には、密度は平衡状態でその密度は時間変化しないからです。

よって

d(n -n_p)/dt = a(n -n_p)

を得ます。a はゼロでなければ負のはずです。なぜなら経験的に、時間が経てば状態は平衡状態に戻ると考えるからです。

よって a = -1/τ、(τ>0)

とおけば、

d(n -n_p)/dt = -(n -n_p)/τ

となります。

以上の議論で仮定した事は、比較的いろいろな現象で満たされる事が多いので、これが平衡への緩和が指数関数でたびたび表現できる理由です。
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No1です。



この式は要は電子数の収支をあらわす式です。


ある時刻区間 t~t+dt で、
ある微小区間 x~x+dx での励起電子数の変化は、密度の定義より、
 
(n(x.t+dt) - n(x,t))dx = dn/dt dtdx

で表現できます。(n_pは時間変化しません。)

その変化の原因は以下のとおりです。

(1)電子の密度自身が平衡状態より変化する事による変化(励起電子による電子数変化)

-(n(x,t) - n_p(x))dxdt/τ

これは寿命τで密度が揺らいでいると考えるといいと思います。
この事は励起電子の寿命がτといってもいいと考えられます。
しかしここは、非平衡の分布を簡単にモデル化していると考えた方がいいです。


(2)電流による電子数変化

電流による収入は境界点xから

J(x)dt/(-e)

で電流による支出は境界点x+dxから

J(x+dx)dt/(-e)

より、x~x+dxの収支は

J(x,t)dt/(-e) - J(x+dx,t)dt/(-e) =(1/e)(dJ/dx)dtdx

よって(1),(2)の原因を二つ合わせて、

dn/dt dtdx = -(n(x,t) - n_p(x))dxdt/τ + (1/e)(dJ/dx)dtdx

となります。あとは両辺をdxdtで割って、

dn/dt = -(n(x,t) - n_p(x))/τ + (1/e)(dJ/dx)

となり、拡散方程式になります。
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この回答へのお礼

ご解答頂き,
ありがとうございます.

おかげ様でかなりイメージができるようになってきました.

dt/τの部分ですが,
寿命τで dt を割るというのはどういう解釈をすればよろしいのでしょうか.
知識が豊富な方はこの部分を見ただけで時間がτだけ経過するとで平衡状態に近づくのだな,と解釈できるものなのでしょうか.

加えて,
-(n(x,t) - n_p(x))dxdt/τ
に負記号がつく理由がわかりませんでした.

もし差し支えなければ
お忙しいところ大変恐縮ですが
お答え頂きますと幸いです.

今回ご指導頂いた内容により,
拡散方程式の理解に大変役だっております.

何卒よろしくお願いします.

お礼日時:2011/11/28 21:10

右辺の第二項が入ってくるレート(rate)、第一項が出ていくレートです。


両者を足し引きして正なら密度が増えるし、負なら減るというレート方程式(rate equation)です。
出ていくと行ってもどこかに物理的に漏れ出るわけじゃなく、平衡状態の電子密度に戻ろうとして伝導帯から価電子帯に落ちるだけです。
落ちれば電気伝導を担うキャリアとしては働かなくなります。
その落ちるまでの平均的な時間(特性時間)がそこに書かれたτです。
伝導帯にいる電子は、平均的にはτだけ経つと価電子帯に落ちるということになります。
実際はexpカーブで減衰するので、1/eになる時間がτです。
npを引いているのは、過剰量の分だけが価電子帯に落ちるからです。
右辺も正確には∂(n-np)/∂t と書いた方が良い気がしますが、npは定数としていると思いますから、∂(np)/∂t = 0となり、∂n/∂tと書いていると思います。
なお、数値的に解いたりする場合、n<npでも解く気になれば解けますが、式の物理的な描像から、n>=npの場合にのみ適用可能です。
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この回答へのお礼

これがレートほうていしきなのですね.
名前は昔,授業で聞いたことがありましたが
実際に方程式とにらめっこするのは初めてでした.

バンド理論を交え説明いただき,理解の助けとなりました.
ありがとうございます.

本当は↑スピンと↓スピンの反転散乱の式を学習しており,
式の形が似ているという理由から
今回上式を質問させて頂きました.

sat000さんのお力添えにより
突破口が見えそうです.

お礼日時:2011/11/27 19:35

∂n/∂t = - (n-np)/τの部分については


∂(n-np)/∂t=∂n/∂t
としたものと考えるべきと思う。

平衡からずれた密度が平衡に戻る速度が
そのずれの程度に比例するとし、比例係数を
1/τとしたものとすると時間に関しては
n-np=(n-np)_0・e^(-t/τ)
であり、このモデルから、寿命は
∫[0~∞]t・e^(-t/τ)dt/∫[0~∞]e^(-t/τ)dt
として求められ、τとなる。

τは放射能の減衰の式に表れる崩壊定数の
逆数に当たるもの(それは寿命とされている)
に似ていることが分かる。
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この回答へのお礼

積分の式の意味がいまいち理解できず,
自分の勉強不足を恥じています.

お忙しいところ
解答いただいたのにも関わらず
ご迷惑をおかけし,悔しいです.

しかし,放射能の減衰定数の話は直感的理解に役立ちました.
ありがとうございます.

お礼日時:2011/11/27 19:31

平衡状態におよそτで近づくという意味です。

J=0として解いてみれば意味が分かると思います。
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この回答へのお礼

J = 0 とし,
微分方程式を解きました.

電流密度の微分項の意味はまだわかりませんが
少し理解が深まったように思います.

ありがとうございます.

お礼日時:2011/11/27 19:25

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