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お世話になります。
工業簿記の製造間接費について理解できない箇所があります。

具体的には、標準操業度と基準操業度は何が違うのかが解りません。
というのも、テキスト(サクッっとうかる日商2級工業簿記)には、
標準操業度:当月投入分を作るのに必要な標準作業時間
基準操業度:年度はじめに予算を立てるとき見積もった作業時間÷12
(操業度=作業時間とした場合)
と記載されておりますが、標準操業度=基準操業度と思えてしまうため
あえて分けて計算する主旨が理解できません。

つまり、
「年度はじめに予算を立てるときに見積もった作業時間÷12」であれば
「当月投入分を作るのに必要な標準作業時間」であり、
また、
「当月投入分を作るのに必要な標準作業時間」×12であれば
「年度はじめに予算を立てるとき見積もった作業時間」
であると思うのです(論理的には同値かと)。

とはいえ、類書を見回しても、両者は同じような説明で明確に
分けられており、問題集でも当然のごとく、シュラッター-シュラッター図
で解説をされているため、上記のような私の認識が間違っている
と考えております。

大変恐縮ですが、誤認してる点、そして、それゆえ、
「標準操業度と基準操業度は異なるもの」であるかをご教示
頂きたく存じます。

是非とも、お知恵の拝借をお願いいたします。

A 回答 (3件)

こんにちは



予定配賦率とは実際原価計算における、製造間接費の配賦率を言います。
標準配賦率とは標準原価計算における、製造間接費の配賦率を言います。

では、なにが違うのかというと
操業度の消費量(時間)が実際であるか(予定配賦率)、標準であるか(標準配賦率)という点です。

予定配賦については、製造間接費の配賦率にかぎらず、材料費、労務費についても同様です。


実際原価計算とは

財貨又は用益の実際消費量をもって計算した原価を言います。

当月投入において、材料を何kg消費していようと、労務費の作業時間に何時間かかっていよう
と製造間接費において何時間操業していようと考慮していない。 ということです。

問題集があれば見てもらえばわかると思いますが、予定配賦(予定価格)を使用した場合
には、当月投入における消費量は、すべて実際の消費量ですね。
製造間接費でいえば、消費量は操業度です。

※当月投入そのままの操業度(消費量)は、本当に適正(標準的)ですか?
 ということを考慮していませんね。

実際の操業度に対して(当月投入の中に無駄があっても)、予定配賦率を乗算して計算します。

この点において、実際と実際の比較を行っていることになるため、原価の無駄を排除する
という観点において、合理性を欠きます。


標準原価計算とは

財貨又は用益の消費量を、科学的・統計的調査に基づいて能率の尺度となるように
予定し、かつ予定価格又は正常価格をもって計算した原価を言います。
(ここでいう予定という言葉に惑わされないでくださいね。)

 当月投入 × 原価標準(標準価格 × 標準消費量)

当月投入における、材料について標準的な消費量を求め、労務費について標準的な
作業時間を求め、製造間接費について標準的な操業度を考慮したうえで、それぞれ
標準価格ないし、標準配賦率をかけて計算します。

製造間接費における標準配賦率は標準操業度(当月投入 × 標準消費量)に乗算して計算
します。

従って、差異分析においても、標準操業度と実際操業度の差異が発生しますね。
予定配賦率では、この差異は発生しません。
当月投入における操業度が能率的であったかどうかは無視されています。

標準原価計算においては、材料費、労務費についても同様に、消費量について差異が発生します。


計算の過程において、消費量が実際であるか、標準であるかが大きな違いです。
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

予定配賦を行っていても、消費量が実際である以上、実際原価計算といいます。
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

予定配賦率はあくまでも実際原価計算上の、製造間接費の予定価格を使用した配賦であり、
標準配賦率は、標準原価計算における、製造間接費の標準的な消費量が考慮された標準操業度
に乗算するものです。                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


何かあれば補足してください。
それでは、頑張ってください。
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この回答へのお礼

懇切丁寧にありがとうございます。

混乱していた点が、かなり明らかになりつつあります。

「配賦率」と「製造間接費」いう言葉の組み合わせで
異なるシーンで違う目的で使われている、ということですよね?

「実際」、「予定」そして「標準」という言葉にも結構
踊らされていた感があります。

nayuta_lotさんは、会計の専門職に就かれているのですか?

お礼日時:2011/11/27 21:11

こんにちは



>私の考えでは、
>標準操業度=標準投入量×標準消費量(時間など)
>と思っています。

標準操業度 = 標準投入量 × 標準消費量ではありません。
標準投入量というものはありません。


まず、標準原価計算の考え方を、もう一度理解してください。

標準原価とは、

 原価標準 × 実際の製品生産量
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
を言います。

また、原価標準とは、

 製品一単位あたりの標準的な原価
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
を言います。


材料費の場合は

 標準原価 = 当月投入量 × 原価標準(標準価格 × 標準消費量)

ですね。


製造間接費の場合は、同じように表記すれば

 標準原価 = 当月投入量 × 原価標準(標準配賦率 × 標準消費量)

で算出されます。


標準操業度とは、当月投入量 × 標準消費量 の部分を言います。

形を変えてみれば確認できますね。

 標準原価 = 標準操業度(当月投入量 × 標準消費量) × 標準配賦率 

 
標準操業度は、当月投入量を操業度に変換したものなので標準 × 標準ではありません。


もう一度、標準原価カード(製造間接費の原価標準)を確認してください。

 資料1.標準原価カード

        標準消費量  標準価格(標準配賦率)  金額
 製造間接費    2h     300円/時間      600円


 注1.標準消費量(製品1単位あたりに必要な、標準的な操業時間)
 注2.標準配賦率(1操業時間あたりの標準価格)

上記の場合、製品1単位あたりに必要な、標準的な操業度は2時間で
時間あたりに配賦される標準価格は300円という意味です。
従って、製品1単位あたりに必要な配賦額は600円になります。


当月投入量860 × 原価標準(標準消費量2h × 標準配賦率300円/h)で標準原価を
算出できますが、当月投入量860に対して実際操業度1,900時間は標準的な操業度といえるでしょうか?

そこで、当月投入量860を投入するために必要な標準的な操業度を先に求めてみましょう。
差異分析をするために標準的な操業度を求めておくと理解しやすくなります。

当月投入量に標準消費量(2h)をかければ、標準的な操業度が求められますね。

 当月投入量860 × 標準消費量2h(製品1単位あたりに必要な標準的な操業度)


従って、860を投入するために必要な標準的な操業度は、1,720時間となり、これを標準操業度と
言います。

当月投入量860に、実際にかかった操業時間は、1,900時間となっていますが
            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実際操業度が標準操業度よりも、180時間多いことが、ここで確認できますね。

860の投入を標準的な操業によって行っていれば、1,720時間で済むはずの操業時間が実際には、
1,900時間かかっているということを意味しています。

試しに1,900時間を当月投入量860で割ってみれば、2.209・・・hとなり、標準消費量を上回って
いることがわかります。

当月投入量 × (標準配賦率 × 標準消費量) を
(当月投入量 × 標準消費量) × 標準配賦率 として先に(当月投入量 × 標準消費量)
を標準操業度として、差異分析をしているあたりで混乱されているのでしょうか・・

また、わからなければ補足してください。
それでは頑張ってください。
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この回答へのお礼

改めて、ありがとうございます。

標準操業度について、私の考え方が誤っていたのですね。
間違いのポイントがわかり、その後のご説明がクリアになりました。

ここで、先の質問に関連して新たな疑問が湧いてきました。

というのは、製造間接費の標準配賦率と予定配賦率の違いに
ついて混乱しております。

なぜなら、両者を求めるには、
標準配賦率=(変動予算額+固定予算額)÷基準操業度
予定配賦率=製造間接費予算額÷基準操業度
であるため、同じ数値が算出されるためです。

同じ数値を場合によって呼称を変えているということ
なのでしょうか?

大変お手間をかけて申し訳ありませんが、再度お知恵の
拝借をお願いいたします。

お礼日時:2011/11/27 10:11

こんにちは



基準操業度とは、製造間接費標準配賦率を算定する基礎となる操業度で、
当該企業において、一定の予算期間に目標とする操業度です。
操業度の設定の仕方はいろいろあるので割愛します。

 標準配賦率 = 製造間接費予算 / 基準操業度

従って、基準操業度に達すると製造間接費予算が回収できることになります。


標準操業度とは、当月投入量 × 標準消費量(時間)で計算した操業度を言います。
つまり、当月投入量に対しての標準的な操業度です。


以下、例題です。



資料1.標準原価カード

       標準消費量  標準価格(標準配賦率)  金額
製造間接費    2h     300円/時間      600円

基準操業度 2,000時間


資料2.生産データ

月初仕掛品  (0.4)200個
当月投入        800
  計         1,000
月末仕掛品  (2/3)180
完成品         820
( )内は加工進捗度を表わす。

資料3.実際データ

製造間接費  610,000円(1,900時間)


上記のような問題が出題されると思いますが、そもそも標準配賦率は、
前提として以下のように求められています。

 標準配賦率 300円/時間 = 製造間接費予算 / 基準操業度

従って、基準操業度に標準配賦率(標準価格)をかけてやれば、基準操業度における
予算額が求められます。

 基準操業度における予算額 600,000円 = 300円/時間 × 2,000時間


では、標準操業度はいくらになるでしょうか?
生産データが以下のようになっていました。

月初仕掛品  (0.4)200個
当月投入        800
  計         1,000
月末仕掛品  (2/3)180
完成品         820

しかし、加工進捗度を考慮する必要がありますので、

月初仕掛品        80個
当月投入        860
  計           940
月末仕掛品       120
完成品          820

となります。
当月投入は860ですので、当月投入の標準的な操業度は

 当月投入量 × 標準消費量(時間)

従って

 1,720時間(標準操業度) = 860 × 2時間 

となります。

実際操業度は1,900時間でしたね。 当月投入量に対する標準的な操業度と比較すると
180時間非効率であるといえますね。

また、基準操業度は2,000時間ですから、標準的な操業度からみれば、280時間、目標より
も操業していないことになります。


--------------------+---------------------+---------------------+
          標準操業度1,720     実際操業度1,900     基準操業度2,000


では、どれだけ当月投入すれば基準操業度に達するのかというと

 当月投入量 1,000 = 基準操業度 2,000時間 / 標準消費量 2h 

ということになります。


裏返して言えば、当月投入量が、1,000に達すると、標準操業度は基準操業度と
一致するのです。

つまり、当月投入量を標準操業度によってはかることによって、実際との差異、基準に対する
差異を分析できるのです。


【差異分析】

ちなみに、標準配賦率300円のうち、200円が変動費、100円が固定費の場合の差異は以下の
ようになります。 ※3分法による

全体の差異 (1,720h × @300) - 610,000 = 94,000(借)

予算差異  (1,900h × 変@200 + 2,000h × 固@100) - 610,000 = 30,000(借)

能率差異  (1,720h - 1,900h) × 変@200 = 36,000(借)

操業度差異 (1,720h - 2,000h) × 固@100 = 28,000(借)


標準操業度と基準操業度の違いが少しお判りいただけたでしょうか?
なにかあれば補足してください。
それでは頑張ってください。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

例示していただいた問題の前に、

>標準操業度とは、当月投入量 × 標準消費量(時間)で計算した
>操業度を言います。
>つまり、当月投入量に対しての標準的な操業度です。

この点が理解できません。

というのは、当月投入量は実際にかかった数量なので、
それに対する標準的な操業度…という箇所が腑に落ちません。

私の考えでは、
標準操業度=標準投入量×標準消費量(時間など)
と思っています。

そのため、”標準投入量”の箇所が”当月投入量”という
ご説明が理解できておりません。

ご丁寧に説明いただき恐縮ですが、補足賜れると幸いです。

お礼日時:2011/11/26 22:17

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