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 原価計算で、いつまでたっても分からないことがあります。

 部門別計算において階梯式配賦法を適用する場合、その順位付けは、
 (1)自己を除いた、提供する補助部門の数の多いほうが順位が上
 (2)(1)が同じである場合、第1次集計費の大きいほうが順位が上
と、だいたい教わってきました。

 もちろん、第1次集計費の大きいものは金額的に重要ですから、通常の感覚では順位が上でしょう。
 しかし、こと階梯式配賦法となると私の感覚では、第1次集計費の小さいほうを先にやっつけて、大きいものを後でドカッと配賦するほうが理にかなっているように感じます。
 第1次集計費の大きいほうを先に配賦しては、もともと第1次集計額の小さかった補助部門費が徐々に大きくなりますから、原価計算を狂わせるような気がするのです。

 どうして、だいたい教わることと私の感覚とが異なるのか、私の感覚のどのあたりが理にかなっていないのか、どなたかからご教示いただきたいと思います。

A 回答 (1件)

私は質問者様の感覚が理解できます。

「階梯式配賦法」という具体的事項にではなく、
(1)間接部門費を直接部門に配賦する。あるいは、
(2)間接費用を製品に配賦する、
という、全部原価計算方式に根本的矛盾があるのです。

原価計算を全部原価計算方式で行う現在の原価計算制度は根本的に間違っていると考えます。

(2)の場合、製品の原価として直接認識できる直接費を計算(集計)するのは合理的ですが、製品の原価として直接認識できない間接費を製品の原価に組み込もうという考えは不合理です。不合理であるがゆえに、「配賦」という矛盾に満ちた手段を用いて強引に製品の原価に組み込むことになってしまいます。

どのように配賦しても、完全な部門費や完全な製品原価が算出できるわけではありません。いや、むしろ、完全な部門費や完全な製品原価は存在しないもの、と考えるのが正しいです。会計とは、実際の姿を表現する技術ではなく、一定の条件やルールの下に繰り広げられる理論の世界なのです。

原価計算が全部原価計算方式から直接原価計算方式に変更するだけで、同じ製品の原価が一個あたり10万円から、一個あたり7万円へと、ガラッと変わってしまいます。期末に1万個の製品在庫があれば、利益の減少額は3億円です。

この時、企業会計原則の「真実性の原則」に、「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実の報告を提供するものでなければならない。」とあるのが空虚なものに見えます。ルールを変えるだけで「真実」が変るとは・・

原価計算は直接原価計算方式で行うべきです。直接原価計算の場合は、「配賦」という、理屈に合わない、矛盾した計算は排除され、すっきりしたものになります。

という訳で、会計の世界は全部原価計算方式全盛時代ですから、長いものに巻かれろ、質問者様は、階梯式配賦法に従わざるを得ないと思います。
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