
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
追加です。
「EとH,DとB」という本が共立出版・物理ワンポイントシリーズにありました。
1冊の本になるくらいBとHの区別は難しい,というか私も理解に苦労した記憶があります。
B=μH 磁束密度B[Wb/m^2],透磁率μ[H/m],磁界H[A/m]
D=εE 電束密度D[C/m^2],誘電率ε[F/m],電界E[V/m]
J=σE 電流密度J[A/m^2],導電率σ[S/m],電界E[V/m]
これらの式は数学的には同じ形になり,ポアソン方程式の境界条件なども同じ形になります。
私もしばらく,B,H,D,Eという物理量の違いが理解できず,悶々としていました。
これらの中で
「導電率σの物質に電界Eをかけると,電流密度Jで電流が流れる」という,
微視的なオームの法則が一番イメージがわきやすかったです。
すなわち,
EやHは流れを作り出す「界」の大きさで,長さあたりの傾斜
J,B,Dはできた流れを,タバとしてみた「束」の面積あたりの密度
というイメージです。
EやHに,平行な長さをかけて積分した起電力[V],起磁力[A]
BやDやJに,垂直な断面積をかけて積分した,磁束[Wb],電束[C],電流束[A]
これらは同じ性質を持つことになります。このうち電圧(起電力),電流は電気回路の考え方に従い,
直列や並列に接続したときの性質がよく分かっています。
これを手がかりにして,
磁束や電束は流れる量で,電流と同じく「束」として一続きの糸のようにつながっている。
磁界や電界は流れを作るポテンシャル勾配「界」で,ぐるりと一周線積分すると起磁力,起電力になる,
というイメージがつかめました。
ご丁寧にありがとうございます!
他にもA/mとN/Wbの次元が等しいのは何故かと考えたりしました。
イメージが論理に結び付くまでしっかりと勉強します!
No.3
- 回答日時:
本当にざっくりとですが、磁束密度(T)は電圧の積分値で、磁界(A/m)は電流の換算値で、空間磁場に関しては、真空中、空気中では透磁率を1としてB=(μ0μs)Hと考えますので、磁場の単位としては、ガウス(G)でもミリテスラ(mT)でもエルステッド(Oe)でもアンペア/メータ(A/m)でも表現はできます。
10000G=1T、1Oe=79.58A/mになります。No.2
- 回答日時:
磁界H[A/m]と磁束密度B[Wb/m^2]の使い分け
真空あるいは空気中だけを考える限り,これらの区別ははっきりしません。昔のcgs系単位系が真空の透磁率を1においていた名残で,未だに混乱していることもあります。
ただし,鉄(強磁性体)と空気のように,透磁率が異なる媒質を扱う時には,BとHをしっかり区別する必要があります。鉄の中ではHは小さくてもBは大きくなります。空気中ではBは小さくてもHが大きくかかります。
また,電流によりできるのは磁界Hであり,時間微分して誘導起電力を作る磁束になるのは磁束密度Bです。
すなわち,アンペールの法則∫Hdl=nIは,磁界Hに対して,媒質に無関係に成立。
ファラデー・レンツの誘導起電力の法則e=d{∫BdS}/dtは,磁束密度Bに関して,媒質に無関係に成立。
電磁気の教科書でも真空中だけを扱う章では,Bを線積分したアンペールの法則とか,Hを面積積分した誘導起電力の法則など,物理的に「変」な数式で書いてあることがあり,要注意です。媒質の透磁率がいたるところμ0の場合は単に定数倍するだけなので数学的には正しいのですが,物理的には気持ち悪い式になります。
電磁気の教科書の数式の中で,
「透磁率がどこでも一様な場合だけに成立する数式」と
「透磁率が場所によって変っても成立する数式」は
をよく区別して理解する必要があります。
以上,マクロな電磁気学の立場としてBとHの違いを説明しました。
ミクロな電磁気(物性あるいは磁気双極子)の立場から,BとHの違いを説明していただけるといいですね。
No.1
- 回答日時:
人によってはBを磁場と言う人もいます。
その為、Hを「磁場の強さ」と言ったりします。
ややこしいので、ここでは、Bを「磁束密度」Hを「磁場の強さ」で統一します。
大雑把に説明します。
電流を流すとまわりに磁束を生み出します。
出来た磁束の先に何か物質があると、その物質までそれなりの磁束を出すようになります。
流した電流からの磁束の影響で、物質中の分子ひとつひとつの向きがある程度揃ってしまうからです。
(分子ひとつひとつはそれぞれ電子がくるくる回っているので、それぞれがめちゃくちゃ弱い磁束を作ってますが、普段は向きがバラバラなのでまとめてみると相殺されてほとんどゼロになってます)
このとき、全部ひっくるめた磁束の密度が磁束密度Bです。
ただ、このBだと、流した電流からの磁束と物質が勝手に持った磁束をひっくるめてますから、計算がややこしいです。
ここで、物質が勝手に持った磁束をさっぴいた物理量を考えます。
これが磁場の強さHです。
これだと流した電流から直接求められます。
ただし、単位が違うことからも分かるように、単純に引いてるわけではありません。
この二つを、B=μHとしてつなげるのがご存知の通り透磁率μです。
物質がない場合、つまり物質が勝手につくる磁束なんてない場合は、真空の透磁率μ0を使います。
数学的過程は省きましたが、こういうやり方をすると、物質の磁束がどうたらとかややこしいものを、μという物質ごとの定数に全部丸め込むことができるので、いろいろと便利なのです。
また、見てのとおり電束や電場といかにも似ている関係式がでてきていい気持ちになったりもします。
回答ありがとうございます!
分子一つ一つの向きが揃うのか…
教科書に書いていなくて(単に読みが不足していたのかも)知らなかった…
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